第003話 場所

岸壁に穿たれた夥しい数の穴から噴き出る水は塩辛しょっからい。

この中から、唯一つの噴出口を探さなければならない。


「奇特な奴だ。

 自衛の為に、己の心を殺した女の愛を得たいとは」


孤悲嘆湧水群の穴の一つ一つは、やつれた恋心の嗚咽。


幻の場所に来られた奇跡は、

彼女も「再び誰かを愛したい」と思っていると。




★☆★


恋悲嘆湧水群のイメージは、

現実世界で、こっぴどく失恋した人が、ちゃんと生活していく為に、無理やり吹っ切った恋心の辿り着く場所…みたいな。

穴の奥には、個々の本体から切り捨てられた恋心の核があって、そっちはずっと泣き続けてる…みたいな。


んで、

本当なら、彼女(本人)が、次の恋をする為に恋心の核を回収して、失恋の傷を癒さないといけないところを、彼女に恋焦がれる主人公が、彼女の代わりをしようとしている…みたいな。



☆★☆


次のお題は〖肉じゃが〗

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