第18話
「よっこいしょ」
僕はその場を跳躍。
ガンジスの振るう大剣を開始、未だにふさふさの頭に乗っかる。
「おー。背高いなあ。景色が高い」
そのまま座り、足でガンジスの首を組み、締め付けながら僕は呑気な声を上げる。
「……ぐっガァ!!!」
ガンジスは大剣の軌道を強引に修正し、僕の方へと向けてくる。
かなりの強さで首を絞めている……これでも問題なく動き、戦うガンジスの力はSSランク級冒険者にふさわしいものがあるだろう。
これをマーベスさんやスキンヘッドの大男にしたらいとも容易く首を折ってしまうだろう。
「ほい」
僕は足を組んだままくるりと回転して大剣を華麗に避ける。
「ぬぅん」
それを見たガンジスの反応は実に早かった。大剣を投げ捨て、両手を使って僕を捕まえようと腕を伸ばす。
『神より宿し天命』を起動している方がステータスの上昇幅が高い。
流石に起動しているSSランク級冒険者に起動してない僕が捕まれば、エレガントに圧倒的な力でねじ伏せることは難しくなるだろう。
あまり捕まりたいものじゃないかな。
「ふぅー」
僕はその腕から逃げるように地面へと降り……。
「来いっ!」
地面へと降り立ったことを確認したガンジスは再び大剣を手にする。
だが、大剣を再度自分の手元に出現させ、それを振るうよりも僕が動き始める方が遥かに早い。
「せいッ!」
全力でガンジスの股間を蹴り上げた。
「おぅふ!?」
圧倒的な力を持つSSランク級冒険者。
そんな彼であっても金玉を上げ下げする機能しか持たない超重要で敏感な神経の固まりである金玉を蹴られてはひとたまりもなかったのか、たった一発で蹲り、白目を剥いてぶっ倒れた。
「「「うわぁ……」」」
僕の蹴りを見て、今まで青ざめた目で見ていた冒険者やギルド職員並びに楽しそうに歓声を上げていた民衆の男諸君は金玉を蹴り上げられ、蹲ったガンジスを見て悲痛な声を漏らした。
「ふん。たとえ、高ランク冒険者だろうともこの街での狼藉は僕が許さねぇ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます