第67話 龍魔の爆弾解体②
例によって" "で囲まれてる部分は日本語以外としてお読みください
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【爆弾解体】龍魔そろえば爆弾なんて怖くないですわ!【桜龍サクラ子/リーゼ・クラウゼ】
「ディスプレイに六個のボタン来ましたわ!」
「ええと……表比較これですね」
:来たな
:表比較きちゃ
:リベンジや
:がんばれー
ワイヤーにキーパッドをサクっとクリアし、前回失敗した表比較モジュールに取り組む。先ほどはサクラ子さんが困惑していたがマニュアルを見てみれば、これはたしかに文字数も多くしっかり読み解く必要がありそうだ。
「ディスプレイの文字に対応したボタンを……なるほど」
「ディスプレイには大賞とありますわ!」
「たいしょう……どんな漢字ですか?」
「漢字?ええと賞……仮装大賞の大賞ですわ!」
:これ同音異義語まざるからな
:仮装大賞がパっと出てくるの草
:右のランプがアレに見えてきた
:まぁわかりやすいw
「ええと……かそうたいしょう……ってなんですか?仮想の対象……?」
:あっ
:え?
:あっそういや海外育ちや……
:うっそだろw
:知らんかったか……
「知らないんですの!?仮装して芸を発表するテレビ番組で……」
「仮装して芸……?あっマスカレードですね!」
:知ってるやんけ
:向こうでもやってるんや
:たしかフランスとかでもやってるゾ
:いや爆弾解除してもろて
:爆弾そっちのけで草
「ということは大きな賞であってますか?」
「それですわ!」
まさかこんなところで生まれ育った文化の違いを感じることになるとは思わなかった。妙な事に関心しつつもなんとか爆弾解体へと話を戻していく。
「では左の真ん中の文字を教えてください」
「それ!ですわ!他の文字は……どう?でき……」
「ちょっと待ってください、いまからわたくしが単語を言っていくのでその単語があったらそのボタンを押してください」
「わかりましたわ」
「いきますね?うんうん、もちろん、次、え?」
「ありましたわ!成功ですわ!!」
:おー!
:やった
:ないすぅ!
「次はディスプレイに動くですわ!」
「では同じように右の真ん中の文字を……」
……
「次、それ、左、まって」
「ありましたわ!解除成功ですわ!!」
:手慣れてきたな
:もうこれは大丈夫やろ
:安心して見てられるわ
複雑な手順と言えど一度解法がわかってしまえば同じことの繰り返し、『大正、対照、対称、大賞』のような同音異義語に気を付ける必要はあるがミスなく解除に成功する。
「リーゼの説明ならもっと高みに登れそうな気がしますわ!」
:高みに登ってるのは爆発してるんよ
:それ逝ってないか?
:草
:リーゼちゃん有能
:じゃあ次のステージいこっか
「ありがとうございます。確かにサクラ子さんと一緒なら一緒に難しいものも……、ではアレやってみますか?」
「そうですわね!」
:お?
:あれ?
:何すんの?
:ハードコア?
「"ではここからは英語でオペレーションしていきますね"」
「レッツドゥーディスですわ!」
:なんて?
:なるほど
:"サクラ子が英語喋ってるとこ見たないけど"
:"俺らの出番か!"
:サクラ子大丈夫か?
:ドラゴンやしいけるやろ
:海外ニキ結構おるんやな
そう、今回のコラボにあたってサクラ子さんから提案があった英語での爆弾解除、いわゆる一種の縛りプレイだ。ここまで数回プレイし、お互いに作業者とオペレーター両方経験していることによってモジュールによってはあっさりとクリアできるようになりつつある。そこに言語縛りというエッセンスを加えるのは面白い試みだ。
わたくしが英語を喋ったことによってこれまでほとんど見なかった英語のコメントがちらほらと流れてくる。やはり日本語ばかりの中にコメントするというのは気が引けてしまうのだろう。わたくしもまお様の配信を見始めたばかりの頃はそうだったから気持ちはよくわかる。
「シックスワイヤーですわ!」
「"六本のワイヤーですね、上からワイヤーの色を教えてください"」
:サクラ子も英語なん?
:これは英語つよつよドラゴンですわ
:DESUWA!!
別にサクラ子さんは英語縛りという訳でもないのだが……、まぁ打ち合わせでも任せてくださいまし!!と豪語していたし結構いけるのかもしれない。
「レッド、ブラック、ブラック、ブルー、ホワイト、ホワイトですわ!」
「"シリアルナンバーを教えてください"」
「シリアルナンバー……、ナインゼロ……ゼロって英語ですわよね?」
「"ゼロは英語ですよ"」
:英語やな
:あんま意識したことないけど英語やな
:"0は0だろ?"
:ダブルオーセブンとかも言うよな
:普通に日本語喋ってるやんけ
:"ZEROって漢字もあるんだぜ!"
「ナインゼロゼロシーブイシックスですわ!」
「"ええと……それだと、四本目のワイヤーを切ってください"」
「フォースワイヤーオッケーですわ!!」
:いけるやん
:リーゼちゃんの英語めっちゃわかりやすいな
:優しさを感じる
:"リーゼの英語は綺麗なクイーンズだね"
一応わかりやすいように意識して話してはいるがこの分なら心配はいらなそうだ。これはあっさりクリアできてしまうかも?もしそうなら、あまりに難しいだろうからやめておこうと言ったドイツ語縛りも視野に入ってくる訳だが……。
「ネクスト……ホワイトボタンですわ!イン……ナガオシ!!」
「"白いボタンに長押し……、CARと書いたインジケーターが爆弾についていますか?"」
「シーエーアール?ワンモアプリーズですわ!」
「"CAR、インジケーター、ありますか?"」
:わかる!俺でもわかるぞ!
:学校の先生かな?
:リーゼ先生に英語習いたかった……
「インジケーター、CAR、アッタ!!」
:有ったは日本語やろがい!
:カタコトで草
:やっぱり英語ダメじゃねーか
「"ボタンを押したままにすると右のライトがつくのでその色を教えてください。ボタンを離してはダメですよ"」
「……ボタンプッシュオッケー?」
:長すぎるっぴ
:"サクラ子が止まった"
:あかん理解が追い付いてないわ
:"さすがにキツイか"
:わいも単語しかわからへん
「"ボタンを押したままにしてください、離してはダメですよ"」
「ドントリリース……アンダースタンドですわ!ボタンプッシュ!!」
:単語だけでも結構伝わるんやなって
:英語はパッションよ
:"リーゼはいい先生になるな"
「ライトライトイエロー!」
:右のライトだからライトライトかw
:それはそうなんだけど草
:"いいライムだ"
「"タイマーに五が表示されてるときにボタンを離してください"」
「タイマーファイブ……リリースオッケーですわ!」
:おーいけた
:やるやん
:"ナイス!"
ここまでは今までやってきたのを英語でおさらいしているようなものだ、これが先ほどやっと成功したモジュールや新しいものが出てくると一気に怪しくなりそうなものだが……。
「ネクスト……スリーワイヤー、ニューフェイス!!」
「"三本のワイヤーでニューフェイス?新しいモジュールですか?"」
「イエス!ニューモジュール!」
:来たか
:これめんどいやつや
:"やばい"
:これ英語初見はきついやろ
ワイヤーで新しいやつとなると……マニュアルを見るに複雑ワイヤか順番ワイヤのどちらかだろう。どちらにしても見る限りかなり複雑そうだ、これをうまく英語で説明できるだろうか。
「"ワイヤーは縦ですか?横ですか?"」
「ディカ?ホ?ダル?」
「"縦ですか?横ですか?"」
「ヴァーディカ?ホイゾンダル!?」
:VerticalとHorizontalか
:あーワイヤー縦か横か聞いてんのか
:"サクラ子がんばれ!"
:そもそもこの二つの単語知っているかどうか
これは通じないか……、他に何か判別する方法は……。
「レッドレッドブラック!ワンツースリーエービーシー!!」
「"ナイス!それなら順番ワイヤですね!"」
:見たまんまで草
:いや通じるのかよ
:"いい着眼点だ"
:やっぱパッションなんやなって
:とりあえず目に入ったものいっときゃええんや
サクラ子さんが突然何を言い出したのかと思えば、マニュアルの図にはそのままの記載がある。単純にして有効的な判別方法に称賛しつつマニュアルを読み解いていく。
切るワイヤーを指示して次のパネルに移動させる……、ワイヤーのカウントさえ間違わなければ簡単そうには見えるのだがどう伝えたものか……。
「"最初の赤いワイヤーが"」
「ファーストレッドワイヤー?」
「"Cに繋がっているなら"」
「コネクテッド……つながるC……」
「"ワイヤーを切ってください"」
「カットワイヤー……レッドワイヤーがCにコネクトならカットですわね!」
「"そうです!!"」
:完全にヌー語じゃねぇか
:"おお!"
:でもわかりやすいぞw
「"二番目の赤いワイヤーが、Bに繋がっているなら、ワイヤーを切ってください"」
「セカンドワイヤーノーコネクトBですわ!」
:あっさり通じた
:サクラ子物覚えはいいからな
:英語の才能あるのでは
:"サクラ子が成長している"
「"三番目の黒いワイヤーは切ってください"」
「サードブラックワイヤーカットオッケーですわ!」
:ナイスゥ!
:"何も起こらないが"
:これパネル変えるんよな
:ん?
:"次のパネルに行かないと"
とりあえずは最初のパネルのワイヤーカットはうまく指示できたが、このパネルを下ボタンを押して切り替えてもらわなければいけない。
「何も起きませんわね……」
「"ワイヤーの下のボタンを押してください"」
「プレスボタン……ビロウザワイヤー?」
「"ワイヤーの下です"」
「アンダーならわかりますわ!下ですわね!ワイヤーの下のボタンを押す!新しいワイヤーが出てきましたわ!」
:微妙なニュアンスの違いか
:"アンダーのほうがわかりやすいのか"
:前置詞トラップな
:ナオキで覚えたわ
:サクラ子もう完全に日本語で草
:"無邪気でかわいい"
この操作さえわかってしまえばこちらのもの……あとは同じことの繰り返し。
「あーリーゼ……」
「"どうしました?"」
「アイムダイ」
「えっ!?サクラ子!?」
:草
:RIP
:突然の死!!
:"さすがに時間足りないな"
:何気に呼び捨てやん
唐突な言葉に一瞬理解が及ばないがそう言えばと制限時間の事に思い至る。英語でのやりとりに集中しすぎたせいだろう、二人とも制限時間があることをすっかり忘れていた。日本語でのやりとりと違ってなるべく丁寧に話すスピードも落としていたので時間切れになるのは必然か。
「やはり英語でのやりとりとなると時間が問題ですね……」
「そうですわねぇ……」
:サクラ子!?爆散したはずじゃ!?
:生きてるやんけ
:さすドラ
「あの程度の爆発ワタクシには傷ひとつ付けられませんわ!」
「じゃあ解除しなくても良かったかもしれませんね」
「部屋の片付けが大変だから解除はしますわ!」
:それはそう
:解除してもろて
:サクラ子結構英語いけたやん
コメントに乗って冗談を言うサクラ子さんに合わせてこちらもクスクスと笑い声を漏らす。爆弾の規模にもよるがわたくしでも魔力で爆発の封じ込めは……、やったことはないけどおそらく可能だろう。とは言え、そんな機会訪れないことを祈るばかりだが。
「サクラ子さん、さすが自信があるだけあって英語でも行けましたね」
「コミュニケーションはパッションでどうとでもなりますわ!それにリーゼは優しい単語ばかり使ってくれたでしょう?」
「それでもきちんと伝わっていたのですごいですよ」
海外リスナーもそう思いますよね?とやりとりを簡単に英語で伝える。
:"英語で話しかけてたしサクラ子はすぐ上達するね"
:"パッションは一番大事!"
:"先生も生徒も良かったよ!"
「ほら、すぐ上達するねって言われてますよ」
「そう言ってもらえると嬉しいですわ!そう言えばリーゼ、最後サクラ子って」
「あれは英語が抜けなくて……」
敬称にあたる単語はあるが、さん付け文化というのは日本独特のものだ。英語で言うところのミスターやミスなどとはどうにも感覚が違う。
「ワタクシは呼び捨てにされたほうが嬉しいですわ」
「といっても勝負に勝ったらというお約束ですし……」
:呼び捨てにしちゃいなよ!
:もう二人ともマブじゃん?
:一緒に爆発した仲やん
「むむ……では今度の勝負ワタクシが勝ったらサクラ子と呼んでもらいますわ!」
「えぇ……それでもわたくしは勝ってその呼び名を勝ち取りたいのです」
「リーゼ、なかなか頑固ですわね……」
:立場入れ替わってて草
:リーゼは意外と頑固ダゾ
:どっちの気持ちもわかるわ
こればかりはどうにもこだわってしまう。こうなったら次回の勝負は是が非でも勝ちサクラ子と呼ぶ権利を勝ち取らなければ。
「時間的にあと一回くらいはできそうですが……ボツにしたドイツ語縛りも試しにやってみますか?」
「パッションで乗り越えて見せますわ!!」
……
「"あーええと……さすがに無理がありましたね……"」
:なんて?
:すまねぇドイツ語はさっぱりなんだ
:"基本的な単語ですら怪しい……"
:"さすがにドイツ語はわからない……"
:クーゲルシュライバー!!
「パッションにも限度がありましたわね……」
:それでも直感でワイヤー正解するあたり持ってるよな
:さすがにワイヤークリアは笑った
:迷路とか絶対無理やろw
:数字くらいしかわかんねぇ……
:シュバルツはわかった
案の定というか、まぁ当然のようにほとんど意味は伝わらず……。コメント欄を見ても日本語と英語で大混乱だった。
「でもこれでいくつかの数字と色の単語は覚えましたわ!いつかドイツ語でもクリアしてみせますわ!っと……そろそろ時間ですわね」
「そうですね、今日はサクラ子さんと爆弾解体、皆様楽しんでいただけましたか?わたくしはとっても楽しかったです!」
:楽しかったよー
:英語とドイツ語喋るリーゼちゃんかっこよかった
:説明うまかった!
「ワタクシもリーゼと遊べて大満足ですわ!英語とドイツ語もいつかリベンジしてやりますわ!」
「その時はいつでも呼んでくださいね」
:またコラボしてもろて
:もうすっかりいいコンビになってる
:"リベンジ楽しみにしてる"
「それでは最後はもちろんあの挨拶でお別れですわ!」
「ええと……それってもしかして……」
「「おわ龍ーゼ!」」「ですわ!!」
:おわ龍ーゼ!
:おわ龍ーゼー!!
:楽しかったよー!
:やっぱこれよな
:次のコラボ待ってんで!!
Liese.ch リーゼ・クラウゼ✓:お邪魔いたしました!
桜龍サクラ子-Oryu sakurako-✓:ワタクシ達にかかれば爆弾など敵ではありませんでしたわ!
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