第19話緊縛
流石に色々と暗躍しすぎたので、現在の俺は番屋に引っ立てられ、緊縛されて色々なプレイを受けている。
火責め水攻め、青竹打ちから石子抱きに至るまで、あらゆるスパンキングを受けていた。
「アッーーーーー!」
抵抗すれば全滅させられるのだが、また寺で大僧正から説教を食らうので抵抗できない。
この体の耐久力や装甲値だと全然苦痛にならないで、快楽に変化するにはそう多くの時間を必要としなかった。
「そうれ、どんどん行くぞ、ぷ~りぷり、ぷ~りぷり」
逆さ水攻めを受けてから引き上げられて、回転させられながら青竹打ち、これがプリプリの刑。
「アアッーーーーー!」
この体は酸素もそんなに必要無いようで、水責めも逆さ吊りも苦痛にならない。
どこかの大五郎が泣きながら父親(ちゃん)見てくれないと萌えないが、今は外からケンタが見てくれている。
「聖男様……」
まだ子供のケンタにこんなマニアックなプレイを見させるのは早いのだが、世間とはこういうものだ。
とても理不尽で意味不明、権力者には逆らえないものだ。
「ぷ~りぷり、ぷ~りぷり」
最近では武装少女マキャ〇リズムでもやってたな。
「アッーーーーー!」
この程度の緊縛など、ワン〇ーウーマンが鉄の鎖で巻かれていても腕力で引きちぎるように簡単に抜けられるのだが、今はスパンキングの刑罰中?なので抜けられない。
「どうだ、ちっとは堪えたか? この野郎」
「全然、心地いいぐらいだ」
「ちくしょうっ」
「いい加減にしやがれ」
番屋の同心や岡っ引きの方が堪えてしまって、ヘトヘトになって崩れ落ちた。
「旦那、こいつ鉄みてえな体してやがる、どれだけ責めても堪えやしねえ」
「うむ、休憩にしよう」
「それなら、範囲回復呪文(ゆがみねえな)」
「「「「「「「アアッーーーーー!」」」」」」」
どうやら周囲にいた刑務官の方が堪えたようなので、回復呪文を使ってやると間違えて?テイムしてしまった。
どうも奉行所も金が欲しかったようなので、仁(JI*)先生みたいに誰かが金を振り込んでくれて、領主からも恩赦が出たので一週間ほどで釈放された。
流石に嫁入り前?の聖男が傷物にされるのは避けたかったようだ。
それにしても鑑定眼持ちが居なかったのと、ケツの中や尻子玉まで調べられなかったのはラッキーだ。
「もうこんな所に来るんじゃないぞ」
「ふう、えらい目に遭ったわい」
出所すると馬廻役の佐伯が待っていた。
「べ、別に聖男のためにやったんじゃないんだからね、そう、奉行所が焼け落ちたのは馬廻役の失態だったからセキニンとっただけなんだからね、か、勘違いしないでよね(////)カアアッ」
馬廻役を何度もテイムしすぎて結構デレてしまいフラグが立った、出所に必要な費用まで私費で支払ってくれたようだ。
「うむ、世話になったようだのう」
このままでは佐伯、セバスチャン、領主、大僧正、僧正、主管、などのジジイハーレムも完成しそうだ。
「か、勘違いしないでよねっ」
ウマ廻り役は真っ赤になって駆けて行った。感動のウィニングライブでもあるのだろうか?
「どうして……」
俺はウマ廻り役の現場猫行動を見て、頭の上の耳に届くような長い受話器を持って疑問を抱いていた。
「上人様っ」
若やタロウも迎えに来てくれて、保証人である法念殿やセバスチャンも来てくれた。
「おお、皆よく来てくれたな」
これがJIN先生なら石子抱きのダメージで一人で歩くこともできないで、両肩を抱えられたまま本堂まで行ってペニシリンの製造方法を渡すところだが、鋼鉄の肉体には全く効かなかった。
「おじちゃん」
タロウやケンタの生活レベルが上がったようで、着物がボロではなくなり綺麗になり、稚児衣装を着せてもらっている。
先日、ケンタの両親の墓に行って骨などの遺物から復活させてやると、さらに目付きがヤバくなって忠誠度がマシマシになってしまった。
城に帰るように言われ、若とセバスチャンが寺を出て行っているが、毎朝寺か武士団の屯所で合流してダンジョンに潜る日々を送っている。
まずは一旦寺に帰って身支度を整える。
二週間後
「あの事件からもう一か月か、早いものだのう」
まるで天頂五輪武闘〇から数か月経った男塾の塾生みたいな話をする。
従魔千匹と共に城に攻め上ってから既に一か月、武士団も再建され先代武士団も参加して、武士団長達もそのままの地位で魔窟に挑み、俺や若達も一緒にダンジョンに潜って腕と格を上げる日々を送っている。
いずれ六階層以下にも攻め込める日が来るだろう。
「さて、今日は神社にでも行ってみようか?」
寺には千両を超える金目の物を渡してあるが、神社とは何故かすれ違いで縁が無かった。
必勝を祈願して刀の類を奉納するのは神社一択なので、たまには神社方面にも参拝する。
「法念殿は神社に行っても宜しいのですか?」
この時代でも特に宗教戦争はしておらず、少ないパイの取り合いもしていなかったはずだが、同門でも骨肉の争いをする宗教関係者なので、一応確認してみる。
「大丈夫ですよ、連絡は取り合っておりますし、何でも独占する訳にも行かないので、近々聖男様と一緒に伺おうと思っていた所です」
平成の時代のように「どちらに行っていただいても結構です」と両方で同じことを言い出すぐらい統制されている時代でもないが、仲が険悪でもないらしい。
「お供え物と言うか、玉串料以外にも何か買って行こう」
「うん」
タロウにもケンタにも「これで家のもんに甘いもんでも買うて帰ってやりいな」と銭を渡してあるので、もう食うに困ることも無いだろう。
「旨い甘味処はどこかあるかな?」
「あそこの羊羹が美味しいよ」
サキ様(誰?)お好みの安道奈津(アンドーナッツ)でもあれば良いのだが、脚気に効くと献上すると、また牢屋に逆戻りになるので羊羹にしておく。
「進物用に四箱、この場で食べるのに一本」
神社への手土産に二箱。砂糖という贅沢品が入っていて寺の関係者には勧められないが、生臭物では無いので寺にも持って帰る。
昔の商店なので、土間から足を離さずに座敷に横座り、店員が用を聞いてから奥にある商品を持って来て会計。店の外のイートインベンチで羊羹と茶を試食するスタイルだ。
「おじちゃん、これおいしいよっ」
「うむ、美味いな」
俺が手を付けない限り、食べようとしないケンタのためにも一口食べる。
「俺も戴きます」
ケンタの方は字が違うような気もするが、額の上に羊羹を戴いてから食べたので正しいのかも知れない。
「うふっ、まるで逢引のようですね」
しなを作って腕を絡めて来て、美少年としての自覚がある食べ方をする若。この世界では男同士でも逢引になるのか?
「砂糖が入っておりますので、拙僧はご遠慮させて頂きます」
戒律が厳しいのか自分に厳しいのか、羊羹ですら食べないで茶だけ飲む法念和尚。本来白湯だけしか飲めないのに、無理して自分用に出された茶は付き合ってくれている。
「美味いですのう、まさかこうやって若が陽が高いうちに表通りを歩けて、供に羊羹など食べる日が来るとは、ぐううっ……」
絶句して涙ぐんで男泣きするセバスチャン、年のせいか涙もろいようだ。
暗殺され路傍の露と消えていたはずが、日中に出歩いて食べ歩きできるなど考えてもいなかったのだろう。
「もっと食べたい」
「うむ、一本丸ごと食えるか?」
「一本は無理だよ」
「では半分ならいけるか」
「うん」
こちらの体形からすると、チョコバーかプロテインバー程度の大きさなので一本丸ごと注文する。
他は小食なので半分に切って貰い、竹の皮で手づかみにして歩きながら食う。
「若、歩きながら食すなど、そのように下品なことはお止め下さい」
「こうやって食うのがうまいのだ」
「ええ、その通りです」
まるで悪いことを楽しむように羊羹半分食いをする若と子供たち。
すると神仏は事案発生と見たのか、白い光のモザイクが飛んできて若と子供たちの口元を隠したので、余計に卑猥な構図になった。
「クチャクチャ」
「ペロペロ」
目を細めて羊羹を握り、一心不乱に武者ぶり付いて食べているので、とても放送できる内容ではないのか、モザイクが拡大した。
「上人様、抹茶味を一口下さいな」
「うむ」
俺が差し出した抹茶味を「間接キス」とか思いながら食べる若。
「ピチャピチャ」
片手で前髪をかき分けて、羊羹に手を添えて食べているので、光のモザイクの前に家具や看板まで移動してきて覆い隠す。
どこかの回復術師の通常版みたいに画面の大半が真っ黒になった。
「うむ、これは美味い」
若が一口齧って間接キスになった羊羹を一本食いする、竹の皮で包んだ羊羹がプルンプルンと卑猥な動きをするので、モザイクの前に看板が割り込んだ。
「おふぅ」
「ぬふうぅ」
そうこうしている間に神社に到着した。
「通路の真ん中は神様の通り道らしいからな、端を通るんだ」
「へえ~」
この手の仕来たりは、時代によってすぐ逆になったり無かったことになるので注意が必要だが、セバスチャンも否定しなかったので今も同じなのだろう。
水場で口をゆすいで手を清め、参拝前の手順を踏んでいると、流石に僧侶連れの人物を不審に思って神職が出て来て誰何(すいか)された。
「おや、これは御無沙汰しております。こちらが噂の聖男様、そしてこちらが若様の三郎太様でございます。本日は魔窟での必勝を祈願して、利剣や呪物を奉納しに参った次第です」
手抜かりのない挨拶を交わす法念和尚。セバスチャンも常識から外れることが多いので、こんな常識人がいてくれると助かる。
こう見えても脱ぐとガチムチのレベル120を超える兵(つわもの)で、ダンジョンに潜れば寺生まれのTさんみたいに「はああっーー!」と気合を入れると、手からビームを出せる武僧だ。
「貴方様が聖男様」
「挨拶が遅れましたな、ひと月前から寺でお世話になっておる者でタケルと申します」
先月迎えに来てくれたのが神社だったら、道服でも着て「急急如律令」とかやっていたはずだ。
特に揉め事も起こらず、「お前はもうここから出さぬ~~」と言う窮地にも陥らず、問題なく社(やしろ)に上げて貰えた。
「まずはご挨拶代わりに、これをお納めください」
土産物の羊羹と、魔石や魔道具を数個出す。これで二百五十両ぐらいはするはずだ。
「ははー、ご丁寧にありがとうございます」
そのまま置いておくのも何なので、他の神職を呼んで持って行かせる。鑑定すれば値打ち物だと分かるはずだ。それでもケツの尻子玉を鑑定するのは勘弁してもらいたい。
こちらに来てから魔道コンロだとか魔道蛇口にポンプは見ていないが、それらに準じた使い道があるからこそ値が張るのだろう。
「それと、魔窟から出た聖銀製の利剣でございまする、魔窟討伐を祈願して奉納したいと思いお持ちしました」
五階層あたりでドロップした品なので、初日に拾い集めて所有権で揉めた品より格段に値打ちが高い。
「おお、これは素晴らしい品物、確かに拝領致しました」
寺のように上位の寺に持ち込まれるのかどうかは知らないが、別系統の幕府に売り渡されたり、商人や趣味人に買い取らせたりはしないはずだ。
売り払うよりも「聖男ゆかりの品」として公開したり、奉納品として展示しておく方が客よせパンダになって金になるだろう。
欲しければ売ってやれる状態で、価格応談時価販売という有利な立場だ。
「また吉日(きちじつ)に御挨拶に伺い申す、何かご入用の魔道具や呪具仏具などあれば、お申し付け下さればお持ち致します」
寺には大量に寄進して、毎日住人に炊き出しできるほど潤っているが、神社には土産物も持って来ていなかった。
これからは寄進するので、奉納や魔窟討伐の祈願でもしてくれる日があれば、準備出来次第呼び出して貰えるだろう。
「それでは本日はこれまで、失礼いたします」
「またのお運びをお待ちしております」
とりあえず神社関連とは決裂せずに、友好的に挨拶が終わった。
魔窟討伐の祈願か地鎮祭は、早速翌日に魔窟前でやってくれた。
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