リューマ族の一家

乗合馬車にてー日記(破棄)


 ○月○日――。


 馬車の中。

 なんだか落ち着かず。


 とにかく……腹が減った。

 こんなに腹が空くということが、あるのか?

 学び舎は退屈なところだったが、時間になると食事が出た。今から思うと、なんて便利なんだろう?

 ああ、大失敗だ。自分で用意しないと食べられないとこいうことに、気がつかなかった。

 何か書かないと、気がまぎれない。

 気を紛らわすために、この日記を書いている。

 でも、頭に浮かぶのは、食べ物のことばかりだ。

 向かいの子が食べているパンが欲しい。

 ただのライ麦パンなのに、なんて美味しそうなんだ!

 ああ、腹が減った。腹が減った。腹が……。


 ●●●★

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