第21話
「……不穏な動きを見せているダンジョン……ね」
僕はギルドマスターの言葉を聞いて、口を開く。
「ァ?やはり、何か心当たりはあんのか?」
「ん?そりゃあるけど……ちゃんと潜っていればそれくらい気づくよ。当たり前でしょ?」
「まぁ、だろうな……んで?なんか良い感じにわかることはあるのか?」
「関わりたくはないなぁ……という感想を抱く感じだね」
ダンジョンに感じる不穏な動き。
僕は心の底からそれに関わりたくないと思う……絶対、面倒になること間違いなしだ。出来るだけ関わりたくない。
「おいおい。冒険者が関わりたくないとは言うとか良いのかァ?ん?」
「別に僕はそんな真面目に冒険者やっているわけじゃないからね」
「……そうかい」
僕の言葉。
それを聞いたガンジスは何かを察したのだが、それ以上突っ込んでくることはなかった。
SSランク級冒険者たちは直感が異様に優れている。
何かこちらに事情があることをなんとなく察したのだろう。
「……やはり君は原因究明には動き出してくれないか」
「まぁ……そうだね」
別に僕がここで積極的に動く必要はない。
SSランク級冒険者であるガンジスも居るのだし、僕は放置でいいだろう。
手合わせした感じ、ちゃんと強いし……なんとなくの直感的にまぁ、いけるんじゃないだろうか?いけないんじゃないんだろうか……?という感じなので、まぁ、マーベスさんやスキンヘッドもいるし、なんとかなるだろう。
「じゃあ、これらの件はガンジスに任せ、僕は暇を貰っても?」
「あァ。俺に任せてけ。もとより頼ってなかったからなァ。俺になんかあったときの保険として頼むが、それ以外は俺に任せてもらって構わない」
「そ。ありがと。じゃあ、任せたよ」
僕は席から立ち上がる。
「あぁ。そうだ。僕のなんとなくの直感によると、多分ダンジョンの構造ごと変えてくるような怪物だと思うから気をつけてね。それじゃあ」
僕は最後にアドバイスだけ残し、この会議室から出ていった。
多分途中でぶっちされて怒っているマキナが居るはずだ。その機嫌を治すのにかなりの労力が必要になってきそうである。
一体何のために僕はここに来たんだ……?
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