第47話 夜3 全力でお相手差し上げます
薄い上着を羽織った丈の長い茶色のスカートを履いた少女――リア・グレイシアが、おぼつかない足取りで立ち上がり、右手で頬を拭う。
真紅のワンピースドレスを着た金髪のお嬢様――マリエッタ・ロードネスが、鞘に収めた腰につけたショートソードのベルトを外す。
真紅のワンピースドレスを着たマリエッタは、腰から外した鞘に収めたショートソードを右手に持ち、立ち上がったリアに投げつけた。
丈の長い茶色のスカートを履いたリアは、回転しながら宙を舞うマリエッタから投げ渡されたショートソードを、顔の前に上げた左手の掌で掴んだ。
真紅のワンピースどれを着たマリエッタが、正面で短剣を構えて距離をとり対峙する眼鏡を掛けて黒白のメイド服を着た女――メルと、黒白のメイド服を着た黒い髪のセミロングの女――エルから、警戒して視線を外さず、リアに言った。
「急ごしらえですが刃こぼれはありませんわ。耐久性も問題ないので思いっきりやっても大丈夫でしてよ」
丈の長い茶色いスカートを履いたリアが、ショートソードの柄を右手で握り、鞘を左手で掴んで引き抜いた。
ショートソードの切っ先を、正面のメイド服を着たメルとエルに向け、構えた。
両手に短剣を握って構えるメイド服のメルとエルが、真紅のワンピースドレスを着たマリエッタと、丈の長い茶色いスカートを履いたリアに向かって飛び出す。
真紅のワンピースドレスを着たマリエッタは、左手に持った白い鉄扇を、虚空に振って声を発した。
「ウィンドリフレクション!」
その場から飛び出したメイド服のメルとエルは、目の前に現れた風の壁に押され、腕で顔を防ぎ堪らず後ろに飛んで後退する。
すぐさま真紅のワンピースを着たマリエッタが、剣を構える丈の長いスカートを履いたリアと、うつむいて床に跪いたままの青い貴族服を着た青年――ジャックス・レイモンドに向けて右手を掌をかざして魔法を発動した。
「イリュージョンガード」
真紅のワンピースドレスを着たマリエッタの右手の掌から紫色の魔方陣が発現し、それがクルクルと回転した後、丈の長い茶色いスカートを履いたリアと、青い貴族服を着たジャックスの身体が紫色の光に覆わた。
リアとジャックスの身体を覆った紫色の光がすぐに消える。
「お二人に幻惑魔法耐性の魔法をかけましたわ。因みにオクターと私にはすでにかかっているのでご安心を」
真紅のワンピースドレスを着たマリエッタが続ける。
「この前とは逆でいきますわ。リアは先に突っ込んでこない眼鏡の方をお願いしますわ。あっちは気配が散って厄介ですの」
丈の長い茶色いスカートを履いたリアが頷き、ショートソードの切っ先を、短剣を構えて対峙するメイド服を着たメルとエルに向ける。
真紅のワンピースドレスを着たマリエッタが、右手の掌を地面に向けて声を発する。
「ファイアウィップ」
地面に向けた右手の掌から燃える炎が出現し、真紅のワンピースドレスを着たマリエッタはそれを掴んだ。
右手に掴んだ燃える炎が一本のロープのように長く伸びていき、地面に垂れ下がる。
マリエッタは左手に白い鉄扇を握り、右手に燃える炎のロープを携え口を開く。
「この前は街に被害が出ては困りますので煮え湯を飲まされましたが、この教会はちょっと特殊でして、どんなに叩いても、切りつけても、どんな魔法を使っても傷一つ付けられない場所ですわ」
真紅のワンピースドレスを着たマリエッタが、右手に掴んだ燃える炎のロープを振った。
右手に掴むロープのように長い燃える炎が、鞭のようにしなり地面を叩く。
ドーン、と物凄く重い衝撃音と共に地面が揺れる。
鞭で叩かれた床には傷一つついていない。
「……ですので、今回はこのマリエッタ・ロードネスが全力でお相手して差し上げますわ!」
短剣を構えたメイド服のメルとエルが動いた。
黒い髪のセミロングのエルが、眼鏡をかけたメルを守るように前を行き、メルが先を行くエルの背後に隠れ死角に潜み、真紅のワンピースドレスを着たマリエッタに向かって走り出す。
「よろしくってよリア!」
「はい、お姉さま!」
短剣を両手に構えて走り寄るエルとメルに向かい、丈の長い茶色いスカートを履いたリアも、ショートソードを強く握り駆け出した。
走り向かってくるメイド服のエルに、真紅のワンピースを着たマリエッタが、燃える炎の鞭を左から右へ横なぎに振った。
長くしなる炎の鞭は更に伸び、燃える炎の鞭の先端部分が、黒髪でセミロングのエルの胸の前に届く。
メイド服のエルは両手の短剣で燃える炎の鞭を防いだが、すさまじい威力によりガードごと宙へ弾き飛ばされる。
黒髪でセミロングのエルの背後に隠れて死角を作り、短剣を構えて走っていた眼鏡を掛けたメイド服のメルの傍らに、ショートソードを振りかぶったリアが現れた。
丈の長い茶色いスカートを履いたリアは、振りかぶったショートソードでメイド服のメルの左脇を狙い、横からなぎ払った。
カキーン、と眼鏡を掛けたメイド服のメルが短剣を逆さにも持ち、胸の前でリアの横からなぎ払う剣を防いで止めた。
「必殺!」
叫び声と共に、丈の長い茶色いスカートを履いたリアが、更にショートソードをメイド服のメルの脇へと押し込んだ。
「なに⁉」
と、ガードごと押し込まれる凄まじいい力を受けて身体の重心が浮き、メイド服のメルの足が地面を滑る。
驚愕する眼鏡を掛けたメイド服のメルは、そのままリアのショートソードに押し込まれ、なぎ払う剣に巻き込まれるようにして後方へと吹き飛ばされた。
側廊の支柱の天井付近まで吹き飛ばされたメイド服のメルが、空中で身を翻し、支柱に両踵をつけて着地する。
眼鏡を掛けたメイド服のメルは、高い支柱に踵が吸着したかのように落ちてこない。
「くそっ、馬鹿力が……」
と、支柱に張り付いたメイド服のメルは吐き捨て、上からリアを睨みつける。
真紅のワンピースを着たマリエッタは燃える炎の鞭を手に黒髪でセミロングのメイド服を着たエルと、丈の長い茶色いスカートを履いたリアはショートソードを構えて見上げ、支柱に張り付く眼鏡を掛けたメイド服のメルと対峙し、上手くお互いに分断に成功し、戦闘を開始した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます