8:51


「うわぁぁ!!」

 ドガッと床に叩きつけられた。


 場所は……あたりをみると、そこは見慣れた教室の後ろ側だった。それで、皆が振り返って俺を見ている。


「た、高崎か? また遅刻かね」


 教壇に立っているのは副担任で、数学の先生——大垣先生はあまり厳しくないから助かる——がチョーク片手に、すこし驚いた感じで言った。


「はぁ、はぁ、はい……」

「おいおい、大丈夫か?」

「ええ、はぁ、死ぬほど全力で走ってました」


 教室がドッと笑いに包まれ、大垣先生はあきれたように首を振った。 


「いいから席に着きなさい。授業の続きに戻るぞ」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る