第41話 龍魔相まみえる①
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リーゼ・クラウゼ@
今夜は初コラボ!!ぶいロジ!の
見習いとはいえ魔王として負けるわけにはいきません!
応援よろしくお願いしますね(初絡みなので緊張しています……)
#龍魔相まみえる
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リーゼ・クラウゼ@liVeKROne/新人魔王見習いさんがリツイート
桜龍サクラ子@ぶいロジ!/万夫不当!@oryu_sakurako
また新たな魔王が出てきたらしいですわね!
liVeKROneのリーゼ・クラウゼさん……
その力、コラボで確かめさせていただきますわ!
#龍魔相まみえる
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『初コラボから飛ばしてんなー』
『まお様から続く伝統のコラボまである』
『魔王と龍は戦う運命なのか』
『力のサクラ子に対してリーゼはどうくるのか』
『わたくしコラボやんけ』
今日はいよいよ桜龍サクラ子さんとの初コラボ。初コラボ発表当初からまさかいきなり交友がないように見える……、実際にまお様から話を聞くまでなかった組み合わせは双方のリスナーにとっても意外だったようで驚かれはしたものの、
実際にチャットでのやりとりはスムーズに進み、コラボ自体初めてのわたくしをうまくリードしアイディアも出してくれる桜龍さんは、まお様とのコラボや普段の配信で見せるような姿よりも頼りがいのある先輩といったイメージが強い。
しかし、素直にお礼を述べたところで『こんなことは先達としては当たり前の事ですわ!!』とチャットなのに声量を感じるような妙に勢いのある返答は流石だなと思うしかない。
ただ、ひとつだけ不安材料があるといえばやりとりはほとんどがチャットで、軽い音声チェックをした以外はコラボ直前まであまりお話することができなかったことだろうか。
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【アソビ大百科】いきなり挑戦状!?初コラボで対決!【リーゼ・クラウゼ/桜龍サクラ子】
:ここがあの女のハウスね
:大百科対決か
:お邪魔しまーす
:大丈夫?うちのドラゴン迷惑かけてない?
:いらっしゃいませー
待機画面ではすこしづつ覚えてきた自らのリスナーの名前とはじめて見る名前のコメントがどんどん流れていく。その内容を見れば数多くの
コラボに誘ってくれたのは桜龍さんの方だし彼女のチャンネルでやることになるだろうと思っていたが、気をきかせてくれたのだろうかわたくしのチャンネルで行うことになった。その分やることや考えることも多くなったがすべていい経験になっているのだからありがたい。
「今日もわたくしを応援してくれますか?liVeKROne所属魔王見習いのリーゼ・クラウゼです。聞こえていますでしょうか?」
:聞こえてるよー
:応援してるよ!
:はじまリーゼ!
:こんばんわー
:音量OK!
:応援するよー
「大丈夫みたいですね、応援の言葉もありがとうございます。本日はとある方……といってもタイトルやSNSを見て頂ければわかると思いますが、その方からこちらを頂きました」
配信をしていくうちにだんだんと固まりつつある開始の挨拶とコメントとのやりとりを終え、果し状と書かれた白封筒とその中身の写真を配信画面に表示させる。
それは実際にまお様経由で送られてきた画像で、見事な毛筆で書かれたまさしく果し状。
:ガチじゃん
:めっちゃ達筆やん
:これサクラ子のか
:段持ちやからな
「実は直接もらったのではなくとある方経由だったのですが……御覧の通り名前がなかったので最初は本当にどなたからかわからなくて……」
:草
:これはサクラ子だわ
:字めっちゃうまいのに
:らしいっちゃらしい
実際のところまお様も名前がないのに気づかずそのまま送ってきたので、紹介を受ける前は本当にわからなかったのだ。ちなみに後日きちんと実物を送ってきてくれるらしいので、記名されてくるのかは少し気になる。
「という事で記念すべき初コラボのお相手をお呼びしましょう」
「いきなりはずかしめを受けましたわ……。さすがは見習いといえど魔王、油断ならない相手ですわね……。ぶいロジ!所属の桜龍サクラ子ですわ!!」
まお様から「サクラ子は配信になると更に声が大きくなるからすぐに絞れるように」と聞いていたおかげでメーターが振り切れる前になんとか調整することができたし、配信画面にはきちんと桜龍さんの姿が問題なく表示されていることを確認し内心ホッとする。
「今日はよろしくお願いしますね。桜龍さんはどうしてわたくしに声をかけてくださったんですか?」
「このVtuber界に新たな魔王が現れたのであれば、桜龍たるワタクシがその力を測るのは必然ですわ!」
:まお様の時も似たような事言ってたよな
:ブレないなぁ
:行動力の化身
:二人は初絡み?
「二人は初絡み?そうですね、配信で一方的には知ってはいましたがこうやって直接お話するのは初めてですし、コラボが決まってからやりとりもするようになりました」
:リスナーやん
:コラボきっかけか
:そりゃまおの女はチェックしておかないと
:お互いの印象は?
「印象ですか?コラボ内容も相談に乗ってくださいましたし、所属は違いますが頼りになる先輩といったところでしょうか?」
「そんなの先達としては当然ですわ!ワタクシはそうですわね……。リーゼさんは、一見大人しそうに見えるけど油断ならない相手ですわね」
:ちゃんと先輩しててえらい
:サクラ子褒められてるやん
:サクラ子立派になって……
:今となってはサクラ子も先輩やからなぁ
「では早速対決していきましょうか、対決はアソビ大百科で行い五回勝負で先に三勝した方が勝者となります」
「勝者は敗者にひとつだけ願いをかなえてもらえますわ!」
:なんでも?
:ん?
:ん?いまなんでもって
:言ってないんだよなぁ
対決に選んだゲームは古今東西様々なゲームが手軽に遊べるアソビ大百科。コラボで対決といえばコレでしょくらい有名で定番のモノだ。
「最初のゲームはリーゼさんに選ばせてあげましょう!」
「それではお言葉に甘えて……、こちらで」
:コネクトフォー選ぶとか鬼か
:あっ
:さすが魔王
:容赦ねぇ
わたくしが最初に選んだのはコマを落として四つ並べたほうが勝ちになるコネクトフォーというゲーム。アソビ大百科自体は色々な人の配信、とりわけまお様のコラボ配信で何回も見ているがプレイするのは初めてだ。しかし、沢山あるゲームの中でもこのコネクトフォーは桜龍さんがまお様との対決でお互いリーチを無視しあい桜龍さんが勝利を確信し盛大にフラグを立てたあと結局まお様が勝ったという逸話がある。
「ぐっ……。さすが魔王……、ワタクシのことは研究済みということですわね。しかし、この桜龍サクラ子同じ過ちは犯しませんわ!」
……
「えっ、あっちょっと待った!待ったですわ!!」
「桜龍さん待ったはなしですよ?」
:知ってた
:はい
:草
:圧勝で草
:フラグだったかぁ
見るのと実際に自分でやってみるのではかなり勝手は違ったが難なく勝利……。
相手と話しながらコメントも拾いながらだとミスも多くなってしまったが、桜龍さんが思った以上に……。
「そちらがそのつもりならワタクシの方も本気でいかせていただきますわ!」
:殴り合いきちゃ!
:フィジカル特化ドラゴン
:これは本気ですわ
桜龍さんが選んだのはトイボクシングという二つのボタンで防御と攻撃を行い殴り合う単純だが読み合いが重要なゲーム。彼女が得意にしているものだ。
「受けて立ちます!」
……
「くっ、強い……っ」
「フハハハ!甘い!甘いですわ!ガードばかりしていては勝てませんわよ!」
:笑い方が魔王のそれ
:さっきと違って生き生きしすぎやろ
:水を得た魚……もとい龍
:強すぎる
相手の得意ゲームということもありどうしても消極的になってしまい防戦一方、なんとか反撃してみようとするもあっさりと防がれ連続でカウンターをもらい完全にKOされてしまう。
「これで五分ですか……、次はこれで勝負です!」
:完全に力と頭の勝負になってきた
:また圧勝かな?
:け、けっこうやってるし……
ここで負けては相手がリーチ状態になってしまう。なので容赦なく苦手としているリバーシを仕掛けていく。お互い白と黒のコマをもって挟まれたほうが裏返って相手のコマになる、言わずと知れた大定番のテーブルゲーム。
「やはりそれで来ましたわね!もう過去の桜龍サクラ子とは思わない方がいいですわ!!」
……
「思っていたよりも強い……っ?」
「いままで負け続けていましたが、時間を見つけては練習していたのですわ!!」
あっさり勝てると思っていたが、それは甘かったらしく互いに角を取り勝敗がわからないまま終盤まで行き……。最後は相手のちょっとしたミスをきっかけに辛勝……。アレが無ければたぶん負けていた。
:おー!
:接戦だった
:あそこでミスってなければなぁ
:成長している……だと
「いい勝負でした」
「そうですわね!次は勝ちますわ!」
「では次のゲームを選んでください、次わたくしが勝てば勝利です」
「ここは負けられませんわね……そろそろ身体を動かしたくなってきたところですわ」
こちらにリーチがかかった状態で選ばれたのはボウリング。大百科の中でもコントローラーのセンサーを使い実際に腕を振ってボールを投げることができる体感型ゲームのひとつだ。
……
「ターキーですわー!!」
「くっスプリットが……」
「フォース狙っていき……あっー!!」
「桜龍さんっ!?大丈夫ですか!?」
絶好調の桜龍さんに比べこちらはスペアはとれるがストライクも続かず微妙なスコア、三連続ストライクをとったあと上機嫌で四連続を狙うべく投げようとした彼女から何か大きな物音が聞こえ、それに負けないくらいの大声がこちらに届く。
「大丈夫ですわ!すこしマイクスタンドが曲がってしまっただけですわ!」
「えっ」
:草
:びびった
:鼓膜ないなった
:ええ……
:マイクスタンドくん……
:七代目くん……
いったいどうしたらそんなことになるのか想像がつかないが、コメント欄にいる桜人と思わしき人たちにとってはわりとよくあることのようで、今までスタンドも何台か交代しているらしい……。そういえば切り抜きで見た気が……、それにしても七台は多くないだろうか。
そんなトラブルはあったが結果は桜龍さんの二百越えという倍近いスコアをつけられ負け……やはりフィジカル面では勝てそうにない。
「桜龍さん強すぎます……」
「リーゼさんも鍛えればすぐにうまくなりますわ!」
:スタンドくん事件なければシックスパックまであったなぁ
:いうてリーゼちゃんのスコアも悪くはないんよね
:さすが子
:これは完敗ですわ
:これで並んだな
:盛り上がってまいりました
しかし、これで二勝二敗。次勝った方が勝者というわかりやすい構図になった。お互い得意なゲームを選んだとあって望んでいた展開だが、リバーシで負けなくて本当に良かった。
「それでは最後のゲームはアレですよね?」
「ワタクシの豪運見せてあげますわ!」
そして最後のゲームはもちろん、大百科で対決のトリといえばアレしかない。
──決戦はヨットに託される。
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