メンヘラ彼女のことをめちゃくちゃにしたいゲーマー女子
でずな
メンヘラちゃん
「あ、
「なに勘違いしてんの」
「え」
「あんたなんかよりゲームのほうが大切に決まってるじゃない。そんな……バカじゃないんだから、それくらいわかりなさいよ」
「で、で、で、で、でも私は彼女だもん! 1年前から付き合ってる彼女だもん! 毎日イチャイチャしてる彼女だもん!」
「はぁ〜……。彼女だからどうしたのよ。私がこのゲームと出会ったのは3年前よ? それに別に貴方と毎日イチャイチャなんてしてないわよ。勘違いも大概にしなさい」
「しょしょしょ……でも、私が彼女だもんね。そう。彼女だから明香里は私のもの。ふぅ。明香里は私のもの明香里は私のもの明香里は私のもの」
「いつから私が貴方のものになったよ。貴方が私のモノでしょ? いい加減にしなさい」
「はっはひぃ」
自分が思っていたことの反対のことを言われ、ぐちゃぐちゃになった顔。そこから臨んでる言葉を言った時の顔がたまらなく好き。
いつもこうやってからかっている。
最初告白してきたのはメンヘラちゃんから。会ったこともない私に対して、婚姻届けを渡してきたのでよく覚えている。いやメンヘラちゃんのことは、メンヘラちゃんが喋りかけてくる前から知っている。明確にはストーカーされている、と気づいていたから。この事実はもっと深い関係になってから。私のことをもっともっともっと好きになったら、最高のタイミングで暴露することにしよう。どんな顔をするのか考えるだけでキュンキュンしちゃう。
「明香里! 明香里! 明香里!」
「何?」
「明香里って私のこと好きだよね……?」
「それはもちろん好きよ。なんでそんな当たり前のことを聞くのよ。もしかして私のことを疑ってるの?」
「いっいや、その、あの、別にうううう疑ってなんかないの。けど、ね? 最近特に冷たいから新しい恋人を見つけて、私のことを捨てようとしてるんじゃぁないかって……」
「もぉ……私がそんなことするわけないじゃない」
「だっだよねぇ〜。ふへへ」
何故か私の気持ちを疑われたので、その潔白を完全に証明するため、二人で遊園地に行き、温泉に行き、キャンプに行き、海外に行き、と様々な場所へ二人で行った。
楽しかった。メンヘラちゃんの顔を崩すのも楽しいけど、それとはまた別の楽しさだった。
「ねぇねぇねぇ明香里。これか私が料理してもいい?」
「だめに決まってるでしょ……。貴方、この前チャーハンというゲテモノを作ったんだから。あれをちゃんと最後まで食べきった私の身にもなって」
「うぅ〜ん。じゃあ料理教えて! これから明香里には私がつくったのを食べてもらう」
「嫌よ」
「え」
今、色々あって私達は同居している。色々というのは私が住んでたアパートが火事になり、住む場所がなくなったから。新しい物件を探すのもいいけど、この生活も悪くないので住みついている。
私は以前まで、メンヘラちゃんのことをからかってその時崩れた絶望している顔が大好きだった。けど今は少し違う。
長い間一緒に住み、笑ったり、泣いたり、怒ったりする私にしか見せない表情が大好きになった。
メンヘラが面倒くさい?
「明香里。私、明香里のことだぁ〜いすき」
「私はそれ以上好きだから」
こんな可愛い彼女のことを面倒くさいだなんて思えない。
「ふへへ」
メンヘラ彼女のことをめちゃくちゃにしたいゲーマー女子 でずな @Dezuna
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
同じコレクションの次の小説
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます