第33話 ラジオ出演。
ありえない偶然が重なって、ラジオ出演をさせていただきました。前日からソワソワ、ドキドキです!
「あああ! 生放送! ちゃんと話せる気がしない! 私みたいな虫ケラ以下の低俗な生き物が、大それたラジオ出演なんてお受けしないほうが良かった!」贅沢な後悔を何度も繰り返して、朝。
事前に取材してもらって、原稿はバッチリです。構成作家のSさんのおかげ。私は原稿に書いてある通りに、お話すればいい。でも……。
せっかくなら、自分の言葉でお話したい。送られてきた原稿を基に、自分の言葉に書き換えます。あれもお伝えしたい、これも言いたい。書いているうちに、時間はどんどん過ぎてゆく。はたして、間に合うのか?
出演時間はたったの15分。でも原稿を直すのに、2時間以上かかっています。すでに放送時間の30分前。うわあ!間に合わない!!
スマホの電話着信があります。スタッフさんからです。
「これから30分後に、本番です。リクエスト曲が流れますが、途中で電話を切らないでください」。わざわざ言うってことは、過去に電話を切った人がいるのですね。
「曲の後に仙石さんが、ソウマチさんの紹介をします。そのまま本番に入りますので、よろしくお願いします」。 なんやようわからんけど、電話を切らなければ本番に入るのですね。わかりませんけど、わかりました!
早々に電話を切って、残りの原稿を作ります。間に合ったような、間に合ってないような……!!
本番の1分前。スマホが鳴ります。言うてアレなんですけど、私友達がものすごく少ないので、スマホが鳴ることは滅多にありません。スマホが鳴ると、ビクっとする。
「もしもし?」
「ソウマチさんですね。本番が始まります。よろしくお願いします」
スマホから、聴いたことのない曲が流れます。可愛い女の子の、可愛い恋の歌。この歌い手さんも、ラジオに出たら緊張するのかしら?
曲をバックに、仙石さんの声が流れます。
「お送りした曲は、〇〇の〇〇でした」 ← キンチョーしすぎて、おぼえてない。
「今日のデイリー・マイ・ライフ。ゲストは作家のソウマチさんです! ソウマチさん、おはようございます!」
耳元で流れる遠い世界のラジオ放送が、いきなり現実世界になります。え!? わたし、ほんとにラジオに出るのっ!? ととと、とりあえず! ご挨拶を!!
「仙石さん、リスナーのみなさま、おはようございます! 作家のソウマチです!」
その後の15分間は、記憶が飛んでいます。 原稿を一所懸命に追って、質問に答えるだけで精一杯! かろうじて記憶に残っているのは、私がうっかりしゃべった九州弁を、仙石さんがリピートしてくれたことくらい。
滋賀県にはなぜか、福岡県の出身者が多いです。だから私は、滋賀県で頑張っている福岡の方に向けて、福岡の言葉で話しかけたかった。でもいきなり福岡弁で話したら、仙石さんがビックリすると思って自粛した。それよりなにより、私にそんな余裕がない。だけど緊張しすぎて、ぽろっと方言が出てしまった。それを丁寧に拾ってもらって「ああ、滋賀で頑張ってる福岡の人が、これを聴いてくれていたら嬉しいなあ。私もいま、がんばってます」と思ったのが、遠い記憶。あとはぜんぜんおぼえてない。
「ソウマチさん、今日はありがとうございました! また〇〇▼◇※しましょう!」と言われて、15分が終わることに気づきました。
電話は唐突に切れました。いきなり日常の生活に放り出された。でも緊張と興奮で、「うわああああ!!!!!」ってなってる。自分で処理できない感情です。パニックになっていると、構成作家のSさんから電話が!
「うわあああ!! ありがとうございましたあああ!!」
めっちゃカッコわるいんですけど、パニック状態です。取り繕う余裕がない。
「すごく面白かったですよ~! 仙石(さん)が『またお話しましょう!』って言ったの、おぼえてます?」
「ごめんなさい。緊張しすぎて、おぼえてないです」
「仙石(さん)が『また』なんて言うの、初めて聞きました! きっとすごく良かったんだと思います!」
「あわわ! ありがとうございます!」
「またぜひ、一緒に仕事しましょう!」
「ありがとうございます! お願いします!」
自分ではわかりませんけれど、一応の及第点はいただけたようです!
良かった! 本当に良かった!
そしてショックで、今まで寝込んでいました。ビビりなので小心者なので、すぐに寝込むのです。
不幸中の幸いは、今回はお腹を下しただけで済んだこと。
ここだけの話ですけれど、今までの取材やテレビ出演、すべてお腹だけでなく口からの……も、やらかしています。緊張のあまり、上も下も大変な事態になっていました!
今回は上はナシ! きっと少しは慣れたのでしょう!
いつかあなたがラジオに出るときに、参考になれば嬉しいです!!
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