第16話お叱り

 後で聞いた話では、朝太郎と言う長男は前領主が母親で、武士団長で次郎衛門殿の父親になったのは前領主がリバって攻めになり父親になった、らしい。


 結構複雑怪奇な家族構成で、たまげたなあ~。


 城では祝宴ムードでもなく後始末が大変で、従魔が壊した場所の片付けだけでも大変。


 こちらは荒らした本人なので、人型の従魔を出して片付けと再建に協力させて、少しでも点数を稼いだ。


 それからオークに負けた朝太郎一味は地下牢に移動して、後日、お家断絶にならないよう家を守る者は「武士としての名誉を残して」士道不覚後により切腹。


 全員オークにKOIしちゃっていて、頭の中がお花畑で切腹無理そうなので、その場合親族からの名誉殺人が起るかもしれない。


「あ、赤ちゃんができてしまうわっ」


「う、産まれる~~っ」


 もうオークに完全に負けてしまって妄想が見えてしまうぐらいだから、全員人生は終わっている。



 牢を破ってやっても出て来なかった先代武士団は、前領主に呼び出されて無罪放免になるまでハラキリ衣装の白装束のまま過ごしていた。


「それでは拙者は沙汰があるまで寺で謹慎致す、これにて失敬」


 多分寺に帰ると、大僧正辺りから説教や説法やお叱りや教育があると思われるが、このまま城にいると毒を盛られたり暗殺されたり痺れ薬を飲まされて緊縛されたり、どこかのグリフィスさんみたいな拷問三昧な新生活が始まりそうだったので辞去した。


 途中武士団長と出会ったが、嫁入りの話も聞いていたのか(///)カアアッとなっていた。


「そ、其方と結婚、いや婚約するように父上から内示があった……」


 その時の団長の表情としては……


(べ、別にアンタのためじゃないんだからね。そ、そう、これは家のためなんだからね、か、勘違いしないでよね)


 みたいな顔をされたので、あまり多くを語らずに会釈だけして退去した。


「まあ社交辞令でしょう」



 ちなみに副団長からは相変わらず笑顔のまま。


(わたくしの王子様に手を出すとはいい度胸してますね、後で覚えていなさい)


 と念波を送られてきたので、こちらも笑顔のまま会釈して城を出て来た。


 副団長から恋敵認定を受けた。ポーン(フラグ立ち音声)


 このままではシスタープリンセ〇みたいに十二人の弟や武者ができたり、領主やセバスチャンなど十二人のジジイの取り巻きができてしまう。


 悠久の時を超えて八十八星座の美少年たちが集結したりすると大変なことになってしまうので、フラグ立てはほどほどにしよう。



「上人様っ」


 さらに暗殺の心配は無くなったと思われるのに、若が寺まで着いて来る。


 実の兄まで(///)カアアッとなってしまい、さらにその関係が父親(母親?)公認なので機嫌が悪いようだ。


 ちなみに若を産んだ母親と言うのも男、らしい。


 この世界の住人はきっと、マライヒみたいに男なのに子供を産めたり、ヤヲイ穴と呼ばれる器官や子宮がある、らしい。


 若が着いて来るのでセバスチャンも当然来る。


「聖男殿、本当にお世話になり申した、これで若が狙われることも無いでしょう。その上ご領主様までお救い下さり感謝のしようも御座いませぬ」


「うむ」


 前の領主が捕まっていると知ったのは後からなので、後付けの大義なんだけどね。


 あれが無いと幕府への大逆罪で大罪人になっていた所だけど、運が良かっただけ。


 ついでに恋愛の縺れにより、今回も兄から狙われるかもしれない若。


 かと言って領主が空気読んで、若を嫁入りさせると言い出しても困る。



 足取りも重く寺まで向かっていると、護衛?の法念和尚からも苦言が出た。


「全く冷や冷やし通しでした、寺と領主の戦(いくさ)になっていたかも知れませぬ」


 魔物が千匹もいれば城全体の武士でも、幕府が相手でも後れを取ることはないのだが、政治的に負けた時のことまで考えている和尚。


「拙者一人でも負ける事は無かったが、領主を豚鬼に負けさせて子供まで産ませたとなれば、大罪人の汚名は免れまい、今回は僥倖であった」


 今回は偶然、先代領主まで捕らえられていたので事なきを得たが、寺としても幕府に歯向かった大逆人を匿う訳にも行かないので、最少人数で逃げ出さなければならない所だった。今後の行動にも非常に制限がかかる。


「この後、大僧正から今回の聞き取りと説法があります」


「……はい」


「……お供します」


 タロウは説教を受けないよう、一儲けさせて父親の所に帰らせてやれたが、ケンタの方は大僧正の説教にも着いて来てくれるそうだ。


 こんな事ならダンジョンマスターだけでも始末しておけば地獄を一つ消せたのに、領内が落ち着くまで行動不能だ。


 きっと寺で監禁され、逆さ吊り水攻めでプリプリの刑とか、即身仏になるまで断食の刑とかを受けるかもしれない、ビクンビクン。



 やがて寺に到着すると、ここだけ別世界で、住人が逃げ込んでいたのか、集まっていた住人に炊き出しまでしていた。


「聖男様、うちの子をお救い下さい」


「この子が流行病で死んでしまって、どうかお救い下さい」


「へ?」


 どうやら昨日の夜とか朝の出かける間にも、噂を聞いた住人が集まっていて、見物人も含めると大変な数が集まっていたらしい。


 屋台の露店まで立っていて聖男饅頭が売られている。


「ああ、どうかこの子を」


「うむ、範囲治療呪文、復活之呪文」


「「「「「「「「「「「「「「「アッーーーーーーーー!」」」」」」」」」」」」」」」


 大僧正の前に引き出されて大説教を食らわないように、これ幸いと治療行為を開始する。


 間違ったことをする人物にはいくらでも歯向かえるが、正しい人物である大僧正とかには逆らえない。


「聖男様、お早く本堂へ」


 こちらの意思を読み取ったかのように本堂への道を急がせる法念和尚だが、住民にもせがまれて治療を続ける。


「いやいや、無辜の民を救うのも仏の道、範囲治療呪文」


「「「「「「「「「「アッーーーーーーー!」」」」」」」」」」


 ほんの一時間ほど大僧正の説教説法を受けるのが遅れたが、エリアヒールをバンバン使いまくって、天命が失われていない子供などは一瞬で復活してしまい、時間稼ぎにもならなかった。


 住民には泣いて感謝されたのだが、点数稼ぎにはならなかったようで、本堂から大僧正の怒りのオーラが燃えるように波立っている。


「さ、参りましょうか」


「ぐっすん」



 とりあえず後ろ手に縛られていないし、手鎖も付けられていないが、逃亡防止に屈強な僧侶に囲まれている。


 きっとこのまま僧侶たちに負けてしまうまで入港?され続けてしまうのかも知れない。


「やっとお帰りですな、聖男様」


(ひいいいいいいいいいいいいっ!)


 大僧正は張り付いた笑顔のまま苦言を呈するスキルをカンストしているようで、空中に浮かんでいる般若の面がとても恐ろしい表情をして怒りの波動を送り込んで来る。


 そこでダンジョンで見つけた魔道具とか仏具をケツベントリからすかさず取り出す。


「大僧正様、これが本日魔窟より得られた、ありがたい仏具の数々です、お納めください」


 スライディング土下座する勢いで、僧正の前にミスリルとかオリハルコンだとかヒヒイロカネで出来た仏具と魔道具と利剣を何点も何点も提出する。


 これで少しは怒りを収めて、くれなかった。


「正座で」


「はい……」


 キンニクが多すぎて、今の体では正座は苦手なのだが、それでも板の間に正座させられた。


 もうその後は、「御仏の道とは」「御仏の心とは」「聖男とはかくあるべし」とかを延々説法された。


 もちろん従魔を率いて領主の城に攻め込むなど以ての外で、怒りに身を任せたり我を忘れて馬廻役を踏み潰させたり、悪人だからと言って無闇にオークに負けさせて子供を産ませるなど御仏が許さないと大説教を食らった。


 聞き取り調査されないでも全部バレテ~ラッ。


 言葉が巧みなので、シバいたり縛ったり吊るしたりしないでも、正座の痛みだけで延々叱られて説法と説教をされ、洗脳に近い教育を受けまくった。


 人の道を貫いて、切腹させられそうな先代武士団を救いに行ったのに、大僧正から大説教を食らったでありますの巻、ニンニン。



 一応二時間ぐらいで開放してもらい、晩飯抜きにもならずに済んだようで飯も食わせて貰えた。


 この体、基本的には飯を食わないでも死なないようで、説教の間にも腹が鳴って怒られたりしないで済んだ。


 それからも寺の境内にも散発的に住人がやって来ていて、治療を求めているそうなので治療もした。


「範囲治療呪文(エリアヒール)」


「「「「「「「「「「アッーーーーー!」」」」」」」」」」


 治療が終わった住民は返さないで、大僧正に感謝させたり説得させるのに残しておけばよかったでござるの巻。


 本日の業務はこれで終了したので、おやすみなさい。


「わたくし、二念と申します、本日は御一緒させて頂きますので、何でもお申し付けください」


 天丼(くりかえしボケ)で昨日の再現、エロい顔をした小坊主さんがソッチ系の仕草で寝巻を脱いだ。


「上人様っ!」


「アッーーー!」


 障子の向こうにはガチムチの僧侶が増え、法念和尚まで監視に来て一緒の部屋で寝ることになり、一騒動起こって眠れなかった上に、夜中に急患が二人も来てしまい全然眠れなかった。



 翌朝


 ガッツリと「当ててんの」を堪能させられて全然嬉しくなかったのだが、朝は小便を我慢していて前立腺を刺激されて無意識に大きくなってしまう。


 所謂朝立ちなのだが小便に行って異常に気付いた。


「賢者の石?」


 鑑定する気も無かったが、股間部分を見た時に警告音がしてポップアップして来たのを見ると賢者の石となっていた。


 竿の方かお稲荷さんの方かと確認したが違う、角度を変えて横から見たり、部屋に帰ってから背中方向やケツを見ると、だんだん位置が特定できて来た。


「これ、前立腺辺り?」


 河童と相撲をして負けると奪われると言う「尻子玉」付近が賢者の石になっている模様。


 あらゆる知識が得られたり、どんな魔法でも使えるようになると言われる賢者の石。


 ゲーム時代でもこんな激レアアイテムは出なかったが、ケツベントリにテイムし終わった従魔を収納しすぎて、テイムした浪人や馬廻役まで収納しすぎたためか、尻子玉が賢者の石に変化してしまったようだ。


(ヤダ、拙者のケツの尻子玉貴重過ぎ、こんなの知られちゃったら沢山の黒船に入港されちゃうよ、そんなに沢山入港されちゃったら、拙者の浦賀港壊れちゃうよっ!(///)カアアッ)


 と言う訳で、鑑定眼持ちか他の聖男に見られてしまうと、俺の尻子玉が賢者の石になっているのがバレてしまう(////)。


 河童に見つかると相撲を挑まれて、負けてしまうと(性的な意味で)尻子玉をヌかれてしまう。


 水の汲み上げポンプを作ったり製紙作業のコツを調べるために尻子玉を弄られ、そのたびにケツに入港されるインターネット端末みたいなケツになってしまった。


「ひいいいっ」


 銭湯に行った時、足にロッカーのカギを付ける奴みたいに、「誰専(相手は誰でも構わない)」になってケツの穴のデカい所を見せないといけないのか、百八の試練のうち新しい試練が追加された。




 18禁部分を削除できているかどうか自信が無かったので運営に問い合わせると、違反部分は取り除けていたようで即削除は無くなったようです。

 他の作品でも見て参考にしようと見て回りましたが、18禁ではない「娘ハメ太郎」と呼ばれている作品も、商業誌では色々加筆されていて、まとめサイトで娘との性描写を論われていましたが、なろう掲載分では丸ごと一話無くなっているような場所があり、修正や改稿があったようです。

 今後も違反が無いよう気を付けます。

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