第17話賢者の石、そんなに沢山入港されちゃったら、拙者の浦賀港壊れちゃうよっ!(///)カアアッ

 魔物をテイムしすぎて尻子玉が賢者の石になり、どこかのシドニア〇騎士に出てくる落合(補助脳)みたいに、何か調べ物をする時はケツを開かされて機器を接続されて電流を流される、インターネット端末みたいなケツになってしまった。


 これがバレてしまうと、どこかに固定されて調べ物をする時にはレンタルされてしまい、誰専で順番待ちの行列ができて次々に入港されてしまう。


 堤防や水車を作って灌漑したり、四輪作の方法を調べられたり、肥料を増やすための空中窒素固定装置の作り方とかハーバーボッシュ法とか開発させられたり、火縄銃をマスケット銃やミニエ銃やスプリングフィールで銃に進化させたい時は、ケツがボロボロになるまで徹底的に調査され尽くしてしまう。


「きっとしまわれちゃうんだ、しまっちゃうおじさんに、はこのなかにしまわれて、うしろにあなだけあいてるはこにしまわれちゃうんだ~」


 ちょっと幼児退行して、ぼのぼのごっこしているところを法念和尚に見られてしまった。


「は~、観自在菩薩、般若……」


 何かを払うお経なのか、気の毒な人を慰める読経なのか、有難い経で見送られてしまった。


 何でも包み隠さず言う方だが、これだけは知られる訳にはいかない。



 寺での生活は作務に始まって作務に終わる、まずは朝食の用意に片付け、朝の読経の前に本堂や周囲の清掃。


「生活魔法、清掃(クリーニング)」


 背が届かないで、年末の大掃除にしか掃除しない場所まで清掃。その後、手が届く場所は心を込めて清掃。


 お約束で、清掃魔法を使っている所を和尚さんに見つかって、手抜きだと怒られる展開は無く、あちこち連れていかれて全室、全仏像を清掃魔法で清掃した。


 青銅の鐘や仏像に錆が出たり、木像にテカリが出て「なれ」が出ているのまで綺麗になってしまい驚かれたが、造られてすぐの色合いを見られたので怒られずに済んだ。


「次は写経をして頂きます」


 朝の読経の後には写経の時間などもあり、心が洗われるようだった。


「般若心経」


 筆と墨を使って筆記体で写経するほどの上級者では無かったので、小坊主やセバスチャンに教わりながら現在のフォントで書き写す、旧漢字なので画数も多くて難しい。


「聖男様が書かれた有難いお経」


 下手くそな字なのに額縁に入れられて、どこかに送られていく写経。


 実は聖男のサイン色紙を作らされていたのだと気付くが、こんな事なら字を崩して下手なのか上手いのかよく分からない字にすれば良かった。


「聖男様は御仏に直接お会いなされて、天啓をお受けになられたとお聞き及んでおります、どのようなお言葉を賜ったのでしょうか?」


 次は寺の坊さんとの語らい、大僧正達にも掻い摘んで話したが、今度は紙と筆を持って詳細を聞きたがっているので、できるだけ一言一句漏らさないようにする。


「拙者は何もない広い場所に引き出されましてな、遠くに五本の塔が見えた所から、孫悟空のように御仏の掌の上に載っておったのだと思われます」


「ああっ! ありがたやっ、ありがたやっ!」


 突然跪いて、俺の脚や足の裏を撫でまわして、泣いて額にまで付けて拝み始める僧侶たち。


 この場合ホモ行為や自虐ではなく、御仏の掌に直接触れた足を有難がって撫でているのだと思われる。


 その後、魚拓みたいに足型までとられた。


(作品名、観世音菩薩の掌の上に立たれた聖男様の足型)


 孫悟空と言ったところから推察され、観音様の掌だと特定までされてしまった。


 しかしあの時、「断る」と言っていたら孫悟空みたいに石の牢屋に入れられ、拳銃持ってる三蔵法師が来てリローデッドするまで出られなかったのかも知れない。



「あの時はまず「聖男よ、これからお主にはこの世界を救い、日本とアジアの独立を保って貰いたい」と仰られた」


「ほう、有難や」


 言葉だけでも有難がって書き写していく僧侶。書き終わったのを確かめてから次の語句を伝える。


「それから「こちらの世界では、お主らが住んでいた地獄の三丁目と、お主らが地獄と呼んでいた地獄の四丁目が地続きになってしもうた、これを元通り切り分けてもらいたい」と」


「地獄の三丁目? この世界は地獄の一部だったのですか?」


 伝えてはいけないパートだったようだが、大僧正からも特に「禁足事項ですっ(CVゴットゥーザ様)」と言われていないので教えておく。


 他にもイギリスによる世界支配と、日本の独立を保つこと、孫文やスハルト達が日本で遊学するのも伝えておく。


「そんぶんとは? どう書くのでしょうか」


「孫(まご)に文章の文ですな」


 この文章が残ると預言書になってしまう、確かアウンサン以外にもマハティールとかチャンドラボースにキムオッキュンも来るんだったか。


 ちなみに韓国とは面白い国で、民主改革派で閔妃に暗殺されたキムオッキュンが売国奴として扱われ、日本が朝鮮を併合するのに反対していた伊藤博文を暗殺して見事朝鮮併合を成し遂げたアンジュングンが義士とか烈士と言う英雄として扱われている。


 アンジュングンは天皇崇拝者で「敬天(天皇陛下を敬う)」と言う書を残している。


 朝鮮から見れば明らかな売国奴で、漢字文化圏なら額に「売国奴」と刺青されているのが普通で、大陸の文化なら死んでからも縛られたままの墓石に、つばや小便を掛けられていてしかるべき人物である。



 それ以降、観音様の掌の上に乗った足を有難がって触りに来たり、額に当てたい人物が多かったので、こちらが一段高い所に座って、その下を坊さんたちが通過して全員で足に触れたり頭に当てるようにして一巡した。


「ああ、ありがたや、ありがたや」


「観世音菩薩様……」


 泣くほどの事ではないと思うが、修行僧にとっては大変ありがたい事なのだろう。

 そうこうしていると顔色が悪いタロウが寺に来た。


「おじちゃん……」


「どうした、顔色が悪いではないか、回復(ヒール)」


「こんなのほんとは高いお金払わないと受けられないんだろ? そんなのポンポン使っちゃだめだよ」


「構わんぞ、住人は全員タダだ」


 米や銭など、支払いできる範囲で托鉢に応じている程度で、大金を払える住人はいない。


「それでさあ、昨日貰った魔石とか、おとっつあんと一緒に売りに行ったんだ、そうしたら一個百両超えるから錫杖とか防具も全部出せって言われて、そのまま取られちゃったんだ……」


「ふむ、聖銀だからな、そのぐらいはするだろう、取られたのなら別のをやろう、ほれ」


 ケツベントリから現在僧侶のタロウに合いそうなスタッフ+4と鎖帷子+3を渡す。


「だから百両もするもん、そんな簡単にぽんぽんやったらだめだよっ」


「構わん、沢山あるしな」


 馬廻役に奪われた品や武士団が取り上げられた品は献上品として持っていかれたが、自分のパーティーで見付けた物は大量にガメているので懐は痛まない。


「全部取り上げられて、後になってどれも偽物だったから返せないって言いだして……」


 明かな詐欺だが、返せないと言っている間に模造品でも作っているんだろうか? 子供と病人だからナメてるのか? すぐに従魔と一緒に出動…… すると大僧正に怒られる。


「法念殿、昨日言った通り、この子たちは聖男を導く童子か稚児のような存在でな、昨日渡してやった魔石や武具を持っていくと全部商人に取り上げられたそうなのだ、誰か使いをやって取り返して貰えんものだろうか?」


「すぐに向かわせます、おいで、タロウ」


「うん」


 和尚に任せておけば大丈夫だろうか? 暫くすると武僧の一団と、大きな輿に乗っているタロウと思われる稚児が出て行った。


 もしかしないでも「稚児」と言ったので、白塗りの化粧をして綺麗な服に着替えさせられ、鳴り物入りの読経をして行進しているのだろうか?



 住人にも足に触れさせるプレイ?を継続して、治療などもしているとタロウ達が帰って来た。


 武僧が数人を縛り上げて境内に転がし、輿に乗せられたタロウ稚児も帰って来た。


「きりきり歩けっ、盗っ人がっ」


「百両盗めば獄門貼り付け、知らんとは言わせんぞっ」


 千両ぐらい盗んだので、縛られて籠に入れられて街中を引き回され、一段高い場所に張り付けられて、河原とかで竹の囲いを組んで見世物になり、その中で槍で刺されて首を晒される残酷な処刑方法。


「常識人に任せたのに大ごとになったでござるの巻、ニンニン」


 もしかしないでも稚児に率いられた武僧が十人ほど商店に突入、護衛だか用心棒も一瞬で血祭りにあげて、商店主から従業員まで全員召捕(めしと)って、預けた品は回収、これから寺社奉行にでも引き渡して、全員市中引き回しの上、獄門貼り付けコースだ。


「お許しをっ、お許しをっ、こんな小僧が持って来たので盗んだに決まっています、ほんの少し魔が差しただけで、後でお奉行様に届けるつもりでしたっ」


 顔に「桔梗屋」とでも書いてありそうな悪人顔。


 奉行に届け出るつもりも何もなく、子供や町人程度が魔石を持って行ったら毎回取り上げるのが恒例なのだろう。


「店員は許してやれんのか?」


「店主と共謀して、奪うように命令されたらそのまま従って盗んだのです、罪は変わりませぬ」



 千両を超える宝を見ると、大店の店主でも店員でも狂うのだろう。目の前の小僧だけ騙せたら後は知らぬ存ぜぬで、嘘をついているのは子供にしてしまえば済む話だ。


 これは武士団の連中も似たような目に遭っているな。


 ここにはギルドだとか正直な武器屋や買取屋があるわけでもなく、無限に金を持っている買い取り主もいないようだ。


 ゲーム内では売値の五掛けで買い取ってくれたのに。


「これは武士団の連中も盗っ人扱いされて魔石などは取り上げられているな、何とか助けてやって貰えないだろうか?」


「はっ、今すぐにっ」


 坊主頭に俺の足型が付いているような連中が奉行所や番屋まで走って行った。



 輿から降りたタロウが稚児姿のままやって来た。


「何だその恰好は? ははっ、顔は白塗りに口紅まで塗られて、綺麗なベベを着て侍みたいに二本差しじゃないか」


「笑わないでよ、おじちゃんが「ちご」とか言うからこんな格好させられたんだ」


 ケンタの方も武器を更新したので、古い小刀二本は売り払って小遣いにでもするように言ったが売らないで飾っておくと言っていた。


 当面の生活費として三両ほど渡しておいたが、あちらはこんな目には合っていないだろうか?



 確か「おしん」の中でも父親から貰っていた五銭玉か何かを、盗んだと言って周りから取り上げられていたはずだ。


 魔石も渡したが店主に盗まれるようなら信用できる所で一括に売らないとならない。


「畜生っ、こんな時の為に寺社奉行や奉行には金を握らせてあるっ、儂をこんな目に合わせおって、後で後悔させてやるっ」


 口封じのために殺されそうな気もするが、毎月の付け届けとか鼻薬がもらえないと困る奉行がいると、ケツから手突っ込んで奥歯ガタガタ言わせてやらないとなるまい。



「てえへんだっ、聖男の旦那っ、魔石売りに行ったらみんな捕まっちまいやがって、同心とか奉行が魔石盗みやがったっ!」


 今まで聞いた中で一番汚い内容を聞いた。治安を守るはずの同心や十手持ち、奉行までが悪に手を染めて盗みを働いたらしい。


「法念殿、拙者が出動して奉行所を叩き壊してくるが宜しいか?」


「いけませんっ、私どもで何とかします故っ、タロウと同じで盗んだ品と思われたのでしょう」


 そうなら良いのだが、法を守る奉行までが金に目が眩んで武士団の小遣いを取り上げるような真似をしたのなら、昨日と同じで従魔千匹で奉行所にお伺いする。


「誰か領主には報告に行ったか?」


「へい、団長様達が向かってくれてやす」



 ゴタゴタしていると寺社奉行の手の者が到着し、すぐに桔梗屋?の縄を解いて解放した。


「見たか、寺社奉行様は儂の味方じゃ」


「何をしている、そいつらは千両以上を盗んだ悪党だぞ、百両盗めば一段高い所と知らぬはずがない」


「何をぬかすか、この方は盗っ人から魔石や聖銀を取り上げた功労者…… アッーーーー!」


「回復」


「「「「「「アッーーーーー!」」」」」」


 全部言い終わる前に即テイム、捕り手にまで鼻薬が効いていて、すぐに解放しようとしたので全員テイムした。


「お前らも全員だ、回復」


「「「「「「「「アッーーーーー!」」」」」」」」


 桔梗屋以下従業員も全員テイム、ここが地獄の三丁目と言うのが良く分かった。


「これからお前ら全員、魔窟まで行って魔物に襲われて来い」


「「「「「「「「「「「「「「「「「「分かりました」」」」」」」」」」」」」」」」」」


 眼力で操ってギアス、全員ダンジョンまでの道中で素手で魔物に襲い掛かって、死体になっていたら生き返らせてやる。

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