第0.4話貴方のためにと造り上げられた血肉の匣
【食物連鎖】
人であれば、必ずは脳裏に置いておかねばならない事柄だ。
人でなくとも食物連鎖は、絡み合い離れることの無い三大欲求のひとつに構築を成されている。
食物連鎖に疑念を抱くなら、自分がどの立場にいるのか改めて知る必要性がある。
無知は存在を孤立させる。
少しでも周囲の状況を知るものが
博識であれば、
見解を深めれば、
天才的であれば、
【食物連鎖】について示唆する価値のある存在になれるのだ。
だから僕は知らねばならない。
天才は努力で生まれるものと、
天性の天才とで未知に踏み込む道は枝分かれしているものだ。
僕は天才ではないし、努力を重ねるほどの時間が残っていない。
元来人魚とは不死の御業と不治の妙薬を持つと言われるけれど、純粋な血族の正しい在り方で生った魚人では無い僕は、魚人らしくも魚人に近づけない半端な存在だ。
果たして、半端な僕は食物連鎖に組み込まれるのか。
頂点に君臨し続ける【人類】と呼ばれる資格が僕たちにはあるのか。
思いきれないし、
想い続けられない。
僕は運が良かっただけだ。
運に拾われただけだ。
拾われた運命にできる限りを抗いつつ役割を全うするのみ。
君はどうあるべきでその役割を遂行するの?
足りない頭でもその重役に適した君に皆期待してるんだ。
輪廻に囚われ、大地の枷が君を捉えて離さなくても、
君こそが憎たらしいまでの天災なんだから、行動で示せよ。
鉱隻春蝕の
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