第52話
SSランク級冒険者の中で誰が最も強いか。
それはこの世界に住まう人であればほとんどの人が気になる事案であった。
SSランク級冒険者の実力は天才級であり、当人同士で戦わせるわけにはいかない。
そこで、冒険者ギルドはダンジョンで魔物を殺すためという理由並びにSSランク級冒険者の順位をつける意味も込めて、ダンジョン探索で一番強い魔物の死体を持ってこれたら一位!という風な制度を設けたのである。
自分の力に絶対の実力を持っているSS級冒険者たちは自分たちのランキングをつけるということにも肯定的で、順位を決めるためにSSランク級冒険者は律儀にこの時だけは集まるのである。
「さて、と」
僕は一人でダンジョンの地面に立つ。
マキナとミリアはおいてきている……せっかくやるのだ。
僕は圧倒的な差を見せつけて一位に君臨するつもりである。
「行こうか」
僕は足を持ち上げて、下に振り下ろす。
ダンジョン全体震えて揺れ、僕の足元に底を見ることのない巨大な穴がぽっかりと空く。
「よっと」
僕は地面を蹴って下へ下へと落ちていった。
■■■■■
346階層。
僕はそこまで自分で開けた穴より降りてきた。
「んー。やっぱりここが限界かぁ……」
ダンジョンとは最下層にいる邪神の力によってできた場所であり、邪神に近くなればなるほどダンジョンの魔物も、床も強大になっていく。
僕が一踏みで行けるのは346階層までだった。
「よし、っと!!!」
一回じゃここまで。
だが、二回目であればまだまだぶち抜ける。
僕はどんどん床をぶち抜いてダンジョンへと降りて行った。
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