君と僕
翠嵐
どうせ、また。
いつまで君は僕の心に居座るんだい?
…別に邪魔じゃないんだけど、さ
もちろんわかってる。それは君のせいじゃない、死者を忘れてやれない僕のせいだ。
でも、本人を忘れて美化するのが礼儀だなんて誰が決めたんだろう。それを問いたくてね。
世界には、死者を火葬するのがルールの国もあるらしい。
だから、これは僕のマイルール、エゴだ。
『魂だけを留まらせる』
世間ではこれを禁忌と言うらしい。なんでだろうね。
好きを好きと言ってなにが悪い。
僕はこんなエゴに塗れた人間だ。もしかしたら君は、どうして今になって?とか、そんな人じゃないはずとか、言ってくれてるのかもしれないな。
君の前では頼れる人でありたかった
―ただそれだけさ。
たとえ六道を巡ることになろうとも、どうせまた君以外愛せないんだ。
少しだけ我儘でいさせてよ
巡り巡って君にとどく事を願って
僕の愛する君に
「…なに書いてるんだろ、僕」
「僕」の行方は杳として知れず、二度と人に会うことはなかったという。
君と僕 翠嵐 @suiran-24
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