第17話 おまたせ
第3層、“隠し部屋”
そこに幸か不幸か、【ホブゴブリン】を狩りにきたパーティー、そしてその中に参加しているレアアイテム狙いの
「がっ──!」
パーティーの
(そんな! どうして!)
「そいつを離しやがれええ!!」
パーティー内で
「……」
もう一人のナイフ使いの男性はすでに倒れ、地面に伏している。
(こんなに、強いの……?)
自身の
「「グウゥウゥゥ……」」
(【ゴブリン】!? しっかりと追い払ってきたはずなのにもう湧いてきたっていうの!?)
華歩が焦るのも無理はない。パーティーは【ホブゴブリン】に健闘した方だが、全体的な火力のなさから
(お願い。お願いだからこっちに来ないで……)
【ゴブリン】はすでに獲物としか見ていない華歩に徐々に近付いていく。
かろうじて立っている華歩を警戒しているのだ。
だが、警戒よりも性欲が
──グゥゥオァアァァ!
華歩は杖を強く握り、ぎゅっと目を
「かーくん!!」
どうしてその名を呼んだのかは分からない。もしかすると、ふと昔のことが脳裏に浮かんだのかもしれない。
来るわけがない。しかし、そんな場面で来るのが勇者である。
「嫌な予感したんだよね」
「!」
華歩はその声を聞いてゆっくりと目を開ける。
開いた目はすでに【ゴブリン】を斬ってこちらを向いている少年の姿を捉え、やがて潤いで
「なんでまたいるのか分からないけど……おまたせ?」
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