第6話
高校生初日、ボクの教室の、となりの席に、ちっちゃくて可愛い女の子、座ってた。カバンに可愛いお人形さん3つ、ぶらさがってて、なんか、めっちゃ可愛いなあ~何か見たことあるようなお人形さんだなあ~って思ってしまった。
その女の子、ボクのほうを見たから、
「あっ、ボク、あやめっていいます。よろしくね」
って、その子に、あいさつした。
その子も、ボクに
「池野かよです。よろしくね~」
って、言ってくれた。可愛い声だなあ~って思いながら、
「かよちゃんですね!声めっちゃ可愛いですね~!よろしく~」
って言った。
「はじめまして、あやめちゃん。女の子みたいですね。パッと見たら、女の子に見える~。それに、なんとなく、はじめましてじゃないみたい」
「はじめまして、かよちゃん。たぶん、前に、どっかで会ってたのかもしれないですね!今日から、よろしくね」
教室のうしろのほうから
「かえーっ!」
って、女の子の声、聞こえてきて、かよちゃんは、
「なに~?」
って言いながら、その背の高い、めっちゃカッコいい女子の友達のところに行こうとした。
「あっ!かえちゃんなの~?」
って、かよちゃんに聞いてみたら、
「かえだよーっ、香る絵と書いて、香絵だよーっ」
って言いながら、友達のところに行った。
「可愛い名前ですね~」
って香絵ちゃんに言ったら、
「ありがとうーっ」
って香絵ちゃんは笑って言ってくれた。
ボクは、香絵っていう名前と、その子の声と、あと、そのちっちゃくて可愛い姿に、なんとなく、なぜか懐かしさを感じながら、高校生初日をむかえていた。
家に帰って、中学の卒業文集を読み返してみた。
「毎晩、想いをよせている、好きな子」っていう自分の文章は、中学生のボクの勝手に妄想していた女の子のことで、もしかしたら、今日、高校で出会えた、香絵ちゃんっていう女の子のことをあらわしてるのかなーって思った。
机の引出しの中に、修学旅行の時に買った、お土産のおまんじゅうの包み紙が入ってて、記念にとっといたのかなあ~って思いながらも、誰かといっしょに食べてたような気もしたけど、気のせいかなあ~って思った。
夜、ふとんにもぐり込んで寝ていて、ふと時間を見たくなって、見てみたら11:11だった。
パッと見て、ちょうど11:11だったから、びっくりして、ちょっと笑えた。
「11:11に、何かあるんかいっ!何か起こってたんかいっ!」って、自分に、つっこんでしまった。
何かあるのかなって思いながら、期待して、しばらく待っていても、特に、これといって、何もなく、過ぎていくから、
「寝よっ!」
って言って、ふとんにもぐって眠りについた。
「明日も、高校で、香絵ちゃんと会える~。香絵ちゃんと結婚したいなあ~!」
女子のからだのあやめちゃん ヤッキムン @yakkimn
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