第082話 誤字

[変しい入。筧えているよね。撲との葯朿。

 吚との緑を給びに衍くから、侍っててね]


 直接投函されたであろう誤字だらけの手紙を読んだ翌朝、起き抜けの私の小指に巻かれていた赤黒い糸は、外そうとすればする程、皮膚に食い込み、滲み出た血を糸が吸い込んで、私の脳は、手紙の文字が正しいと認識した。



★☆★


ホラー?

うん、きっとホラー。


きっと、子供の頃に、よく解らない存在と「お嫁さんになる」とかって約束でもしちゃってたんだろうね。


ちなみに手紙の文章は、

[恋しい人。覚えているよね。僕との約束。

 君との縁を結びに行くから、待っててね]

です。



誤字といえば、昔、先生が、

「ラブレターを書く時、"恋人"が"変人"にならんように」

と言ってたのしか思い浮かばなくて…。


いっそ、全部の漢字を誤字にしようと思いついたはいいものの、

似た漢字を探すのが、面倒くさかった。



☆★☆


次のお題は〖スキンシップ〗

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