第15話 魔道士行動規範
ありがたいっ!
これで全員の守備を底上げできる!
「
円形に光が走り、生徒たち全員に6000の耐久付与を施した。そこら中で蠢き始める根っこの攻撃への備えだった。
メキッ! メキメキメキッ! メキメキメキメキッ!!
ドドドドドドドドドドドドドドド………………!
ウルミが目を開いた。
地響きと
「魔道士ッッ、行動規範――――ッ!」
彼女は鬼のような形相で歯を食いしばり、膝を震わせながら立ち上がった。
「魔道士はッ、勇気を旨とすべし――――ッ!!」
降り落ちる石塊の中、よろめきながら近くの生徒を助けに動く。
「そうだっ! 立てっ! 仲間を支えろ!」
私はシバリンを引きずりながら叫んだ。
他の生徒も目覚め、声を上げた。
「魔道士はァ! 正義のために生きるべしィ―――ッ!」
それは、いばら腕立て伏せで泣いていた子だった。
彼女は相変わらず泣きながら、ふらついて仲間を助けに向かっていく。
続くように、一人また一人と立ち上がる。
「魔道士はッ! 博愛を! 旨とすべし―――ッ!」「魔道士ィはァ! 弱きものをッ! 救うべし―――ッ!!」
叫び、足を引きずり、必死で仲間を助けに行く。
こいつらとんでもない根性してる……!
私はなんだか目頭が熱くなるのを感じた。
生徒たちの勇気に押されたのか、私の瞳にはものすごい数のメッセージが浮かび上がり、怒濤の勢いで投げ魔力が降ってくる。
『支援支援支援支援支援!! 魔力:+99999』『チエリーが伝説級の魔物と戦ってるッ!! 魔力:+150000』『これで戦え! 魔力:+600000』『魔物を封印しろっ! 魔力:+700000』『五〇〇年ぶりの再封印でち! 魔力:+1000000』『精霊長の応援来た――! 魔力:+500000』
こんな大規模な投げ魔力は見たことがない。
いや、噂では聞いたことがある。精霊にも序列があって、高位の精霊がいるらしいということを。高位の精霊に接触できると、とんでもない量の魔力を授かるという。どうやらその高位の精霊たちが続々やって来たらしく、さっきよりもさらに桁違いの大魔力が届いている。
今の私の魔力量は!?
『チエリー・ヴァニライズ
耐久:6000
魔力:???????』
ステータス表示魔法の限界を超えたらしく、ステータスはぶっ壊れてしまって、魔力の数値が読めなくなった。ただ一つ、途方もない魔力があることだけは理解出来た。
これだけの魔力があれば、私にもッ……!
私はシバリンを地面に横たえて、魔道士の杖を構えた。
その杖先を上に向け、上方から私たちを見下ろしている目玉を狙った。
石片の雨の中、巨大な目玉が私を見ていた。
「
呪文を詠唱した。
ありったけの魔力を注ぎ込んだ超特大の封印呪文……!
ドッ…………!
目の前が真っ白な光に包まれた。
射出した魔力の反動で私は後ろに吹っ飛んでしまう。
威力に耐えきれず、魔道士の杖もばらばらに分解してしまう。
バァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!
激しい光が
ビキビキビキビキビキビキビキビキビキビキビキビキビキビキィッ!
ドドドドドドドドドドドドドドド………………!
断末魔の抵抗のように、激しく地は揺れ続けた。
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