第038話 世界の半分
宇宙は、
愛は希う。
愛を捧ぐ愛が欲しい。
愛の証の愛が欲しい。
不可視の愛を可視化する
代償の枷は、食。
世界の半分は、愛でできた。
世界の半分は、業でできた。
担い手に選ばれた腐る肉塊は ── 人。
人類愛。
同族愛。
家族愛。
飽食に萎む愛は、
★☆★
時代が下る程、身分が上がる程、生活水準が上がる程、『愛すること』が難しい気がするんだよね。
精神世界 ── 宇宙の内は、『愛』だけが漂っていて、混じり合って溶け合う一つの『愛』であるがゆえに、『愛』である意識が希薄だった。
だから、自分が『愛』である事を知るために、別々の『愛』に分ける獣の肉体が誕生する。
しかし、生身の肉体を得る事で、時間が区切られ、存在する時間を伸ばすためには、体を動かすための『食』が必要になる。
自分の『愛』を捧げる相手を探すという『業』を果たすには、『食』なくしてできない。
『食』が限りある資源であった頃は、それを分け合うという『業』を行いつつ、『愛』を捧げる相手を探していたのが、『食』を独り占めする『業』を行えば、『食』を求めてやってくる人の中から、『愛』を捧げる相手を選べる事に気づく。
だけど、そうしてやってくる人の中の、自分が『愛』を捧げる相手は、『食』を求めてやってきた人であるので、自分に『愛』を捧げてくれる相手では無い事にも気づく。
こちらは、『食』と『愛』を捧げているのに、両方を受け取る側から、何も貰えないのは不公平だ。せめて、次世代に残す『愛の結晶』は、自分の遺伝子を引いていなければ、割りが合わない、と考えるようになり『食』が『金』に名前を変える頃、人は、「『食』を共有する者は、『愛』も共有する」という、『食』でもって相手の『愛』を縛る『結婚』というルールを作った。
不公平だとルールを作ったはいいが、実際に彼が与えていたのは、『愛欲』に対する代償の『食』だけだった事に、自分は気づかない。
って、感じの事をね。
そして、ルールが、法律として認められるようになると、今度は、『愛』の定義が変わってきて、浮気のボーダーラインに、『他の人の事を考えた』だの、『目が合った』だの、『会話した』だのを上げ、世界に二人だけでないと、到底無理な要求を求めるようになった。
って、感じですかね。
140字をオーバーして、最後に付け足すならば、
『
世界の半分は、キミでできてる。
世界の半分は、ボクでできてる。
』
でしょうかね。
だからして、愛する相手から愛された人は、本当に幸せだと思う。
☆★☆
次のお題は〖転がる〗
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます