002 素数
「落ち着くために素数を数えなきゃ」っていうシーンあるじゃないですか。二、三、五、……、と数えて落ち着くことを狙うものですよね。実際やってみると、最初のほうは覚えているので難なくいえるんですが、途中から、僕の場合であれば五十を超えたあたりから難しいと思ってしまうんですよ。本当にこの数がほかの素数で割ることができないのか、ということを考えて、計算したうえで数えなければ確実に素数を言うことができないわけなんですよね。特に五十一と五十七の素数感ってひどいもので、五十七なんかは数学者ですら間違えたことがあるらしいとまで言われてるんですね。
何の話かって言うと、五十七が素数ではないというのは最近出てきた話なんですよ。僕が小学生や中学生の時には素数って習っていたので、件の数学者は間違えていないと思っています。時代が変わったんですよ。
実はこの話を数少ない友人たちにもしてみたんですが、どうも怪訝な顔をされるんですよね。しかも、そのうちの一人には、「近づくな」とまで言われてしまって、ほとほと困っているんですよね。僕何かしたっけな。全く身に覚えがない。
そうそう、そういえば世界地図も少し違ったし、四十八都道府県じゃなかったし、どうもいくつか僕が知ってる世界と違うんですよね。この前枕カバーを選択しようと思ったら六芒星と「飽きた」と書いてある紙を見つけて気味が悪くなりまして、周りがおかしくなっていて本当に困っているんですよ。自分の常識が通じないって本当につらいですね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます