第2話 真面目な加藤ちゃん

(放課後)


「加藤さん、まだやってるの?」


(……………ガッチャン、ガッチャン)


「お〜〜い!僕も手伝う?」


「頼まれたのは私だし、いいわよ」


(ガッチャン、ガッチャン、ガッチャン)


「はぁ……プリント半分貸して」


「っ!なにするのよ」


「だってこの量を1人で止めるのは、相当時間かかるよ?」


「別に約束してる訳じゃないし、先に帰ってればいいでしょ」


「いつも一緒だから、やだ」


「三竹くんは子供なのかしら?」


「じゃあ、加藤さんが僕の母親?うれしいな」


「私は全然うれしくない」


「なんで?」


「…………………こどもだと思えないからよ」


「ごめん、聞こえなかったから。もう1回言って」


「なんでもよ!」


「ふふ、加藤さんはかわいいね」


「なによいきなり!?」


「?かわいいなって思ったから、言っただけ」


「ほんと。三竹くんってずるいわよね」


「ほめてくれたの?ありがとう」


「どこを聞いたら褒めてるように聞こえるか、教えて欲しいわ」


「えぇ?…………………でも、僕も。加藤さんを母親だとは思えないな」


「聞こえなかったからもう一回言ってくれない?」


「んー?ありがとう?」


「そこじゃないわよ!わざとやっているのかしら」






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