第4話
リューエス王国。
超大国たるアルべナ帝国の東方に位置する国家であり、この国家の最大の特色は国家に管理されていない、傭兵組織とも言える冒険者ギルドに所属している冒険者の数が多いということである。
冒険者はどんな身分の『人間』であってもなることが可能であり、一般市民が成り上がる手段として最も有効的な手段であると言う事ができるであろう。
「ここが私の暮らしている街よ」
恐怖による腰抜け状態を脱し、ちょっとだけ川の方へと寄った僕が助けた少女、が今目の前にある街、アーレス町へと入る門の前で口を開く。
ちなみにちゃんとごちそうさました。
「ここにはダンジョンがあって、世界で最も冒険者の居る街なんだよ!何の身分も持っていない、明かせないアルでもここなら成り上がることも簡単だと思うよ!」
マキナは僕を偽名で呼び、そう話す。
彼女には偽名を名乗り、身分は明かしていない。隣の帝国から追放された第三皇子!だなんて名乗れるはずがない。
ダンジョン。
それはリューエス王国のアーレス町にのみ存在している物理法則を完全に無視した空間で、中は無限の広さを持っていると言われ、そこには多くの魔物が生息している場所。
魔物の素材は頑丈で、様々なことに活用することが可能であり、冒険者たちは魔物を殺し、その素材を売ることで生計を立てている。
多くの魔物がいるダンジョンは冒険者にとって最高の場所なのである。
「ありがと。アーレス町まで案内してもらって助かったよ」
僕はこの街まで案内してくれたマキナへとお礼の言葉を口にする。
「良いの。良いの。このくらい。助けてもらった恩を考えればこんな程度じゃ全然足りないよ!」
「そう。……それじゃあ、冒険者ギルドにまでの案内をお願いしちゃってもいいかな?僕、この街のことをよく知らなくて……」
帝国のことならわかるのだが……他国のことまで知ることはできなかった。
「えぇ!大丈夫よ。私に任せて。しっかりと案内してあげるから!」
「ありがと」
「これくらいお安い御用だよ!どうせこの後私も冒険者ギルドの方へと向かうしね。全然気にしなくていいよ!」
「そう……。ありがと」
僕は簡単な検査をした後、アーレス町に入り、冒険者ギルドの方へと向かう。
「ここよ」
しばらく歩いていると、街の中心部に建てられている頑丈そうな建物へとたどり着く。
「なるほど。ここが冒険者ギルドなのか」
「そうだよ!……中に入ろうか!」
僕とマキナは共に冒険者ギルドの中へと入っていった。
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