第041話 コインロッカー

「ここでいいよ。じゃあ、また。学校で」


満タンの駐輪場でカノジョと別れてから、

偶々見つけた空きスペースに停めて、

駅構内に走る。


やっぱ、列車が来るのを待つ時間、

少しでも一緒にいたいもんな。



コインロッカールームから出て来た、

彼女の大荷物はなんで?


なんで、出張中の親父と、腕、組んでんの?




★☆★


自分のカノジョが、自分の父親の腕に腕をからめ、駅裏にある駐車場へと向かうのを目撃した男子高校生。

ってところでしょうか。


「今日は、早く帰らないと」

というカノジョにくっついて学校から駅まで、自転車で並走してきたものの、いつも満杯の駐輪場は、やっぱり今日も、満杯で。

「ほらね~」

とばかり、カノジョは慣れた手つきで、隙間に自転車を押し込み(月極駐輪場を借りてるのかも。←そんなのがあるのかどうかは、知らないけど)、駅の構内に。

彼女の後ろ姿を見送り、諦めて自分も帰ろうとした時、偶然、一台分開いた。

「よっしゃ~」

と、停めて、改札の方へ向かうと、ロッカールームから旅行カバンを持って出てくる彼女。そして、彼女から旅行カバンを受け取って担いだのは、今晩から出張だと言っていた、自分の父親。


そのショックたるや、如何許りか。


例え、カノジョとお父さんが、ただの趣味仲間で、清らかな関係であっても。(ま、私の脳から出てきた登場人物だから、そんなこたーないんだけどね。てへっ)



☆★☆


次のお題は〖逆光〗

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