第114話 #liVeKROneクリスマスパーティ②

【#liVeKROneクリスマスパーティ】1日遅れ?クリスマスはこれからだ!!【黒惟まお/リーゼ・クラウゼ】


「……ともかく今年はきちんとクリスマス配信も出来たし、こんな風にリーゼと一緒に3Dクリスマスライブまで出来て沢山のプレゼントを貰っている気分だよ」

「わたくしもただのリスナーとしてではなく魔王見習いVtuberとして皆様と一緒に過ごす事ができるのはとても嬉しいです!」


 :二人が3Dで並んでるのを見れるのがプレゼントまである

 :それぞれのクリスマス配信も良かったなぁ

 :まお様ASMRやばかったな

 :リゼにゃん無双だった


 このままリーゼやリスナーと共に互いのクリスマス配信のことだったりに話題を広げればいくらでも話せてしまえそうであるが、今日はクリスマスパーティーと題したミニライブ配信なので話してばかりはいられない。


「今夜はliVeKROneのクリスマスパーティーということだが、何をするかリーゼは聞いているか?」

「はい!運営からこちらを預かっていますので読み上げますね……。黒惟まおさん、リーゼ・クラウゼさん、メリークリスマス!お二人をliVeKROneに迎えて初めてのクリスマス楽しんでいますでしょうか?無事にお二人の3Dお披露目も出来てスタッフ一同ホッとしております。お二人のお陰でliVeKROneも沢山の方から注目を浴びることになりました。そこで頑張ってくださったお二人に……今回我々スタッフ一同からクリスマスプレゼントをご用意させて頂きました!」


 :おっ

 :運営ありがとう

 :プレゼント!

 :なんだろう?


「ただし……、普通にお渡ししても配信者として活動されているお二人には物足りないだろうということで。このクリスマスパーティーを通して沢山のリスナーさんたちを楽しませることが出来たらという条件を付けさせていただきます。是非このクリスマスパーティーを盛り上げてくださいね。リスナーのみなさんも是非コメントや#liVeKROneクリスマスパーティをつけた感想をSNS等に投稿して一緒に楽しんでいただければ幸いです。liVeKROneスタッフ一同より。だそうです」


 :なるほどね

 :さらっとタグ宣伝してて草

 :一緒に楽しもー!!

 :任せとけ!


 リーゼが読み上げている内容は配信画面上にも表示されているが、要するに普段通りリスナーと共に配信を楽しめということである。そんなこと言われるまでもないことだが、プレゼントというご褒美が用意されているとなれば俄然やる気が出てくるのだから人というものは単純なものだなぁと思ってしまう。


 ちなみにこのプレゼント、実際にどんなものかは貰ってからのお楽しみということで徹底して隠されている。いくつか現実的なラインで予想はできるが、先にも言った通りもうすでにプレゼントは沢山受け取っているのだ。何が来ても嬉しいものには違いないだろう。


「我々も随分と甘く見られたものだなリーゼ」

「はい、まお様」

「そのような条件、我々の前にはないも同然……。リスナー、お前たちも全力で楽しんでもらえると信じているぞ?」


 :当たり前!

 :盛り上がっていくぞー!

 :当然!

 :はい、まお様!


 煽るまでもなく任せろと言わんばかりにその流れを速くする頼もしいコメント欄、その様子を満足気に眺めてから隣のリーゼに目配せして自然と互いに背中を預け合う。


「ではこの歌でこのクリスマスパーティーを始めようじゃないか」


 :きちゃ!!

 :おっ

 :この曲は!

 :これから来たか!!


 イントロが流れ始めた時点で何の曲か察したリスナーたちの反応を横目に歌い始める。


 その曲は初めてリーゼと共に配信でお披露目したデュエット曲。あのときは緊張や不安で震えてしまっていた彼女も今や伸び伸びと私に負けないと言わんばかりに歌声を響かせている。


 :リーゼちゃんうまくなったなぁ

 :二人共ほんと楽しそう

 :まお様に負けてないな

 :二人のハモリほんと好き

 :バックに流れてるうたみたのMVもいいなぁ


 背中合わせから互いに向き合う形になってようやく見れたリーゼの表情は本当に楽しそうで、自身のパートを歌い終わった際には挑発的な視線までをも投げかけてきた。その成長が嬉しくて、そんな生意気な彼女に負ける訳にはいかないと更に力と気持ちを込め歌い上げる。


 :リーゼちゃんのロングトーン!

 :綺麗……

 :まお様が完全に見守る親の目しとる


 あのとき見せ場のロングトーンは私が担当したが、今回はパート割を少し変え彼女に譲っている。きっとあの配信とそのあとに投稿した動画をよく見ていたリスナーにとっては新鮮に聞こえたことだろう。


 :8888888888

 :やっぱ最高!

 :ライブバージョン最高やなって

 :二人共めっちゃうまくなってた


「ふぅ……ということでまずは一曲聞いてもらったが、二人でこの曲を歌うのは久しぶりになるな」

「はい!前は随分と緊張してしまってまお様に沢山助けられましたが……今日は自信を持って歌えたと思います!」

「みなにも近くで見せたかったぞ、途中でまるで煽ってくるような視線を感じたからな」

「えっ、あっ……そんなつもりはなくてですね……成長したわたくしをまお様に見てほしくて……」


 :草

 :リーゼちゃんかわいい

 :ドヤ顔する娘

 :完全に親子なんだよなぁ

 :というか自然に手繋いでるの尊すぎる


 からかうように言葉をかければ、焦ったように言葉を詰まらせながら弁解をするリーゼ。そんな反応を見せているということは多少なりとも心当たりがあるのではないかと邪推してしまうが、口にした言葉も本当の事なんだろう。そんな様子が可愛らしくて笑みを深めてしまう。


「冗談だよ、ロングトーンとても美しかった」


 繋がれていた手を離すと一瞬寂しそうな視線がこちらに送られてくるが、その手をそのままリーゼの頭上に掲げるとわかりやすく表情が柔らかくなり少しだけこちらに頭を傾けてくれる。そのまま、ぽんぽんと軽く頭を撫でてあげる。


「あっ……嬉しいです……えへへ」


 :かわいすぎるやろ……

 :えへへて……

 :キュン死した

 :まお様に頭ぽんされたらこうなるのか……


 先程から自然と手を繋いだり、頭を撫でたり配信でのスキンシップを多く取っているのには実は理由がある。それはこうやって触れることによってこまめに魔力をリーゼに送っているのだ。

 前回のお披露目配信で私が倒れた理由は整理してしまえば魔力を貯め過ぎたことが大きな原因であり、今もリスナーたちからの思いが魔力となって私の身に蓄積されている。


 それに前回からの経験から気付いたこともあって、先程のように歌い終わったり普段の配信でも何かを成し遂げた際には受け取る魔力量も多くなっているようで、つまりリスナーたちからの思い……魔力は、私の行動によって何か強く心を動かした際にその度合に比例して増減するらしい。


 なので配信の節目節目でこのようにスキンシップを取っているように見せかけてリーゼに触れ魔力を送ってしまえば、前回のような事態は避けられるのではないかと考えた。


 もちろん、だからって無理矢理に触れ合っている訳でもないし。今の私の手首には新しく用意してもらった魔石がはめ込まれたブレスレッドもあるし、あの時よりも体内にある魔力量はより詳細に把握できるようになっているので安心してこの配信を行えているのだ。


「そういえば運営からはパーティを盛り上げるためのミニゲームを用意していると聞いているが……ここには何も見当たらないな?」

「そうですねぇ、といってもここは玉座の間ですから3D配信で行うミニゲームというくらいですからもっと開けた場所に準備してあるんじゃないですか?」

「たしかに言われてみればそうか……では中庭か?」


 という風にとぼけてみせるがこのあとは中庭に移動してジェスチャーゲームを行う手筈になっている、せっかくの3Dなのだからやはり身体の動きがあったほうがいいだろうということで定番中の定番ゲームといえばこれだろう。


 私がリーゼの頭を撫でていた手をさらに頭上に掲げ指を鳴らす仕草をしてみせればパチンと小気味良い音と共に配信画面が一瞬暗転し、周りの景色は玉座の間から開けた中庭へと一瞬で切り替わる。


 :さすまお

 :指パッチン移動ほんとすこ

 :ん?

 :これは……

 :おっ


「おい……」

「どうしましたまお様?」

「なぜかとても見覚えのあるものが用意されている気がするんだが」


 今私の目の前では配信画面には映っていないが慌ただしくスタッフたちがミニゲームの準備を行っている。ジェスチャーゲームにそんな準備は必要ないだろうし、リハーサルでは見ることのなかったものまで運び込まれて来た時点で、その様子を不思議そうに眺めているのが一人だけだということにようやく気付いてリーゼやスタッフたちにハメられた事を悟る。


「ということでミニゲームはわたくしの3Dお披露目配信でサクラ子と対決したツイスターゲームです!!」

「リーゼ……にスタッフ!騙したな!ここはジェスチャーゲームだって言ってただろう!」

「何のことですか?まるで台本があるみたいな事を言うなんて……」


 :草

 :まお様サプライズなのwww

 :台本なんてあるわけ……

 :ツイスターの時間だあああああああ


 目の前にはばっちり準備されたツイスターゲームのために用意された空間。少し遠くのモニターに目を向ければリーゼの3Dお披露目配信で見たまんまの配信画面が映し出されている。ついでにモニターのすぐ近くに居た顔見知りのスタッフへと視線を向けると気まずそうに顔を逸すが僅かに口元が笑っている。


「後で全員覚えておくように……」


 :まお様がんばえー

 :ヒェッ

 :これは熱い勝負が見れそうだ

 :リーゼちゃんとスタッフナイスゥ!!


……


「っ、……あっ」

「えっ」


 :えっ

 :あっ

 :ま?

 :www

 :まお様……


 騙された形で始まったツイスターゲームであったが、それでもここまでお膳立てされてしまえば勝負に乗るしかない。それにリーゼとサクラ子の対決を見てこのクリスマス配信でもやってほしいというリスナーの声はたしかにスタッフ達にも私にも届いてはいたのだ。


 サクラ子相手に一歩も引かずその見事な忍耐力と精神力を見せたリーゼが相手なのはかなり厳しいものがあるが、やるからには全力で挑まなければリスナーたちの期待を裏切ってしまう。


 そう思って挑んだツイスターゲームであったが……。序盤も序盤、まだお互いにそれほど触れ合わないうちに……盛り上がるはずのランダムお題を引く前に……あっけなく私は力尽き、情けなく地面に手足を投げ出していた。


「あの……まお様……」

「何よ……」


 :完全に素で草

 :リーゼちゃん困ってて草

 :この空気どうすんのwww

 :いやーまお様持ってるわwww

 :配信的にはアレだけど配信者としては100点なんだよなぁw


 あのリーゼでさえ、今の私に声をかけるのを躊躇い言葉選びに困るほどだ。スタジオに漂うなんともいえない空気に耐えられずうつ伏せのまま脱力する。


「その……こういう時もありますよ!ほらっ!リスナーさんたちもすごく盛り上がって……」


 :草

 :いや確かに盛り上がってはいるwww

 :違うそうじゃない

 :いまはどんな優しい言葉も刃になるぞw


「ふん……せいぜい笑うがいいさ、今ほど駄魔王Tシャツが3Dに実装されてればと思うこともないだろう」


 :たしかに

 :実装はよ

 :ポニテも実装してもろて

 :メガネ!メガネ!


 しかし、いつまでもうつ伏せのままでいる訳にもいかずのっそりと立ち上がり幽鬼のごとくふらりふらりとした足取りで配信画面外へと出ていく。


「まお様!?まって下さいまお様!!」


 :草

 :二人して行かないでw

 :よっぽどショックだったんやろなぁ

 :まお様撮れ高とか気にしちゃうから……

 :ある意味おいしかったで


 私を追ってリーゼも姿を消すと画面は暗転し、若干想定とは異なるが次の歌のために立ち位置に戻る。というかあんな不意打ちみたいなツイスターゲームをやらせたあとに歌えというのだから、どんなことがあっても動じないと信頼されていると喜んでいいのか微妙なところだ。

 立ち位置に付いたところで恨みがましい視線をリーゼに向けてみるとただただ申し訳なさそうにぺこぺこと頭を下げるものだから、そんな様子が少し可笑しくて思わず笑ってしまう。


 さて……、リーゼをいじめるのはここまでにしておいて気持ちを切り替えなくては……。

 次に歌う曲は、色々な意味で覚悟が必要だ。


 :!!???

 :まおにゃん!??????????

 :リゼにゃん!!!!!!!

 :きちゃ!!!!!

 :とうとう!!!

 :しかもこの曲!!


 暗転が明けると舞台は中庭からダンスホールになっていて、中央にはふたつの影。両方ともに頭上にはぴょこんと特徴的な耳が生えていてお尻からはすらりとした尻尾が伸びている。


 伴奏が始まると共にしなやかにリーゼに向かって一礼し、踊りに誘い出すように歌い始める。自由を謳歌する猫らしく、誰にも縛られないこの生活こそが最高に楽しいのだと、この手を取ってほしいと彼女に向かって手を差し伸べる。


 しかし、そんな私を一瞥したリーゼはついとつれない態度を取ってこちらから距離を置いてしまう。普段ならばあまり見られないそんな彼女の行動だからこそ、その様が似合っているようにも感じてより魅力的に思えてくる。


 フワリフワリと優雅にドレスの裾を揺らしながら、こちらからの誘いには乗ってくれない彼女。だからこそ、誘う言葉にも熱が入り大きな夢を語ってみせるのだ。やっとこちらと目を合わせてくれたのでじっと見つめて微笑みかけると僅かにその瞳が迷うかのように揺れ、また視線を逸らされてしまう。


 :これリーゼちゃん顔真っ赤やろなぁ

 :よく冷静に歌って踊れるな……

 :あんなんされたら完璧にメスネコにされるわ……

 :イケメンまおにゃん……いい……

 :まおにゃんに口説かれたいだけの人生、いや猫生だった


 引いて押しての駆け引きを楽しむように歌って踊り、くるりとターンすればドレスの裾と共に長い尻尾も遅れてついてくる。そんな様子が楽しくてたまにはこういうのも悪くないなと思ってしまう。


 :最高すぎた

 :夢が叶った……

 :ありがとうliVeKROneクリスマスパーティー

 :まおにゃんトレンドで草

 :どんだけ待ち望まれてたのか

 :3Dまおにゃんはほんとに居たんだ!!


 思わせぶりなセリフを最後に再び暗転、耳も尻尾も消えてしまった黒惟まおとリーゼ・クラウゼがダンスホールに現れる。


「なんだかとても素敵な夢を見ていたような……」

「リーゼ、なんだかぼーっとしてるが大丈夫か?」


 :まおにゃんは!?

 :リゼにゃんは!?

 :コラボトークは!?

 :なんだ夢か……

 :夢オチ!?


 なんだか歌い終わってから心ここにあらずといった様子のリーゼが心配になって顔の前に手のひらをかざして左右に振ってみる。


「にゃっ!?……じゃなくて、大丈夫です!」


 :リゼにゃん!?

 :残ってる残ってる

 :にゃ!?

 :草


「ならばいいが……、やけにコメント欄がにゃーにゃーうるさいな」

「もしかしたら、素敵なクリスマスプレゼントがリスナーの皆様にも届いたのかも知れませんね」


 :最高のプレゼントだった

 :ありがとう……

 :ありがとうまおにゃんリゼにゃん

 :今度はトークも頼む


「ところで、いい加減我々にもプレゼントとやらが届いてもいい頃なんじゃないか?」

「たしかに……随分盛り上がったみたいですし。運営さんいかがですか?」

「なんだ、この箱をどうぞ?」


 :でっか

 :でかくて草

 :二人すっぽり入りそうやん

 :めっちゃ軽そう


 スタッフから呼ばれそちらに向かうとハリボテの箱を渡された。どうやらトラッカーがついているようで受け取り配信画面内に戻ってくると配信画面内には私とリーゼ二人がすっぽりと入りそうなほど大きなラッピングボックスが現れる。


「大きいですねぇ……何が入ってるんでしょうか」

「さすがにこの大きさだと綺麗に開けるのは難しいが……って勝手にリボンが解けたぞ」

「というかまお様この箱勝手に開いていきますよ!」

「まさか爆発とかしないだろうな……って煙!?」

「これじゃなんにも見えません……」


 :爆発オチ!?

 :真っ白やんけ

 :煙そう

 :玉手箱か!?


 プレゼントの内容については本当に二人共何も聞かされていないのだ。先程はリーゼとスタッフに騙されてしまったがこれに関してはリーゼも知らされていないようである。勝手に開封されたラッピングボックスから溢れてきた煙によって配信画面が包まれるがすぐにその煙は晴れいつのまにかラッピングボックスも画面から姿を消している。


「何が起きたんだ?」

「プレゼントもなくなってしまいましたし……」


 :んー?

 :なんだったんだ?

 :あれ?

 :おっ

 :髪飾り!

 :二人共頭!


 いったい何だったのだろうかと二人してあたりを見回してみるが特に変わった様子もなく、少しの間コメント欄もクエッションマークが並んでいたが少しずつ同じ単語がコメント欄を埋めていく。


「髪飾り…?ん?……なるほど、運営もなかなか粋なことをしてくれるな」

「まお様!髪飾りが!それにこのモチーフは……」


 配信画面全体とコメント欄ばかり見ていたせいで気づくのが遅れてしまったが、よくよく見てみれば画面内の黒惟まおとリーゼ・クラウゼの頭に見慣れない髪飾りが付けられていた。黒惟まおには白をベースとしたものに青宝石が散りばめられていて、リーゼ・クラウゼには黒をベースとしたものに赤い宝石が散りばめられている。それぞれ黒髪に白、銀髪に黒なのでとても映えて見える。


「互いのモチーフをそれぞれにといったところだろう、リーゼよく似合っているよ」

「まお様もとてもよくお似合いです……こんな、いつのまに」


 :てぇてぇ

 :運営わかってるぅ

 :綺麗だよ!

 :リーゼちゃん泣きそう?

 :いいプレゼントだ


 普通に考えれば3Dモデルを作ったときに予め用意しておいたとも考えられるが……。liVeKROneのスタッフがそんな出し惜しみを許すはずがないというのは付き合いの中でよくわかっている。それにこの意匠は間違いなくSIRENT先生……しずによるものに違いないだろう。


「デザインは我らがSILENT先生だろう?スタッフも静も忙しいだろうに、ありがとうとても嬉しいよ」

「ぐすっ……、ありがとうございます……」

「ほら、泣いてるより笑ってるリーゼの方が可愛いんだから」

「……はい!」

「それになにより、我々を応援し続けてくれているみなのおかげでもあるからな、ありがとう」

「はい!皆様あっての我々ですから!」


 :SILENT先生ありがとう!!

 :先生に運営さんありがとう!

 :二人が頑張ってるからだよ

 :こっちこそありがとう!


 涙を溢してしまっていたリーゼも私の言葉に力強く頷き、いつもの調子を取り戻す。


「さて、こんな素敵なプレゼントを貰ったんだ。これはますますみなを楽しませなくては魔王として、配信者としての矜持が許さぬ」

「わたくしも魔王見習いとして、配信者として同じ気持ちです!」

「我らのクリスマスパーティーはまだまだ終わらぬ!」


 :やったぜ!!

 :クリスマスパーティーだー!!

 :盛り上がっていこー!!

 :いえーい!!


 現実にはもう終わってしまっていたとしても関係ない。時間いっぱい許す限り……そしてスタッフの好意なのかうっかりなのか、少し時間をオーバーするまでliVeKROneのクリスマスパーティーは続くのだった。

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