第3話

次の日の晩も、11:11に、かよちゃんは、あらわれた。

「ちょっと友達と交信するね~」

って言って、

「もしもし~、かえだよーっ、うんうん、そうそう...え~っ、そうなんやあ~っ、ほな、またね~、ばいば~い」

って、友達と交信していた。

あっ!かえちゃんやったんやあ!かよちゃんかと思ってたけど。

交信終わったみたいやったから、

「かえちゃんやったんやね!」

って、言ったら、

「かえだよ!香りに絵と書いて、香絵だよーっ!」

「可愛い名前だねーっ」

「ありがとうーっ」

香絵ちゃんは、まるで、ボクに、かよちゃんではなくて、かえちゃんだよってことを教えようとして、わざわざ友達と交信していたようにも思えた。


それから香絵ちゃんは、

「ちょっと友達との写真見てくれる~?」

って言ってきたから、

「うわ~!見せて~!見たい、見たい!」

って答えた。そしたら、天井あたりから、1枚の写真が、ハラリと落ちてきた。

見てみたら、2人の女の子が並んで仲良くピースしていた。

「うちは、ちっちゃいほう。背の高くて、サングラスしてカッコ良いのは親友」

「うわ~!友達めっちゃカッコええーっ」

って、とっさに思わず言ってもた。

「そうでしょ~。みんな、そう言うの!」

「あっ、でも、ボクは、カッコ良い友達より香絵ちゃんのほう好き!」

「ほんまに?」

「ほんまやで~!昔なら、サングラスのめっちゃ似合うカッコいい友達の子のほう、めっちゃ好きやったけど、今は、だんぜん、ちっちゃくて可愛い香絵ちゃんのほう好き!」

「やったあ!めっちゃ嬉しい!あやめちゃんありがとうーっ。うちも、あやめちゃん大好き!」

「わ~い!香絵ちゃんに、好きになってもらえた~。...これは海で撮ったの?」

2人の背景に、きれいな海、広がっていた。

「そうだよ~。2人で海に行った時に撮ったの。じゃあ、またね~、ばいば~い」

「ばいば~い。写真、見せてくれて、ありがとうーっ」

って言ったら、その日の晩は、それで、静かになったから、ボクは、眠りについた。

写真は、フッと消えてしまった。

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