第028話 橋渡し ② ★

「わぁ。またやっちゃった」


こいつの失敗の尻拭いをするのは何回目だ?


「で? 何人?」


「3人」


「じゃあ…18両だな。きっちり払えよ」


舟の渡し賃なら6文なのに、とブツブツ言うが、死ぬ運命になかった人間を死なせた詫びの、三途の川の岸辺から、異世界の此岸への橋渡し賃が、一人6両なら安すぎだ。




★☆★


まだ蝋燭の蝋が残ってるのに、火を消しちゃった(蝋燭を倒した)。

最近は、こういう事例が度々あるんだろうね(笑)


最初は、異世界とこの世が協議して、必要且つ選ばれた人間を往来させる為に橋を架けたんだろうね。

だけど、それはあくまで両世界が許可を出した魂に限られ、事前報告のなされていない魂を渡すのは御法度。

とか。


奪衣婆の事務所にある、閻魔帳控え(死亡者名簿)と照らし合わせて、名前が無く、間違えた事に気づいたんじゃないの。

6両の中には、橋渡し料の他に、関係各所への付け届け代も含まれてるとみた(笑)



まぁ…そろそろ、秋のお彼岸なんで。



☆★☆


次のお題は〖やばい〗

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る