第42話
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名前 マジェリア
性別 女
年齢 7
レベル 12
生命 1
身体 1
精神 2
技能 1
所持武器
狐色のホウキ(改)
ウィザードハット
守護の腰布
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食堂にてみんなと食事中、そういやまだ見てなかったなと思って魔女っ子のステータスを覗いてみたんだが、7歳とあったので思わず二度見してしまった。この年齢で修行の旅に出るのか。さすが、魔女の血を引くだけあってマセすぎている……。
「みゃあ、マジェさん、お味はどうですかー?」
「マジェ、味はどうなのよ?」
「……お、お、美味しいけれど……ぐ、ぐるじぃよぉ……」
「…………」
シフォンと平野によって、焼きそばパンと鮭おにぎりを口の中に押し込まれるマジェリア。確かに旨そうだがきつそうだ……。でももうすっかり打ち解けたみたいだな。若干巧妙に恨みを晴らされてる気がしないでもないが。
「透ちゃんも大変なのねえ」
食堂のおばちゃんからも同情されてしまった。よくよく考えると、俺は女の子を三人も連れ立ってるんだな。ハーレムといえば聞こえはいいが、平野迅華は伝説のアイドルだし、シフォン、マジェリアについては仮装してるだけのオタク仲間に見えるだろうしで特に問題はないだろう。
そういうことで、食事を終えた俺たちは敵情視察と気分転換を兼ねて3-Aの教室へと向かうことにした。
「旦那様~、なんかここ、椅子と机ばっかりで変な建物ね~」
マジェリアがホウキに乗って超低空飛行していることもあって、通り過ぎる生徒はほぼ驚いた様子で振り返ってきた。羨ましいスキルだとか今度はああいうのが欲しい等の声が聞こえてくることから、普通の生徒だと思われてるっぽい。
まあ防具を獲得したばっかりだし、ほかにも変な服装の生徒はいるから、小さめの子が魔女みたいな格好をしていてなおかつ飛行スキルも持ってるくらいしか思われないだろう。
「マジェさん、ここは大きめの学校のようなものですよー」
「へ~」
「そうよ。だからマジェ、あんたみたいなお転婆はちゃんと行儀よくしてなさいよね」
「え~」
マジェは普段とは違った環境に興味津々の様子で、シフォンと平野の言葉も軽く受け流しているようだった。まさに魔女の耳に念仏か。
3-Aの教室へ着くと、朝とは一転してガラガラだったが、それでも何人かの意地悪な生徒は残っていて俺たちのほうを注目してきた。まあ気にする必要もあるまい。
「ここが俺の教室だよ、マジェ」
「わぉ~。旦那様とわたしの愛の巣だぁ~!」
「…………」
いや、なんでそうなるかな。
「こんっ、マジェさん、ほかの方の邪魔になるので、ここで飛んじゃダメですよっ」
「そうよ。愛の巣とかふざけたこと言ってないで歩きなさいよねっ! ほらっ、浦間透も黙ってないで注意してよ」
「あ、あぁ。マジェ、ここで飛んだらダメだぞ?」
「ヤダ」
「「「ははっ……」」」
そんな俺たちのやり取りが悪目立ちしてしまったのか、例の全然ヒソヒソとしない陰口が聞こえてくる。
「なんなの? あのガキみたいな子」
「ああいう子、たまにいるよね。可哀想」
「てか、オタク仲間増えてるじゃん」
「合法ロリキターッ!」
「あれでしょ。普通の女の子には相手にされないから、変な子やロリに走ったんでしょ」
「それな」
「…………」
相変わらずあいつらは悪意を隠そうともしないな。何故人は自分が一番傷つくような言葉で相手を攻撃しようとするのか……ん、嫌な空気になる中でマジェリアがいなくなったと思ったら、嫌味を言ってきたやつらの近くにいた。
おいおい、やり返すつもりなのか? あんな小物連中、相手にしなくてもいいのに……。
「ねーねー、あなたたちの顔、どこかで見たことがあると思ったらぁ、今思い出したっ。それはねえ……オークとゴブリンの巣窟っ!」
「「「「「……」」」」」
やつらがマジェリアの台詞を肯定するかのようにこれでもかと顔をしかめ、周りから失笑が漏れる。いい気味だな。これにはシフォンと平野も拍手で讃えていた。
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