第24話
「何をやっているんだ?お前は」
僕は平然と当たり前のように立ち上がり、マリボリに対して言葉を告げる。
「な、何をッ!?」
それを前に酒場にいる他の大人たちが驚愕の声を漏らす。
「オイオイッ!お前さんさぁ……いってぇ誰に口聞いているのか?わかっているのか?ァ?ガキが」
そんな僕に対して……当然のように近づいてくるガラの悪い男。僕が皇帝陛下だとは露にも思っていないだろう。
吐き捨てるように告げられる男の言葉。
「マリボリ……だったか?これは貴様の意見か?」
「……殺してやれ、一体誰に逆らったのか……思い知らせてやれ」
忌々しそうに吐き捨てるマリボリ。
そして、それを聞いたガラの悪い男が動き出す。
「あぁ。まったくもって同じ意見だとも」
だが、僕とガラの悪い男には絶対的な力の差が存在する。
ゆっくりとガラの悪い男が動いている間に僕は目の前に立つガラの悪い男へと膝蹴りをぶち込み、意識を一瞬で消し飛ばす。
「一体誰に……逆らったか。その骨の髄まで叩き込んでやろう」
「は?お前……何を言っているんだし!ムカつくんだよ!」
完全に殺意を向け、殺す気満々で睨みつけてくるマリボリ。
「お前ら!やってしまえ!」
マリボリの命令と共に動き出す看板娘ちゃんを囲んでいた男たちが僕の方へと迫ってくる。
「止まれ」
僕はそれをたった一言で止める。
皇帝とは……何もかもが違うのである。他者とは存在の格のレベルが違うのだ。
僕の一言は彼らの本能を刺激し、その命令に従う。
「我を誰だと思っての狼藉か」
僕はゆっくりと歩き出し、かつらとコンタクトを取る。
「あ……あ……あ……」
マリボリは僕の姿を見て体を震わす。
「我は王。アルビナ帝国第100代目皇帝……その人であるッ!」
僕の名乗り……それを前にこの場にいるマリー以外の全員が固まる。
「我は決して無慈悲ではない。貴様の一族を処刑したり、だが、お前は殺す。覚えておけ」
僕はそう言った後、マリボリの腹に膝蹴りを入れ、意識を消し飛ばした。
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