第089話 不死鳥

人家の屋根の上で語り、

稲穂を刈り取った田んぼに残る米を啄んでいた昔日。


他所の子の巣立ちを見送り、

数多の仲間の死を見送るも、

未だ生き残る己への違和感。


鴉に捕まり失神するも、

その腹の下から這い出、

ようやく己が不死鳥と気づく。


死の訪れを夢見て、

擁壁の水抜穴の巣の中でチュンチュンと泣く。




★☆★


フェニックスの事を言ってるのは解ってるんだけどね。

死なない雀がいたら、それもやはり不死鳥だろう、と。


不老ではないので、老いてはきているのだが、

何故か死なない雀の悲哀。


見た目は雀なので、不死鳥とも認識されないしね。



☆★☆


次のお題は〖上目遣い〗

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る