第50話
マキナとミリアを引き連れ、いつも通りに私服で冒険者ギルドへとやってきた僕。
そんな僕を冒険者ギルドで待っていたのは完全武装で、自身の冒険者パーティーを率いているSS級ランク冒険者の方々だった。
「あれ?僕が一番遅かった?」
冒険者ギルドへとやってきた僕は口を開く。
「そうよ!一番の後輩なら一番早く来なさいよ!!!それに、その服装は何?ダンジョンを舐めているのかしら?」
やってきた僕に嚙みついてきたのはニンニアだった。
「だから、僕の背後を取るのはやめてくれないか?ノーネーム」
僕はニンニアを無視して相変わらず僕の背後を取ろうと躍起になるノーネームのほうへと意識を向ける。
「くくく……やはり簡単には背後を取らせてはくれませんか」
「あたり前だ。お前のような奴に背後を取られるほど僕は弱くはない。舐めるなよ?」
僕はノーネームをにらみつける。
「言っておくが……僕はお前についてよく知っている。裏については、お前よりも精通している。僕はノーネームを知っているぞ」
「……ッ!!!」
僕は目の前にいるノーネームのトラウマへと土足で踏み込んでいく。
「ど、どこで……!?」
「あれに会う場所に僕が行くかよ。向こうから僕のほうに来るんだよ」
「お、お前は一体……何者で……」
呆然としているノーネームの脳内には様々な僕の正体についての憶測が走っていることだろう。
だが、その中にアルビナ帝国皇帝の名はないであろう。
本物の『ノーネーム』とアルビナ帝国皇帝帝国は相反しているがゆえに。
誰もわからない……誰も恐ろしくて理解できないだろう。
表の頂点たる皇帝と裏の頂点たるノーネームがともに手を取り合っているなど。
「ちょっと!!!何私を無視しているのよ!!!」
「……」
僕は怒りを抱き、にらみつけてくるニンニアへと視線を送り、耳元にまで近づく。
「泣き虫おもらし」
「ふへぇ!?!?」
彼女にしか聞こえない程度で告げた僕の言葉は彼女に驚愕を抱かせるには十分すぎた。
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