三竹くんと加藤ちゃん

枝咲

第1話 ぽんこつ三竹くん

(朝)


「あ、教科書。忘れた。」


「もう〜〜!!またなの?教科書以外は?」


「書くものも、忘れた。」


「はぁ……今日は何を間違えて持ってきたの?」


「こんにゃくと、辞書」


「ばかなの?辞書はまだわかるけど、こんにゃくをどうやったら筆箱と間違えるのよ」


「僕の筆箱四角くて柔らかかったから、つい」


「はぁ〜〜〜〜〜〜〜〜私があなたに勉強で負けてるとか。ほんと信じられない」


「不思議だね」


「あなたに言わたくないわよ!!とりあえずハイ、これ」


「くれるの?ありがとう佐藤さん」


「あげないわよ??今日だけ特別に貸してあげる」


「加藤さんはいつも僕にやさしいね」


「はいはい。机もくっつけなさい、見せてあげるから」


「いいよ別に、教科書なくても覚えてる」


「……………毎度のことながらなんでそういう所は無駄に記憶力いいのよ」


「さあ」


「ほんとむかつく。でも、せっかく来てるのにサボってると思われたら嫌でしょ?」


「まあたしかに、なんか加藤さん顔赤い?」


「それは三竹くんのせいよ」


「僕のせい?」


「そう。私に毎回手間をかけさせる三竹くんのせい」


「ふふ、いつもありがとう」


「……………どういたしまして」


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