第106話 今年のマロは今年のうちに

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黒惟まお@liVeKROne/26日は3Dクリスマスライブ! @Kuroi_mao

今宵はたまりにたまったマシュマロを消化していこうと思う

変なものは容赦なく焼き尽くしてしまうのでそのつもりでいるように

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『久々のマシュマロ読みきちゃ』

『これはフリかな?』

『クソマロは持ったな!?』

『投げなきゃ(使命感』


「これでよしっと……」

「今夜はマシュマロ読みですか?」

「えぇ、気づいたらすごい数になっていたので……」


 外部スタジオでの収録の休憩時間、今夜の配信予定を伝えるメッセージをSNSに投稿すると少し離れたところでノートパソコンを開いて仕事をしていたマネージャーがその手を止めて私に声をかけてくる。というか、別にこれから告知を行うとも言っていないのにすぐさまその内容まで把握しているということは確実にSNSの通知をオンにして動向を監視……もとい、チェックしてくれているのだろう。


「新しい登録者の方も増えましたからねぇ、お仕事の依頼もかなり来ていますし」

「リーゼの方もかなり来ているみたいですけど大丈夫です?」

「クラウゼさんの方も最初は様子見しつつでしたが、しっかりしてらっしゃるので心配ないかと思いますよ」

「あぁ、それはそうなんですけど。今日もこうやって付き添ってもらって……かなり忙しいですよね?」


 もちろん、こういった活動の経験が無かったリーゼの事も気にしてはいるのだが。特に最近は案件関連の調整をしてくれているマネージャーの業務量が目に見えて増えているようでそっちも心配なのだ。彼女との付き合いはliVeKROneライブクローネと契約してからなので半年ほどになるが、もともと芸能業界でのマネージャー経験がある人物ということもあって優秀な分かなりの仕事を抱え込んでいるように見えてしまう。


 ただでさえ、少し前にダンスのレッスン中に倒れたり先日配信終わりに倒れてしまったり……。色々心配かけてしまっている上に……、今日だって本来なら一人でも大丈夫な案件であったのだが色々理由を付けながらもこうやって付き添ってくれた上で待ち時間などで他の仕事を片付けているようなのである。


「お二人が活躍されて忙しくなるのであれば喜ばしい事ですよ。それに以前の職場に比べればお二人ともしっかりされていて業務外の事に時間がとられない分助かっています」


 今でこそ笑いごとのように語っている彼女であるが前の職場ではなかなか苦労していたとは聞いている。私もそうならないように気を付けなければ……。


「それに近々、通知があると思いますが……。私が黒惟さんの担当でいられるのもあと少しになりそうなので今日も言ってしまえば私の我儘みたいなものですよ」

「それじゃあ、あの話が……」

「えぇ、年明けには内外に向けて発表されるかと」


 以前から少しずつ話には上がっていたが今の話を聞けば本格的に動き出すのだろう。その一環として私には新しいマネージャーが付くことになるだろうということはすでに打診を受けていて承諾している。それがなくても、今現在すごい勢いで仕事の依頼が殺到しているらしい私とリーゼ、二人のマネージャーを一人でこなすのは無理がある。一人でやってきた期間があり社会人として働いてきた経験がある私ではなく、リーゼの方に専念してもらう方がいいだろう。


「寂しくなりますねぇ……」

「しっかりと黒惟さんについては引き継がせていただきますので、新人の子がついたとしても無理はなさらないように」


 別に担当を外れるからといって関わりがなくなる訳でもないし、ましてやリーゼの担当であるので接する機会は他のスタッフに比べても多いままだろう。それでも、初めてついてくれたマネージャーということでなんとなく担当が外れてしまうというのは寂しく感じてしまうものなのだが……。そんな私の姿を見て、笑いながらも容赦なく釘を刺してくるあたり本当にしっかりとしたマネージャーである。


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【マシュマロ雑談】今年のマロは今年のうちに【黒惟まお/魔王様ch】


 :待機

 :もう年末かぁ

 :めっちゃ溜まってそう

 :マシュマロ送りましたー!

 :読まれたらいいなぁ


「今宵も我に付き合ってもらうぞ、liVeKROneの魔王黒惟まおだ」


 :こんまおー!

 :きちゃ!

 :こんまおでーす

 :メガネポニテ助かる

 :3Dもいいけどこっちもいいなぁ

 :3Dに実装はよ


「こんまお、最近すこしドタバタしてしまっていたからな久しぶりにゆっくりマシュマロ雑談でもしようと思う」


 :こんまお助かる

 :新規さん増えたもんなぁ

 :どんくらい溜まってた?

 :さらに溜まってそう


「どのくらい溜まっていたか?か、告知する前まではまぁ出来ていなかった期間分という感じだったが……告知してからだいたい倍くらいになっていたな」


 :草

 :部屋中マシュマロまみれや

 :胸焼けしそう

 :そりゃそうなる


 そう。ただでさえ消化できていなかった分に加えて告知してからかなりの量が送られてきた。おそらくは最近黒惟まおを知ってくれたリスナーたちの中でもマシュマロの存在を知らなかった層が告知によって知り投げてくれたのだろう。その内容もなんだか初々しいというか明らかなネタというよりかは純粋な質問だったりが多くなっている。


「という訳で今日はどんどん答えていくので早速いきたいところなんだが……」


 :了解!

 :おう!

 :なんだが?

 :ん?


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クソマロと呼ばれしマ

ロを手際よく捌き、美

味しく仕上げ頂く日々

稀に見つかる美味しい

お洒落なマロ一つ求ム

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 :あっ

 :いつもの

 :これは

 :草

 :親の顔よりみた

 :ん?

 :難解で草


「これなんだが、皆はわかるか?」


 :クロみまお?

 :めっちゃ凝ってるやん

 :マびびいム??

 :これは職人

 :二個仕込んでますねぇ!!


「我も最初は首を傾げたんだが素直に読んでみて理解したよ」


 :なるほど

 :くろいまお、まおびいむ

 :やりますねぇ!

 :綺麗に揃ってて草


「その文才もっと他に活かすべきところがあるだろうに……」


 :それはそう

 :まおビーム民も日々研鑽を積んでいるのだ……

 :クリスマスライブ期待

 :3Dでビームなかったからな……


「ということで他の縦読みも含めてこれは焼却処分だ」


 :そんなー

 :焼かれて本望やろ

 :ここまでテンプレ

 :上手に焼けましたー


 いや、ほんとに何が彼らをここまでして駆り立てるのだろうか。配信のネタに困らないので正直助かっているところもあるけども。


「では次」


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まお様がこんなタラシだったなんて!

例え友でも、そんな非道は許されない!

まおまおぉぉぉぉぉぉぉぉ!

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 :草

 :それはそう

 :まおの女たちか?

 :まおまおと呼んでいる人物……?

 :勢いで草


「この際、タラシというのは甘んじて受け入れてやってもいいが……別に非道な事はやっていないだろう?」


 :とうとう認めたぞ

 :まぁ散々言われてるから

 :たしかにまぁ……

 :これは弄んでますねぇ

 :送り主に心当たりは?


 散々、人たらしだとは言われ続けているのでそのつもりはなくてもそう受け止められているのだとは思うようにはなってきた。まぁ自然と振舞っているだけでそう言われてしまうので直しようがなさそうなのが困ったところなのだが……。


「送り主に心当たりと言われてもだな……」


 :これは何人もいますねぇ

 :絶対指折り数えてるやろ

 :そういうところなんだよなぁ


 頭の中で数名ピックアップしているうちにコメントにそのままズバリ考えを読まれてしまっている。相変わらず変な所で鋭いリスナーたちだ。


「もし何か嫌な思いをさせてしまったのであれば謝罪しよう。許してくれるならばこれからも仲良くしてくれると嬉しいよ」


 :許した

 :まお様も悪気があった訳じゃないんだ

 :また一人落ちたな

 :その顔で言われたら何でも許しちゃう


 これが実際に知り合いからのものであるかは微妙なところだが、少なくともそんな風に見られてしまっている可能性はあるのだ。直接面と向かって言えないからこそ投げてきた、という可能性はゼロではない。本意ではないことが伝わってくれる事を祈ろう。


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3Dお披露目から知った新参ファンです!ライブで歌って踊るまお様が本当にかっこよくて美しくて虜になってしまいました!今までVtuberの人を見たことは無かったのですが色々な人たちが活動してるみたいで日々楽しんでいます!そこで質問なのですが、まお様はどうしてVtuberとして活動しようと思ったのですか?

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 :まぶしくて見えねぇ

 :ご新規さんだ

 :ピュアすぎる

 :新規だ!囲め!


「3Dお披露目ライブを見てくれてありがとう。虜になってしまったなど、嬉しい事を言ってくれるじゃないか。最近我を知ってくれた者も多いようだから改めてこういう質問に答えるのもいいかと思ってな」


 :俺もV見始めたのまお様からだからなぁ

 :そうだねぇ

 :いいね

 :そういえば最近あんまり話してないかもね


「魔王であることに飽きてしまったというのは公式にも書いてあることだが、直接の動機というのは我の言葉や歌、配信で誰かの心を動かしたいというものだな。何を隠そう我もとある者たちによってそうされた一人なのでな」


 :それはずっと言ってるよねぇ

 :そんな人たちと3Dで共演したんだなぁ

 :そうだったんだ

 :いったい何日見ちゃんなんだ……

 :いったいどこのサキュバスなんだ……


「今となってはすっかり多くの者が我の配信を見てくれるようになったが、この思いだけはずっと持ち続けて活動しているよ。我の活動によって少しでも楽しんだり、笑ったり、なにかひとつでも見てくれる者の心に残せればと思っている」


 :もう完全にまお様に心を支配されてるんだよなぁ

 :沢山残ってますよ!

 :まお様がいるから頑張れる

 :心の支えです!


 それは胸の奥に大事にしまっている大切な思い出であり、決して忘れてはいけないこと……黒惟まおの原点であるのだ。あらためて言葉にすることで、そのことを再確認する。


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まお様のクリスマスボイス楽しみすぎます!

今回も脚本は某先生が……?

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 :楽しみだなぁ!

 :はよ発売してもろて

 :イヤホン新調して待ってる

 :SILENT先生やろなぁ


「まぁこれくらいはネタバレにはならないか……、察しの通りSILENT先生によるものだよ。前回の周年ボイスがかなり好評だったからな、今回は最初からきちんと依頼している」


 :やったぜ

 :期待しかない

 :プロポーズボイスほんと良かった……

 :えっ、プロポーズボイス!?どこで買えるの!?

 :ボイスはまお様のストアでまだ買えるゾ


 前回の二周年記念グッズと共に発売されたボイスは最初こそ私自身が考えたものであったが、最終的にはほぼSILENT先生こと静による度重なる監修によって九割方静による作品となってしまった。今回も台本はそれぞれに任されていたので、どうせアドバイスを求めれば大幅に書き換えられるのだからと最初から静の手に委ねたのだ。そのおかげで収録では随分と恥ずかしい思いをしてしまったのだが……。


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3Dまおにゃんあく

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まおにゃん3Dお披露目はいつですか!?

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クリスマス3Dまおにゃんライブ楽しみにしてます

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 :でたわね

 :リスナー一同の悲願

 :まおにゃん3Dお披露目楽しみだなぁ


「こいつらは燃やして次に行こう」


 :そんなー

 :もはや様式美

 :知ってた

 :取り上げてくれるだけ温情

 :ここまでテンプレ


……


「さて、これで結構読めたんじゃないかとは思うが……」


 :いやー大量だったなぁ

 :なんかクソマロ少なかったな

 :比較的平和なマロ読みだった

 :じゃあ最後はいつものやつか


 新規リスナーが増えたこともあって投げられてきたマシュマロ自体もネタ控えめでそれこそデビューしたての時によく見たような質問も多く、テンポよく答えることができたと思う。たまにはこんなマシュマロ読みも初心に帰れていいだろう。


「では今宵はこれくらいにしておこう……」


 :最後の愛の告白は!?

 :なーんか足りねぇなぁ?

 :まお様大事なもの忘れてませんか?

 :変わっちまったなまお様……


 配信を締めようとしたところでリスナーたちから大量のコメントによって引き止められてしまう。いつからかマシュマロ回定番になりつつある、アレをやっていないからだろう。まぁもちろんそんなことはわかっているので用意してあるのだが……。


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新しくまお様を知ったリスナーも多いと思うので

そんなリスナーたちを虜にする愛の一言お願いします

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 :きちゃ!

 :やっぱりこれだよなぁ!

 :さすまお

 :焦らしプレイはやめてもろて


「まったく……仕方のないやつらだ。……新たに我を知ってくれた者、それからずっと我と共に歩んできてくれた者。どちらも等しく我にとっては大切な者だ。……愛しているよ。おつまお」


 :愛してる!おつまお!

 :おつまおです!

 :あぁ……好き……

 :おつまおー


黒惟まお【魔王様ch】:デビューした頃を思い出したよ、これからもよろしく頼む

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