第23話

「おまたせ致しました。ご主人さま。紅茶にございます」


「ん。ありがと」

 

 薄暗い地下の奴隷商の一室で。

 僕はミリアの淹れてくれた紅茶を嗜んでいた。いつの前にメイド業を極めたのか、実に美味しい紅茶を淹れてくれる。


「ふむ……良い腕だ。素晴らしい」

 

 僕は満足げに頷き、紅茶をすする。

 しっかりと菓子も僕が持ってきたので、良いティータイムとなっていた。


「それで……?現状話はどこまで進んでいるの?」

 

 ミリア。

 彼女に僕が命令したことは簡単で、戦えそうな奴隷たちを集め、小規模な軍事小隊を作ること。

 僕は王として君臨するための手駒を欲しているのである。兵隊が少しでも居ないとお仕事出来ないからね。

 僕が目指すは暴力革命なのだから。


「ハッ。私が来る以前に見込みのあった奴隷たちは既に集められて戦いの訓練を開始しているという状況にございました。その後、私が己の瞳で特別な歳を持った人間を選別、訓練してまいりました」

 

「なるほど……どうやら順調に進んでいるみたいだね」


「はい。何も問題なく進んでおります」

 

「そうか。それなら良かった……じゃあ、さっさと次の段階へと進んでいこうか」

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