第48話 転校生は、魔獣少女
魔獣少女同士の戦いに終止符が打たれた、翌日のことだ。
わが校に、メカクレおかっぱ美少女が転校してきた。
「オレサマの名は、
バロール先輩は、わたしの親戚を騙って転校してきた。
見た目こそわたしそっくりなのだが、雰囲気は陽キャそのものである。鏡を見ているみたいでキモイ。
みんなも、わたしと先輩を見比べて戸惑っている。まず、バロールという名前を気にしようね。
しかも、転校してきたのはバロール先輩だけではない。
「
赤毛ゆるふわ縦ロールのお嬢様が、教壇で頭を下げる。
「俺は
腕を組みながら、銀髪ミニスカートの少女があいさつをした。
フェニックスにヘカトンケイルと、他の魔獣まで人間として転校してきたではないか。
サマエルは、イヴキさんを三つ編みにした感じだ。
ヘカトンの見てくれは、髪を解いたユキちゃんそのものである。態度はまったく違うが。
お昼休み、わたしたちは屋上に集まった。三人も追加メンバーが居るせいで、大所帯である。
「これがヒトエの弁当かーっ。うめえな!」
バロール先輩は購買の焼きそばパンと、わたしの卵焼きを交互に食べた。
「うめえ! やっぱり肉体があると違うなぁ!」
「マジだ。これが人間の食べているものなんだな!」
先輩とヘカトンケイルが、地球の食べ物に感動している。
「どどど、どういうことなんですか先輩!?」
「追放だ」
魔獣少女バトル解散の責任を取らされ、ほぼ関係者全員が魔界を追い出された。
マナさんのユニコーンと
「まあいいさ。オーディンのヤロウは地獄行きだしな」
結局、オーディンは許されなかったらしい。蘇生すらさせてもらえず、一生冥界、日本で言う地獄へ落ちたという。
「あのヤロウが魔界からいなくなって、清々した。今までの戦乱を作り出していたのは、やつだったからな」
ヘカトンケイルが、してやったりという顔になっている。スカートであぐらをかくのは辞めた方がいいって。
「あなたは、死ななかったんですね?」
「魔獣そのままで蘇生はムリだった。けど、人間になって前の力を失うってんなら蘇らせてもいいって言われたからな」
速攻OKを出し、この地に降り立ったという。人間として。
氷皇高校からメールが来た。ドラゴンとケツアルカトルが、転校してきたとか。
「面白そうじゃん。見に行こうぜ!」
わたしたちは、放課後にモールのフードコートで会おうとメールした。
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