第5話
高校生初日、入学式も終わって、ボクのクラスの教室の、自分の席に座っていた。
教室のうしろのほうで、
「かえーっ!」って叫んでる女子の声してきた。
「かえ」って、たぶん、呼ばれた女子の名前なんだろうなあ~って思って、でも、なぜだか、その名前に、なんとなく懐かしい響きを感じていた。
そう思ってたら、横の席に、女の子座りながら、
「池野かよですっ。よろしくねっ」
ってボクに言ってくれた。
「あっ、ボク、あやめです。よろしくねっ...かよちゃん」
「あやめちゃんって可愛い名前ですねっ」
「あっ、かよちゃんも可愛い名前ですねっ」
また、教室のうしろから、
「かえーっ!」
って叫ぶ女子の声してきたと思ったら、
横の席の、かよちゃん、
「なに~?」
って、うしろを振りむいて、答えてたから、
あっ、かえちゃんなのか...って思った。
かえちゃん、自分の席に戻って来てから、
「あっ、かえちゃんなの?」
って聞いてみたら、
「香る絵と書いて、香絵だよーっ」
って言っていて、それ聞いた時も、なんとなく、前に、どこかで、同じようなこと聞いたような気するなあ~って思った。
「あやめちゃん、部活、何に入るの?」
「う~ん、バスケか軽音かって考えたけど、美術部にしようかなって思ってる」
「え~、うちも美術部にするから、いっしょに入ろう~」
「じゃあ、いっしょに美術部に入ろう!」
「やったあ!あやめちゃんと、いっしょに美術部に入れる~。嬉しい~」
それで、さっそく、2人で手をつないで美術教室に行って、美術の先生に、美術部に入るってことを言いに行った。
副担任の安藤先生は、体育の女の先生で、ボクのことを女子のように見てくれていて、ボクに話しかけてくれた。
「あやめちゃん、体育は、女子のほうでやる?着替えや洗面所も、女子のほうで良い?」
って言ってくれて、ボクも、
「それで、よろしくお願いします」
って答えておいた。
先生方や、まわりのみんなも、最初からボクのことを女子として考えてくれたから、めっちゃ良かった。
体操服も女子用ので、揃えた。副担任、安藤先生で良かった。中学の時の担任の先生が、高校の安藤先生に言ってくれたのかもしれなかった。
家に帰って、夜、寝ていたら、やっぱり、中3の時みたいに、ちょうど11:11になった時に、霊の女の子に、体を優しく抱きしめられて、いつもみたいに顔にキスされてるのを感じていた。
ああ、高校生初日も、また来てくれたのかあ~って思った。どんな子なのだろうか?
でも、いつも、ボクに優しく愛撫してくれてるみたいだから、高校生でもよろしくねって思いながら、霊の女の子の愛撫に身をまかせていた。いつも0時には、いなくなるから、この日も、ボクは、0時には眠りについた。
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