第13話 第3層で
「ふう……」
二人で魔物からドロップしたアイテムをストレージに入れる。
第3層。おれのパラメータの低さから<スキル>が思ったように使えないこともあり、予想よりは強かった。でも、まあ負けない。使いこなせる<スキル>を確認しながらでもまだ余裕がある。これぐらいならどんどんと奥へ進めるだろう。
問題は
第3層入口には
「夢里、大丈夫か?」
「へっ、な、なにが? 全然、余裕だし!」
ノースリーブから出ているその細い腕で力こぶしを作るが、あまり膨らんではいない。
彼女の表情からも少し不安が見える。この状態ではよくない。戻らないにしても、もう少しこの辺で慣れる必要があるな。
「夢里、もう少しこの辺で──」
──きゃあああああ!!
「「!」」
なんだ!? 遠くから女の子の叫び声のようなものが聞こえたおれたちは、互いに顔を見合わせる。
だが、夢里はこの先進めるのかという心配もある。が、彼女は真っ先に動いた。
「行こう! 翔!」
「! うん!」
「大丈夫か!」
声のしたところへ到着したと同時に状況判断をし、おれより少しデカい
【ホブゴブリン】か!? 【ゴブリン】ならわかるが、その強化種がどうして第3層なんかに!
女の子はその杖で攻撃を抑えていたようだったが、危なかった。ゴブリン種は性欲が強く、女性をそういった目的で襲う。一歩遅ければ悲惨なことになっていたかもしれない。
「下がってて! 夢里はその子の側に! 周りにも【ゴブリン】がいる!」
夢里に指示し、その子の前に立つ。すると後ろから震えた声で、
「かー、くん?」
その声。それに、友達のいないおれにそんな名で呼ぶ人は一人。
「
おれが華歩の声に気をとられ、後方を振り向いた瞬間、
「翔! 前!」
【ホブゴブリン】が
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