第088話 正座

女の子だった私へ、

「足、崩してもいいよ」

と言うのは、「胡坐をかいていい」で無いのは解っていた。


かといって、手の支えもなく「横座り」なんてしたら100%こける。


「トンビ座り」でも出来たなら、

(坊さんなら、髪、剃れよ)

と、法事の読経の最中に、胸の裡で八つ当たりする事もなかったのにな。




★☆★


とっても、難産でした。



いや、まぁ。

『浄土真宗』のお坊さんって、有髪なんですよ。

(宗祖の親鸞聖人が「肉食」「妻帯」「有髪」だったから)

つっても、子供心的に、「お坊さんっていうのは坊主頭なもの」って固定概念があって、

(お坊さんらしくないなぁ)

って。



「足、崩していいよ」

って、多分、おばちゃんの誰かが言ってくれたと思うんだけど、それは、「足が座布団におさまる範囲」の不文律がくっついているわけで…。

上記の理由で、結局、正座以外できないっていうね。



☆★☆


次のお題は〖不死鳥〗

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