第19話

 酒場のマスターと簡単な商売についての話をした次の日。

 僕とマキナはランクアップ試験の結果、どのランクになったか。それを聞くために冒険者ギルドへとやってきていた。


「お待ちしておりました。アル様。マキナ様」

 

 受付嬢さんが僕たちの方へと視線を向け、一度頭を下げる。


「先日のランクアップ試験の結果について聞きたいのですが……」

 

「えぇ。先日の試験についてですね。結果はBランクへの昇進となります。Aランクへと昇級するには冒険者ギルドより己の功績が認められる必要がございます」


「なるほど」

 

 僕は受付嬢さんの言葉に頷き、Bランクと掘られた冒険者カードを受け取る。

 

「「「……ッ!!!」」」

 

 Bランク。

 その言葉を聞いた周りの冒険者たちが驚愕し、席を立つ。

 

「おぉーッ!私と並んだね!まぁ、その実力なら当然のことだと思うんだけどね!」

 

 Bランク昇級。

 それを聞いたマキナが僕に拍手してくれる。


「ありがと」

 

 Bランク昇級。だからと言って何か変わるわけではない。待遇が変わるわけでもないし、何か貰えるわけでもない。


「良し。昇級も受けたし、ダンジョンの方に行こうか」


「うん!そうだね、目指せ60層!……頑張るのは私だよね。うん!」


「まぁ、僕がやろうと思えば一瞬で倒せちゃうからねぇ……おんぶ抱っこ状態はあまり好ましいものではないからね」

 

 僕はだらだらマキナと会話しながら、冒険者ギルドから退出する。

 つい最近冒険者登録したばかりの無名の男がBランクになったと驚愕している冒険者たちを残して。

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