めちゃくちゃあやしげな男がうどんを食べたお話を語ってくれるというそれだけのお話なのですが、どことなくめちゃくちゃ怖い雰囲気が漂っています。
どことなくずっとぞわぞわするというか、怖い話を聞いているような雰囲気になる不思議なお話なのですが、飽きさせずに最後まで読ませる筆力が本当にすごいと思いました。
本当になにか読み逃したことがないか何度か読み直したけれど、多分本当に謎のうどん屋に行っておいしいうどんを食べただけなのかもしれない。
本人は自分の頭がクズだからと言っているのですが、不思議なそういうお店だった可能性もある、とても不思議な魅力に溢れたお話でした。
方言が好きな人にオススメ! あとお腹が空いているときに読んで欲しいです!
昔うどんを食べに行ったときのお話。
本当にそれだけ、どう頑張っても「ただうどんを食べた」以外に要約のしようのない物語……のはずなのに、このじわりと胸に染み入るような質感は一体なに?
とても不思議なお話です。
何か特別な出来事や不思議な事件が起こるでもなく、それどころかわかりやすくカタルシスを生み出すような構造はどこにもないのに、読み終える頃には不思議な満足感に包まれていました。
なんだろうこれ……この正体不明の読み出に、異様な心地よさ……。
うまく言葉にできないので単純に好きなところを上げるのですけど、件のうどんが好き。
美味しそう。とっても。いわゆる「飯テロ」なんて言われたりする、見ているだけでお腹が空くようなあの体験を、文字でここまでやられたのは初めてかもしれません。
感想がまとまらないのが悔しいんですけど、本当に好きなお話。
最初から最後まで、ずっと方言による語りの形式なので、変わった読み心地も味わえます。
気になった方はぜひ。おすすめです。