第36話 本名とペンネーム
あなたの名前は、どなたが考えてくださいましたか?
私の名前は、父です。母が父に「あなたが名前、考えて」と丸投げした。父よ、母よ、フツーは夫婦でキャッキャウフフしながら、二人で考えるのではナイですか?
出生届は生まれて7日以内に、役所へ提出するらしい。生後6日目の夕方、母が父に「名前考えてくれた?」と尋ねると「まだ」という父の返事。
「明日中に提出しないと! すぐに考えてちょうだい!」
この夫婦、私はオカシイと思うのですが、あなたはどう思います? フツーは夫婦でキャッキャウフフ(以下略)。
提出期限のギリギリになって、父は役所に届け出を提出したそうです。
「なんて書いて提出したの?」 「〇〇〇」
オイ、ちょっと待て。そこのバカップル。提出する前に、夫婦で話し合わなかったんかい!? 母は父に丸投げで、父は独断で決定かい!?
そもそもお前ら私が生まれるまでに、一度でも私の名前を考えなかったのか!?
お前ら、バカか!? バカだろう!?
というワケで私の名前が決定したのですが、父がなぜこの名前にしたか理由は聞いていません。今さら聞こうにも、父、すでに死んでるし。でも聞かずとも、わかります。メンドクサがりな父の性格から考えて、これ一択。
父の母である私の祖母は、とある宮家の高貴な方と名前が同じです。宮様よりも祖母のほうが年上なので、祖母の名前はパクりじゃない。偶然の一致。そして私の名前は、その宮様のお子さまの名前と一致します。明らかなパクり。完全にパクり。絶対にパクり。
本名はこういう残念ないきさつがありますから、自分のペンネームは慎重に考えました。条件は、下記の通りです。
・ネットで検索しても、引っかからないオリジナリティのある名前。
・男か女か、わからない名前。
・日本人か外国人か、わからない名前。
・なんなら人かどうかも、わからない名前。
・サインしやすい、簡単な名前。
・ちゃんと意味のある名前。
結果、「ソウ マチ」という名前にしました。
「ちゃんと意味のある名前って、どういう意味よ?」と、あなたは思われるかもしれません。それはですね、関わってくださるすべての方(今これを読んでくださっている、あなたも含みます)へ感謝の気持ちを伝えたいと考えて「サンキュー ソー マッチ」の「ソー マッチ」が転じて「ソウ マチ」となりました。「ソウさん」でも「マチさん」でも呼びやすいし、ちゃんと苗字と名前の体裁を保っている。
すごく仲良しになれたら「マチちゃん」って呼んでもらえるかもしれない。キャッ! うれしい♡♡ 期待に胸が膨らみます。
誤算は2つありました。
1・私が感謝の気持ちを伝えたいのにペンネームで呼ばれると、私が感謝されているように感じてしまって、毎回「ああ! すみません!」とオロオロしてしまう。
2・出来上がった本に「ソウ マチ」ではなく「ソウマチ」と印刷してあった……。
コレ、私にとっては、どエラいミスです……。でも気づいた時は、後の祭り。本はすでに本屋さんに並んでいました。おかげで私が「マチちゃん♡」と呼ばれることは、絶対になくなりました……。 くうぅ~!
親も名前を付けるのが苦手だったようですけれど、子である私もニガテだったようです。いらんとこばっかり、似るよなあああああああ!!!!!!(親がバカなら、子もバカ)
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