姉に想いを馳せて2
三年前、家族が離れ離れになってから、結局連絡が取れるようになったのは零佳のみであった。零佳以外の身元は全く
夏希は当然連絡は取れないものとして、他の皆は一体どうしているのだろうか?
願わくばどこかで無事に生活をしていればそれでいいのだが、このまま一生会えないのでは無いかと思ってしまう。
桜はそっと目を閉じ、共に過ごした家族の
姉達のことは一時たりとも
だから…… 突然会えなくなるというのは本当に辛かった。
けれど……
「姉さん達のことだから心配いらないよ。生きていればきっと会えるさ」
売木家は代々剣術を受け継いできた家系であった。桜も夏希から剣術をずっと教わっていたように、売木家の一員として産まれれば、一度は剣に触れさせられる。
そして他の姉達は例に漏れずとても強い。ちょっとやそっとじゃ折れない
「そうだよね」
絆が嬉しそうに返す。絶対無事だと確信を得たからだ。
どこにいるのかも、何をしているかも分からない。それでも、強かった姉達が心の中で不安を払拭してくれる。
自分達より遥かに
散り散りになったとしてもどこかで生きている筈だ、零佳のように……
目を合わせると絆も軽く頷いた。
「絶対無事だよね。だって皆、凄く強いもんね」
姉達のことを心配するのであれば自分のことを心配しろ。そんな声まで聞こえてきそうである。
そうだ、自分達の出来る限りを尽くしていればきっと会える。生きていれば何かが起こる。
そう信じて今はやれることをやっていこう。
桜はもう一度目を閉じ、生気を与えてくれた姉達へ心の中でそっと感謝の意を述べた。
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