第15話 パラメータ

 朝、登校の時間帯。下駄箱でたまたま華歩かほはち合わせる。


「「!」」


 一瞬目が合ったが、すぐにふいっと逸らされた。まあ、昨日あんな別れ方をすればなあ。


 昨夜、寝る前に華歩が怒っていたことについて考えてみたけど、結局納得のいく答えは出なかった。そもそも、華歩がダンジョンにいたことも不思議だ。彼女からダンジョンについての話も特に聞いたことないし……。

 うーん、わかんないな。








「よーし! 今日も張り切っていこう!」


 今日も放課後は夢里と共に狩りをする。彼女とパーティーを固定して今日でちょうど一週間だ。


「そういえば、かけるレベルアップしてるんじゃない? 【ホブゴブリン】は経験値おいしいし、私もレベルアップしてたよ」


「あーたしかにそうかも。目の前のことに夢中で全然気が付かなかった」


「私も目の前の事に夢中でね。昨日の夜たまたま確認したらレベルアップしてたんだよ。かけるも多分してるんじゃないかな。確認してみたら?」


 【ホブゴブリン】は第2層にいていいレベルではないしな。

 まあ、とりあえず言われた通り<ステータス>を開く。



<ステータス>

天野あまの かける


職業 “???”

アビリティ:???


<装備>

【スライムソード】【スライムシールド】【毛皮のマント】


レベル:3


HP :121/121  ↑11 

MP :18 /18   ↑5

筋力 :9(+3)    ↑4

敏捷力:9        ↑6

耐久力:8(+6)    ↑5

運  :18       ↑8

魔力 :16       ↑7

 ・

 ・

 ・



 やば! めちゃくちゃ上がってる! 


「ほうほう、やはり良い顔しますなあ」


 ニヤニヤした夢里が下からおれの顔を覗いてきている。


「なっ、なんだよ」


「やっぱりレベルアップは嬉しいよねえ。顔に出てるよ」


「~~! もういいだろ、いくぞっ!」


「あらあら照れちゃって」


 なかば誤魔化すように<ステータス>を閉じたが、やはりだ。

 やはり全パラメータが上昇している。夢里が言うには、運が良くて3項目上昇するのみらしいが、一体どうゆうことなんだろう。







 一方、翔・夢里パーティーの少し先。


(今日こそ絶対にを手に入れてやるんだから!)


 パーティーの中に混じり、またもや第3層へと足を踏み入れる華歩の姿があった。

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