第27話
「それで?この後どうする?」
泣く泣く帝城へと帰ってきた僕とマリーは僕の部屋でこれからどうするかを話し合っていた。
「帝城で何かする?それともまた変装して街へと向かう?」
「街へと向かいたわ」
僕の言葉に対してマリーが即答する。
「おっけー。じゃあ街の方に向かおうか」
「うん!そうしましょ!平民たちの恋人って市場に出て買い物デートをするんでしょ?私、それをやってみたいのよ!」
マリーは超人的な強さを持っているわけじゃなく、少人数で街に出かけるという経験はないのであろう。
世界最大の警備である僕がいる今日が例外なのである。
ちなみに最大警備が本来必要なはずの皇帝の護衛は基本的に0。フラッと出かけても何か言われることはない。
圧倒的な強さを持っている皇帝が負けるような相手が入ればアルビナ帝国の総力を持ってしても勝てないだろうという判断からだ。
「じゃあ、また変装しないとね。わかっていると思うけど、最初のときと別の変装。それも更に凝った変装をしないと駄目だからね?」
「えぇ!わかっているわよ。そのくらい。ふふふ……ただの道草にしか見えないように変装してみせるから
「がんばって」
ちなみに皇帝である僕の美しさはどう変装しても打ち消せない。
特殊メイクでもない限り無理で、この世界に特殊メイクの技術など無い。
僕の出来る変装は地味めなイケメンになることだけである。世界の頂点に君臨する一族の美貌はありとあらゆる常識を超越しているのだ。
ぶっちゃけうちの一族は無能でも見た目だけで皇帝として君臨し続けられると思う。
たとえ同性であっても魅了するからね。
「皇帝陛下。捕らえた者らの処罰はいかが致しましょうか?」
マリーが僕の部屋から出ていった後、暗部である男が僕の前に現れる。
「あー。今日は非番だから。明日決めるよ。一応父親も捕らえて牢屋にぶち込んでおいて」
「ハッ」
僕の言葉を聞いた暗部の男が頷き、姿を消す。
暗部へと指示を出した僕は最初のときよりも念入りの変装を施して街の中へと向かった。
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