第20話⁂陸軍士官学校⁂
満州事変建国を果たした日本の夢は益々拡大している。
日本は欧米列強にならって中国大陸への野心を抱いていた。
そんな中、中国では共産党と国民党の内戦が続いていた。
元々出来て間もない中華民国の孫文は日本側からの支援を受けて、日本と良好な関係だった。
そして…当初はその後継者を自負する国民党の蔣介石も、孫文の遺言を守り日本と友好関係だった。
だが、蔣介石側のリーダ-を関東軍に撲殺されて、日本に対抗するようになる。
そして…1937年(昭和12年)7月7日に中華民国北京(北平)西南方向の盧溝橋で起きた日本軍と中国国民革命軍第二十九軍との衝突した盧溝橋事件(ろこうきょうじけん)が起きる。
こうして日中戦争勃発。
日本は北京・天津を制圧し、南京も制圧、その勢力はアジアの中で抜きんでた存在になって行った。
これを警戒したのがアメリカやイギリス。
こうして第二次世界大戦に突き進む事となる。
日中戦争が長期化の様相を呈して来た日本は打開策として、ドイツ、イタリアと同盟を結ぶ事を決意。
これが日独伊三国軍事同盟。
今までは中立の立場を取っていたアメリカが、イギリスなど連合国に武器の援助を始める。
こうして1943年9月にはイタリアは、アメリカ、イギリス連合軍に上陸されムッソリ-ニが失脚、無条件降伏する。
1944年6月にはノルマンディー(フランス)に上陸。
これによりドイツは8月にフランスのパリを解放。
追い込まれたヒトラーが自殺。
そして…1945年8月に広島、長崎に原子爆弾が投下され、ついに日本も無条件降伏した。
◆▽◆
仮にも大切な義母千代を傷付けてしまい後悔しきりの洋介。
やがて父建造の知るところとなり大激怒した父建造が、市ヶ谷陸軍士官学校に無理矢理入隊させてしまう。
洋介16歳の事である。
ところが、寄宿舎生活で待っていたのは想像も出来ない程の事件が、次から次へと襲ってくる。
陸軍幼年学校は大日本帝国陸軍において、選抜した13歳~15歳を将来の将校候補者として教育する機関。
ともかく優秀な男の子しか入隊できない生え抜きのエリ-ト軍団。
入隊すると寮生活がスタ-トするのだが、下級生達は上級生達から散々な性奥義を有無も言わせぬ形で無理矢理強要される。
まだ声変わりもしないか、せいぜい声変わり途中ぐらいの1年生は、3年生と2年生の間に寝させられる。
こうして3年生によって男色(男同士の性愛)を手取り足取り叩きこまれる。
義兄弟の契りを交わしたものは、戦場でも深い絆となる。
まぁ?幼年学校ではまだプラトニックに留まっているようだが、士官学校に入隊するといよいよ男同士の本番の性愛が待っている。
それは全く何も知らずに入隊させられた洋介とて同じ事。
幼年学校で散々指導されてきた士官学校生達から、度々とんでもない強姦という暴挙に出られたり、とんでもない事を要求されたりしている。
当たり前のように、洋介の下腹部に手を忍ばせて来る先輩には本当に困ったものだが、逆らえる様な状態ではない。
先輩には絶対服従、逆らう等とんでもない事。
更には入隊して僅か1ヶ月足らずで、洋介が眠っている時に上級生の1人から酷い目に合った。
酷い事とは、男同士の性愛初体験である。
元々そんな趣味など全く無い洋介なのだが、ある日の夜に事件は起こる。
それは、血気盛んなガタイの良い先輩からの一撃から始まった。
ぐっすり眠っていたある夜、何か……お尻に違和感を感じた洋介だったが、いきなり突入されて布団は血だらけで、最初は痛くて死ぬかと思ったほどだった。
血気盛んなガタイの良い先輩から突然、男同士の性愛洗礼を受けさせられる事となった。
こんな酷い目に合った洋介は、父に無理矢理士官学校に入隊させられ、父建造が恨めしくてたまらない。
更には最初の男同士の初体験が余りにも過酷で辛いものだった為、絶対に父を見返してやりたい衝動に駆られる洋介。
やがて陸軍大学校に入隊。
軍人の道を突き進む洋介。
元々出世欲の人一倍強い洋介は、手柄を立てて出世コ-スに乗ろうと必死だ。
◆▽◆
日本では1923年に関東大震災が発生して日本の金融業界は「震災手形」が不良債権となり、経営難に陥っていた。そこで「大陸進出で侵略をすれば不景気から脱却できる」と考えた
当時、日本の関東軍は、満州で力を持つ張作霖を支援する形で利用して、満州支配を強めようとしていた。
しかし、この張作霖が1928年、国民党の北伐に敗れる。
力を失った張作霖に利用価値がないと判断した関東軍の参謀、河本大作らは、張作霖が満州に戻る際、張作霖が乗った列車を爆破、張作霖を暗殺した。
この時洋介は中国に滞在していた為、中国語は片言ではあるが話せる。
張作霖の参謀ワンとは張作霖の行きつけの、お酒も出してくれる高級中華料理店の店長として顔見知りだった。
この店のオ-ナ-が、日本人と中国人のハ-フだった事も有り、洋介は軍の命令で大金を握らせ強引に短期間だけ店長のポストをゲットして、スパイ活動に従事していた。
ちなみに日本名では怪しまれるので、(中国名・ヤン)と偽って行動している
そして…ワンが同性愛者ではないかと薄々感づいていた。
何故そう思ったのかというと、洋介に向ける眼差しが尋常じゃ無かったからだ。
こうして使える男だと悟った洋介は、ワンを誘い出す事に成功する。
最初は他愛無い付き合いから始まったが、以前から感じる異様な眼差し。
まさに獲物を狙う卑しい眼差し。
知的でクールなどこか影のある二枚目の洋介は、ワンにとってはドストライク中のドストライク。
洋介に会いたさにワンが、張作霖に進めた店だった。
食べる事に興味のある2人は早速意気投合。
「今度美味し店紹介するよ」
「いや~嬉しいです。本当ですか?」
こうして個人的に2人だけで、一緒に出掛ける機会が増えて行った。
すると、ある日とうとうワンの正体が見えて来た。
酒を浴びるほど飲ませて、洋介を強引にワンの部屋に連れ込んだ。
「嗚呼………ヤン俺は………以前からお前の事が………お前の事が………好きで好きで………こうして2人の時間が持てるなんて………嗚呼夢………夢みたいだ………良いだろう?」
酔っぱらって、ぐでんぐでんを装っている洋介の衣服を剝ぎ取り、身体中を舐め回すワン。
更に尚も行為が続き2人は結ばれた。
あれ以来洋介にメロメロなワンは、完全に洋介に溺れ切って言いなり状態。
「ワン!君といつでも会える様に、張作霖とはいつもワンは一緒だろう。いつでも会いにけるようにスケジュール教えて!」
「そんなに嬉しい事を言ってくれるのかい。良いヨ!」
こうして張作霖の行動の一部始終スケジュール表をゲットした洋介。
そして列車爆発に成功した。
張作霖とワンはこの事故で亡くなった。
当時は、国民党の工作隊の仕業と見せかける偽装工作を行っていたのだが、後に関東軍によるものだと分った。
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