第18話

 どこ行きやがった。

 探したが見つからず。もうここにはいないのか。ラタトスクを見た時にいた人物は。通りかかっただけ? 見たのはあの時だけ。ではスカビオサは。まさか未来を視ていた。いやいや、と頭を振る。

 邸周りだけでなく、範囲を広げて探すか。

「なに百面相しているんです。というか何をされているんです」

「おはようございます」

 アルーラに向かい、冷静に頭を下げる。

「それで、こんな所で何をされているんです。陛下は」

 玄関から少し進んだ廊下。

「まだ寝ているのでは。私は走って来ました。体がなまって、走りたくなって」

 昼寝したい。

「言ってくれれば付き合いましたよ」

「悪いですよ。シアの護衛があるでしょう」

「そんなもん、父に任せておけばいいんです。セレーネ様に悪い虫がつけば」

「つきませんよ。ついてもどれだけ目の悪い虫なんでしょう。か、何を考えている、魂胆は、と疑いますね」

 アルーラは小さく息を吐き、

「朝食にしましょう」

 用意されている部屋へ。

「セレーネ様、陛下は」

 レウィシアとセットなのか。部屋にはフィオナ、ガウラ、ダイアンサス夫婦、泊まっていた弟家族。

「まだ寝ているのでは」

「同じ部屋だろう。いつもは逆なのに、か」

 いつもはレウィシアが先に起き、セレーネは後。

「まさか別の部屋、なんて」

 アルーラとは視線を合わせず。

「考えればおかしいですよね。セレーネ様が一人で走るなんて。陛下が一緒じゃないなんて。何をやっているんです。いえ、何があったんです! どこで寝ていたんです。まさか陛下が別の部屋に」

 行くとしたら限られる。

「セレーネ様!」

「朝から元気ですね」

「何を呑気なことを。まさか陛下、あの女と」

「押し切られた。押し倒されましたか。既成事実さえ作れば」

「冷静に言わないでください!」

「何を言われた」

 ガウラの冷静な声。

「陛下か、あの女か。使用人や叔父が言うわけない。何を言われた」

 視線がセレーネに集まる。

「自分がいるから、王妃として相応しくないと。あのご令嬢から。確かめようにも部屋へは入れない。鬼気迫っていましたから。シアの口から出て行けと言われていないので、行っていません。そこは誉めてほしいですね」

「どこに誉める要素がある」

「それなら荷物を持って」

「出て行かないでください! 」「出て行くな!」

 大声を上げ続けていたアルーラは疲れた様子。

「呼びに行きます? あの方が扉に張り付いている。もしくは中にいるかもしれませんよ」

 ダイアンサスの妻と弟家族以外、うんざり顔。

「出てくるまで待ちましょう」

 諦めたのか、事実確認したくないのか。アルーラ達は部屋から動かずにいた。


 レウィシアが令嬢を張り付け、部屋に来たのは朝食がテーブルに並べられてから。アルーラ達は誰が様子を見に行くか相談していた。

「いた、のか」

 レウィシアはセレーネを見ている。

「はい?」

 眠れていないのか、疲れたように見える。

「昨日はどこにいた」

「昨日は町を」

「違う。夜だ。いたのなら、なぜ部屋に戻ってこなかった」

「なぜって」

 見たのはレウィシアの腕に張り付いている令嬢。

「お前か。またお前が」

「なんのことです。王妃様はその地位にいたくて、わたくしをめようとしているのですか。わたくしを利用し、ビタール王子の元にいたのを誤魔化そうと」

 なぜそうなるのか。

 レウィシアは目を閉じ、開けると令嬢をまっすぐ見た。

「ダイアンサス、予定変更だ。この者の父親が治める地へ行く」

 ダイアンサスは驚き、令嬢は大喜び。

「すぐに報せを送ります」とレウィシアから離れた。

「陛下、本気です?」

 アルーラは嫌そうな顔。

「悪事でもあばきに行くんですか」

 セレーネは冗談で聞いた。

「ああ、あの女にはもう、うんざり。親子共々引導を渡してやる」

 鋭い目つきに。

「哀れですね」

 セレーネは令嬢の出て行った方を見た。

「自業自得ですよ」

 となると、セレーネは。

「ここで留守番、ですか」

「ついてこい。一日あれば着く。朝食が済めば出る」

 先ほどの疲れた顔はどこへ。セレーネが席に着くと、レウィシアは隣へと腰を下ろした。

 あそこではないのか、と目で上座を示せば。

「ここでいい」

 となると、あの令嬢は。

「少しの我慢だ」

 レウィシアは穏やかな表情で、セレーネの右頬に触れた。

 戻ってきた令嬢は案の定、セレーネを睨み、それでも領地、家にレウィシアと帰れるからか、何も言わず、対面の席へ。話すのは領地、家の自慢話。


 朝食が終わり、準備をしていると、兄妹が。

「おはようございます。今日はどちらへ」

「陛下がわたくしの家に来てくださるの」

 弾んだ声。

「そうなのですか。セレーネ様は? もしこちらにおられるのでしたら、私がご案内を」

「セレーネも行くに決まっている。俺の妻なのだから」

「あら、こちらにいても」

 令嬢の馬鹿にした目と口調。自分の優位を疑っていない。

「私もご一緒しても。勝手に動き、敵情視察と思われても」

「わたくしはかまいませんわよ。王妃様もそちらがよろしいのでは」

 知らないって幸せ。ラタトスク、どうしよう。


 再び馬車に揺られ。ダイアンサスの領地に来る時より速度が出ているような。

 令嬢はセレーネを突き飛ばし、レウィシアと乗ろうとしていた。レウィシアは令嬢を馬車に乗せると、扉を閉め「出せ」と命じ、セレーネと同じ馬車に。セレーネの肩に寄りかかり、眠っているのか、目は閉じられていた。手はしっかり握って。

 長居はしない、ということで荷物は少なく、ついてきているのもラーデイ親子と兵三人。さらにシーミ兄妹。

 昼休憩後、進めるだけ進み。その日は宿を取り、辿り着いたのは翌日の昼前。

 ダイアンサスの邸には負けるが広い邸。門の近くには石膏の女性像。その門前で令嬢の両親と兄三人と思われる人物が待っていた。

「ただいま戻りました。お父様、お母様、お兄様達」

 馬車を降りたセレーネを突き飛ばし、レウィシアの腕にからまり、両親の傍へ。

 いい趣味、というかまぶしい。父親の指には大きな宝石のついた指輪、腕輪もきらきら光り、首周りも。母親は耳に重くないのかと思うほどの宝石がついたイヤリング。服も派手といっていい。

 レウィシアは片腕に令嬢を張り付け、片手はセレーネの手を握っていた。

「ようこそいらっしゃいました、陛下。我が地にいらしていただけるとは、光栄です。何か嬉しい報せでも」

 恰幅のいい父親は娘同様上機嫌。母親は細い。兄達はがっちり体型からぽっちゃり、細い体型とそれぞれ。末が娘。相当甘やかしたのだろう。

「そちらは」

「俺の妻だ」

 レウィシアははっきり。

「王妃様、ですか。そうは見えませんな。我が娘が余程」

 母親も同意。兄達の反応は様々。

「陛下が来られるというので、周辺の貴族にも声をかけ、昼食会を催しております。さ、どうぞこちらへ」

「来たのは視察だ」

「視察、ですか」

 父親は邸の中へ招こうとし、娘もレウィシアの腕を引いている。

 視察と聞き、全員が顔を見合わせていた。セレーネも首を傾げる。

「それでしたら、昼食にされてからでも。皆、陛下が来るのを楽しみにしておりました」

 レウィシアは、ふっと笑う。

「では、そうしよう」

 ラーデイ、二人の兵と別れ、アルーラと一人の兵がレウィシアの背後に。先を歩く五人。その後ろを、自慢話を聞きながらついて歩いた。

 案内されたのは絵画や大きな花瓶、色とりどりの小さな像などで飾られた部屋。歩いてきた廊下も同じように飾られていた。

 レウィシアを迎えるためか、元々か。派手に飾られている。そこにいる者達も皆きらびやかに着飾っていた。レウィシアを見ると、陛下と寄ってくる。

「では、本題に入ろう」

 父親は満面の笑み。腕に張り付いている令嬢も期待に満ちた目でレウィシアを見ている。集まってきた者も静かに。

「国が決めた以上の税をとっているな」

「……は?」

 寝耳に水、といった表情。

「上乗せ分は自分の懐か。ずいぶんいい暮らしをしているな」

 レウィシアは部屋を見回し、父親へと視線を戻す。

 趣味のいいとはいえない部屋。親子の身に着けているもの。

「なんのことでしょう。それより娘を気に入ってくれたのでは。妃に」

「誤魔化す気か。妃にすれば国の金でさらに贅沢できると思っていたか」

「そのようなことは。それになぜ不正をしていると。証拠がおありで」

「あるから来ている。書類上では上手く隠しているようだな。民からも苦情がきている。ああ、ラーデイが情報収集、何人かの住人をここへ連れて来てくれる。国王命令だと言えば本当のことを話してくれるだろう。お前が脅すようなら、お前から護るとしっかり約束して」

 父親は青くなったり赤くなったり、ぶるぶる小刻みに震えたり。

「あなた、ですか」

 レウィシアの腕に張り付いている令嬢がセレーネを睨む。

「王妃の座から下ろされそうだからと、陛下にあることないこと吹き込んで、わたくしを排除しようと。陛下、こんな女に騙されないでください。他国の王子を誘惑する女です。人質なのですよ!」

 アルーラ達の後ろには静観している兄妹。下手に口を出せば。

 両親は「なんて女だ」と大声で非難。他の者も騒ぎ始める。

 問題をすり替える気か。

 レウィシアはセレーネをかばうように。

「なになに~、修羅場? 修羅場なの。すっごい時に来ちゃったわぁ」

 楽しそうな声。

「なぜここにいる」

 セレーネは呆れて女を見た。服は派手ではないのに華やかな顔立ちはそこらの貴族令嬢に負けていない。

 女は楽しそうに人の間を抜けて、セレーネの近くへ。

「そうね。一言で言うなら、面白そうだったから」

「面白そう?」

 女、ヴェルテは、ふふ、と笑っている。

「国王が来るって聞いてね。今、国がどういう状況なのかわかっていない、間抜けな王の顔を見てやろうと思って」

「なんと、無礼な!」

 父親は激怒。他の者も似たもの。

「あら、本当のことよ。ま、ここに集まっている全員もそうかしら。呑気なもんね~」

 ヴェルテは飄々と歌うように。

「つまり、私も間抜けで呑気。そしてそれを知らせに来た。それとも馬鹿にしに」

 間抜けは認めるが。

「あら、あんたには報せがいっているものと思っていたんだけど。本当に知らないの?」

 ヴェルテはセレーネの顔をのぞきこんでくる。

「グラナティスだけでなく、私にも関係する何か」

「グラナティスとシーミが手を組んで、ヴィリロを攻めた」

「なんだと! 」「本当ですか!」

 レウィシアとアルーラの声が揃う。

「なんでシーミが出てくるのかは不明だけど。ヴィリロとは離れているでしょ」

 ヴェルテは小さく肩をすくめている。

「大丈夫ですか、セレーネ様」

 ビタール王子がセレーネの傍へ。囁きかけるように。

「貴女が私の手を取ってくださるのなら、ヴィリロは貴女にお返ししますよ」

「あんた、また無意識に男引っかけたの」

 呆れ口調のヴェルテ。

「セレーネ」

 レウィシアは心配そうに声をかけてくる。

「知っていたのか」

「何を、です」

「シーミがヴィリロを攻めることを」

 レウィシアの鋭い口調。

「いいえ。建国祭からこちらにいましたから」

 対するビタール王子は軽く返す。

「で、今度はどこの男引っかけたの」

 楽しそうに聞いてくる。

「人聞きの悪いこと言うな。こちらはシーミの王子と姫」

「うわぁ、なんでそんな国の王子引っかけんの」

「引っかけていない。はっきり言えば、姫がシ、陛下に嫁ごうと」

「シーミも思い切ったことするわねぇ。で、国王は次から次に女を」

「そんなことはしていない。妃は、妻はセレーネだけだ」

 握られていた手は離れ、肩を抱き寄せられる。

「あなたが、この子の。というか国王?」

 ヴェルテはふぅん、へぇ~とレウィシアをじろじろ。

「それより、グラナティスとシーミが組んでヴィリロを攻めたのは本当か」

「自分の国でしょ。そんなことも知らないの」

 相手が国王レウィシアでも容赦しないヴェルテ。

「二つに分かれたのは知っているだろ。いじめるのはやめろ。いじめというか、からかっている?」

 ヴェルテは笑みで答える。

「セレーネ様、私が父に掛け合い、ヴィリロを貴女へとお返ししましょう。そのかわり」

「こちらで取り戻す」

 レウィシアはビタール王子を睨んでいる。ビタール王子は涼しい顔。

「慌てていない、ということは、勝ったのはヴィリロ」

「あら、やっぱり知っているんじゃない」

 驚いているのはセレーネとヴェルテ以外の全員。

「初めて聞いた」

「え~、そうなの。それにしては慌てていないし」

「負けていたら、もっと慌てて来ているだろ」

 精霊を使い、知らせてくれている。

「いつ」

「二日前」

「それならこちら側に報せが入るのは急いでもさらに二日かかる」

 城に報せ、レウィシアに報せるにはさらに日数が。知らなくて仕方ない、とレウィシアを見上げ、背を軽く叩く。

「気を引きたいからと嘘を吐くのもいい加減にしてほしいものですわ!」

 甲高い声が響く。

「戦、グラナティスが負けた? 負けるはずないでしょう。我が国が」

「知らないって幸せね~。ま、仕方ないか。どう見ても戦を知らないお嬢ちゃん」

 ヴェルテは馬鹿にした目で令嬢を見ている。

「でもね、事実よ。いずれ周りの、この国にも知れ渡る。周りの国はヴィリロを放っておくかしら。ヴィリロと組んで、この国を、と考えてもおかしくないわ」

 にぃ、と迫力のある笑顔。

 確かに周りの国は黙っていないだろう。グラナティス包囲網を作ろうと。

「ふ、ふん。それでも我が国が負けるとは。ねえ、陛下」

「苦労しますね。おじい様」

 作戦、指揮、後始末。

「帰るのか」

 声は弱々しいが、肩を抱くレウィシアの手に力が入る。

「追い返されますよ。それにおじい様は無闇に戦を仕掛けません。今回は攻められたから護った。それはこれからも。攻めない限り、攻めることはしません」

「なんのための人質です。攻めて来たらあなたは」

「国のためなら私など切り捨てますよ。祖父はそういう人です」

「それならあなたは役立たず、ですわね」

 調子を戻したのか、笑みを浮かべている。

「だが、そうなった場合、ヴィリロだけでなく周りの国からも攻められるだろう」

 レウィシアの静かな声。

「そうなった場合、勝てるかどうか」

「何をおっしゃっているのです。陛下が負けるはずないでしょう」

「戦を知らないお嬢ちゃん、か」

 レウィシアは小さく笑っている。

「どう思う」

「一斉に攻めるのなら、他国と歩調を合わせると思いますよ。狙うのはシアとシアの叔父の戦中。漁夫の利狙いで」

「だろうな。気づかれないよう立ち回るはず」

「もう一度言いますが、祖父は無闇に戦を仕掛けません。領土もあれで満足しています。これ以上広げても、治められません。目が届かず、民を苦しめることを祖父は嫌っています。例え、他国から言われても、勝手にやれと言うだけです」

「見習うべき王の姿だな」

 それにしてもレウィシア側に気づかれず、どう兵を動かしたのか。どこから攻めたのか。

「臣下が勝手に兵を動かす」

 黙っていたヴェルテが口を挟む。

「兵が動かなければ。臣下だけ動いてどうしろと」

「それもそうか。その点はあんたの叔父はしっかりしているのね」

 叔父だけではないだろうが。

「バディドに気をつけるよう手紙を送っておきましょう」

「なぜ従弟くん? そこは祖父じゃないの」

「今回のことが知れ渡れば、他国からうちの娘を。変な女に引っかからないよう」

「あ~、なるほど」

 納得したのかヴェルテは手を叩いている。

「陛下」

 ラーデイが住人、だろう。五人ほど連れて現れた。

「そちらはそちらで話してください。こちらはこちらで話します」

「しかし」

「こちらは終わった話です。今から城に戻り、兵を動かせば、今度はシアが攻めて来たと思われますよ」

 戻って、兵の準備をして、ヴィリロへ。日数がかかる。

「そちらは今の話。まぁ、うやむやで終わっていいのなら」

 レウィシアは顔をしかめ、

「後で詳しく教えてくれ」

 令嬢の父親へと向き直った。

「ヴィリロに戻らないの」

「しつこい」

「あの従弟くんで大丈夫? おじい様もお年なんでしょ。あんたを王に、と言う臣下だって」

「王にはならない。それより」

 シーミの兄妹を見た。

 兄はセレーネの視線に気づくと、なんとか笑顔を作り、妹は無表情。

「ああ、シーミ。グラナティス国王に売り込みに来たんだっけ。それなのに一緒になってヴィリロに攻め入った」

「もう一人の王にも娘を送ったって」

「それって、どっちでもよかったってこと」

 ヴェルテも兄妹をじろじろ。

「それで、ついでに引っかけた、と」

「引っかけていない」

「はあ、シーミもよくやるわねぇ。イルヤに絞めてもらえば。あそこシーミに近いでしょ。国はシーミより小さい、というかシーミはあちこちに娘、息子送って大きくなっただけ。イルヤの兵力は確かだからね。あそこの王、あんたのこと気に入っていたし」

 聞いていたのか、レウィシアは勢いよく振り返る。

「イルヤの女王陛下は知っているけど、気に入られていたかは」

 女王と聞き、顔を元の位置に。

「だったら、ルルム。あそこの国王にも気に入られていたわよね。息子の嫁にと」

「嫌がらせ? 遊んでいる? 確かに言われたけど、息子には嫌な顔されて煙たがられた」

「そりゃ、そうよ。自分より優秀で地位すら揺るがしかねない女。そんな女娶るより、政のわからない、口出ししない女が」

「だったら言うな。第一彼らは護衛として私の力を認めてくれているのであって」

「これだから、無意識に誘惑している奴は」

 額を指でぴんと強く弾かれた。

「王子様はこいつのことどう思っているの?」

 いきなり話をふられ、ビタール王子は目を丸く。

「どう、とは」

「本気で好きなのか、利用したいだけなのか」

 ヴェルテはじっとビタール王子を見ている。

「もちろん、好きですよ」

「正直に答えなさい」

 それまでのふざけた口調ではなく真剣な声音。

「……精霊」

「精霊?」

 ヴェルテは訝しげに繰り返す。

「ウンディーネを呼び出し、サラマンダーを鎮めた。シルフとも親しそうに。あれらは精霊の頂点」

 知られていないが、他にも強い精霊はいる。

「妹がナイアスと契約している。カイを預かった時にウンディーネ呼び出して。カイに目を付けられるよりは、と」

「あ~、二人目ができたんだっけ。あんたに預けていたんだ」

「ウンディーネがいれば大陸の水源を抑えたようなもの。サラマンダーの力があれば大国の一つや二つ簡単に落とせる。攻めて来られても数分で片付く。シルフがいても。ノームがいれば、どこよりも土地は豊かに。彼女が、貴女がいればシーミは大陸で一番豊かで、強国に。精霊を信じていない国にいるなど。宝の持ち腐れ。貴女は我が国にこそ相応しい。なにより」

 熱く語っている。

「お兄様!」

 ローズ姫の鋭い声。

「やっぱり力目当てだったか」

「言うこと違う。無意識に引っかけただなんだと」

 じろりとヴェルテを見る。ヴェルテは真実を話すよう、ビタール王子に魔法をかけた。上手くかかり、べらべらと。

「シーミには強い王が必要なのです」

 ローズ姫の静かな声。

「周辺の国に負けない、強い王が」

「レウィシア陛下の血を持ち出せないのなら、貴女しかいない」

「いや、探せば」

 セレーネ以上の者など。

「探しましたよ。その中で貴女が一番だった」

 ビタール王子はまっすぐセレーネを見る。

「あっちもあっちで大変そうよ」

 ヴェルテが指した先はレウィシア。

「シア、これは」

 セレーネ達は剣を持つ兵にいつの間にか囲まれている。

「自棄を起こした結果だ」

「自棄?」

「取りすぎた分を少しでも民に返せば刑は軽くする。貴族の位は剥奪するが、と言い渡せば」

「強情な陛下の首を叔父上様に持っていけば、それ相応の地位がもらえる。妃の座は惜しいが、レウィシア陛下が勝つと決まっていない」

 一番上の兄、だろう。体格のいい男が「さらに兵を呼べ、囲め」と指示している。

 ラーデイ親子はレウィシアより前へ。兵はセレーネ達の背後。レウィシアは連れて来た住人を護るように。招待客は離れた場所から見ている。

「レウィシア陛下より叔父上様が治めていた時が余程よかった。どれだけ民から取ろうと何も言わず。それが陛下に変わった途端」

 不満をぶちまける。

「セレーネ様。ここは危険です。共に行きましょう」

 ビタール王子がセレーネへと手を差し出してくる。

「セレーネ」

 レウィシアの声。

「もてもてね」

 ヴェルテはこんな状況でも楽しそう。

「陛下、考え直してくださいませんか。わたくしを選んでくだされば」

「お前を選び、民を苦しめ続けろと、お前こそ、俺を護るのではなかったのか。あれは気に入られようと、その場限りの言葉だったのか」

 令嬢は兄の背後。

「上辺だけだろうな。お前は、お前達は自分が可愛い。実際俺がどうなろうと。何かあれば真っ先に金目のものだけを持って逃げる。俺を見捨てて。王でなければ見向きもしなかっただろう」

 レウィシアの背にそっと触れる。どちらを選んだかは、これでわかる。

「利用されようと、ですか。グラナティスは貴女を人質と、価値がなくなれば」

「人質ではない。俺の妻だ。俺が愛しているのはセレーネだけ」

 大勢の人がいるのに恥ずかしげもなく、はっきり。

「お兄様」

 ローズ姫は吐息まじり。

「ああ、そうだな」

 諦めてくれるのかと思いきや。

「協力しましょう。ただし、その方はもらっていきます」

 ビタール王子は下げている剣を抜く。ローズ姫もビタール王子の傍に。

「きゃー、素敵ね、楽しいわね。男に奪い合われるって」

 何が楽しいのか。ヴェルテははしゃいでいる。

 片方は国を大きくするために利用したいのだが。大きくしてどうするのか。グラナティス、ではないが目が届かなくなれば。

「陛下、考え直すのなら今ですよ。妹を正妃に。そして税のことは目をつぶってくれれば。陛下の叔父上様のように」

 レウィシアは小さく息を吐き、首を左右に振っている。

「だから叔父上は失敗した。民から、臣下、貴族から支持を得られなかった。得られたのはお前達のような者だけ。俺の気は変わらない。叔父上やお前達のような考えなど。どうせ、俺をどうにかして、自ら政をおこないたいのだろうが、お前達では無理だ」

 レウィシアははっきり。手は剣に。

「そうですか。やれ」

 囲んでいた兵が一歩踏み出す。

「動かないでください」

 セレーネはレウィシア達を制止。レウィシアは止まり、アルーラは父親を止めている。

 剣を持った兵はセレーネ達に向かい、三歩ほど動いた所で止まる。

「結界を張りました。ここから出られませんが、攻撃もされません」

「これくらいの兵など」

「シアが強いのは知っています。ああなりたければ、私の周りだけに縮めます」

 指した先では向かって来ていた兵が剣を落とし、膝をついている。兵だけでなく、領主親子、招待客も。

「何かしたのか」

「この女が」

 ヴェルテを見た。

「身の危険を感じたから対処しただけよ。思ったより早く効いたわね。改善すべきか、このままか」

 顎に手を当て、ぶつぶつ。

「何をした。毒? 魔法じゃないよね。ちゃっかり結界内にいるし」

「そりゃ、そうよ。わたしまで痺れちゃうじゃない。身の安全は確保しとかないと」

「痺れ薬みたいですよ」

 レウィシアを見た。

「う~ん、もっと強力にしたらどうなるのかしら。どのくらい痺れてる。話せる?」

 結界内から話しかけている。

「あんたも瞬殺できるでしょ。ここにいる全員、楽に」

「物騒なことを言うな」

「本当のことじゃない」

「ナイアス」

 声が響く。現れたのは女性の姿をした水の精霊。

「へえ、あれがナイアス」

「か、のじょ、を」

 痺れながらも話し、目で行けと。

「あっちはあんたに任せる。わたしはこっち。どのくらいの時間効いているのかしら。他の薬も試していいわよね。どうせ罰するんでしょ。それなら」

 うふふふ、と不気味な笑いに。

 ナイアスの攻撃は結界に阻まれている。

「俺が相手をしようか」

「結界の外へ出たら、あの女の薬の餌食ですよ。さらにここで剣を振れば結界は壊され、あの女以外ばたばた。ナイアスには効いていないので、私は痺れている間に連れ去られ」

 結界内にいるのはラーデイ親子に護衛の兵、住人も。レウィシアは剣から手を離す。

「護られてばかりな気がする」

「護ってもらっていますよ。そして別の人達も護っているでしょう」

 ぽんぽんとレウィシアを叩いた。

「さて、こちらも、どうしましょう」

「瞬殺」

「簡単に言うな!」

「だってあんた、ウンディーネやノーム、シルフ相手に腕を磨いていたじゃない。あとはあの男。あれも手加減しないからねぇ」

 薬瓶をいくつも並べて、どれにしようと選んでいる。

「ほら、早くなんとかしないと、ずっと結界内よ」

 どこまでも自由な女。

「多少の被害は」

 レウィシアを見た。

「大きな怪我人を出さなければ」

「怪我人は出ませんけど。あの女の実験台ですよ」

「邪魔するなら、あんた達も巻き込むわよ」

 決めたのか、脅しか。瓶を一つ手に持っている。

「そこそこで」

 セレーネに向けたものかヴェルテに向けたものか。

 いつまでも結界内で話してはいられない。維持だけでも魔力は使う。

 それでは、とナイアスを見た。


「はぁ~、楽しかったわ。どの薬がどんな効果かもわかったし」

 楽しそうなヴェルテ。レウィシア達は複雑な顔。被害は領主一家、招待客に留まったが。

 ナイアスは時間をかけず倒せた。倒せば、ローズ姫が痺れながらも魔法を放ち。これまた難なく倒せたが。その後はヴェルテの実験時間。

 薬の効果が薄れるまで結界内でグラナティス、シーミがヴィリロを攻めたと、ラーデイと話していた。悲鳴は無視して。

「領主一家とここにいる人達はどうするんです」

「領主は変える。ここにいる者達は俺を害そうとするのを黙って見ていたからな。相応の罰は与える」

 セレーネは部屋でぐったりしている貴族達を見て、

「この辺りの貴族大半が位を取り上げられそうですね」

「そうだな。民から話を聞いて、次の領主は決める。代行は」

 セレーネの知らない名前。ラーデイは妥当でしょうと頷いていた。

「今から行くか」

「ここは、いいんですか」

「ああ。……いや、セレーネ、頼みがある」

「聞けるものでしたら」

「簡単だ。ここに貯め込んだ金は、上乗せ分は民に返す」

 連れてこられた五人は「ええ! 」と驚き、本当かと、レウィシアを見ている。

「だが、その前に持ち逃げされては困る。持ち逃げされないよう、結界を頼めるか」

「それでしたら」

「なんなら毒も塗っとく? 解毒薬がないと手が腫れて、痛みが数十日続くような。この子の結界なら大丈夫でしょうけど、万が一破られたら」

 レウィシアと揃って呆れてヴェルテを見たが「そうだな」と頷いていた。

 決まると行動は早い。ヴェルテを除く、全員で領主が貯め込んでいる金品、美術品などを一つの部屋に運び込む。ドアノブに毒を塗り、結界を張った。

「これが解毒剤。かけてから握りなさいよ。でないと」

 レウィシアは瓶を受け取り、真剣な顔で頷いた。

「この子を王に、と考えているヴィリロの臣下は今もいるわよ」

 いきなり何を、とヴェルテを見た。

「未だ戻ってくると思っている臣下も」

 にやにやしながらレウィシアを見ている。

「それだけ必要とされていると」

「それもあるけど、優秀さもね。従弟くんより後で帝王学教えられたのに、短期間に実力つけて。それに、出戻ってくれば他国へは出せない。それなら国内の貴族。うまくいけば女王の夫。従弟くんもあっさり譲りそうだしね」

「それはもういい」

「本当のことよ。ヴィリロが大変なのも」

「後始末なら、おじい様が上手くしてくれる」

 後始末だけではない。これからのことも。心配していない、わけではないが。

「迷惑をかけるなら、こちらで引き取る。叔父は兵、捕虜のことなど考えていない。普通なら金を払い、帰してもらうが」

 以前の戦では払われず。なんの連絡もない。レウィシアの元で教育し直されている。帰りたくない、と言う者もいるが。レウィシアの叔父は帰りたければ、戻ってきてほしければ、家族、個人、村や町単位で金を払えと、黙っている、らしい。レウィシアからそのような話を。

「シーミに請求、払われればグラナティスの兵も押しつけます。私でもそうします。さすがにシーミは兵を帰してほしい、帰りたいでしょうから。それかもっとえげつない手を」

 シーミはグラナティスの兵の分まで払わなければならない。払わなければ兵は帰ってこず。手を組み続けるか、切るか。

「さすが、あんたの身内」

 シーミの兄妹は気絶させ、部屋に。

「ところで、あんたは国王様のことどう想ってんの。帰る気ないんでしょ。なら、ここにいる。義務、それとも」

 どう。どう想っている。うーん、と腕を組む。なぜか静か。

「放っておいたら、どのみち倒れそう」

「なにそれ」

「敵対している人の所へ突っ込んで行き、討たれた、相討ちになっても後を考えず、やりきった、とばったり。勝って国を一つに戻しても臣下より働き、過労でばったり。それに付き合わされて臣下もばたばた」

「……」

 沈黙。

「ありえるかも」

 小さな呟きはアルーラ。

「もし、俺に何かあれば」

「嫌ですよ」

 レウィシアの横腹を叩く。

「自分でしっかり治めてください。手伝いはしますよ」

 セレーネに広大なグラナティスを任されても無理。ヴィリロを頼られても、だ。それにレウィシアが倒れる前にセレーネが倒れているだろう。

「働きすぎれば遠慮容赦なく落とせますし」

「やるな」

「いえいえ、やってください。できるのは、止められるのはセレーネ様だけ」

 アルーラは明るい口調。

「巻き添えを食うのはこっちなんで」

 レウィシアはアルーラを睨み、セレーネへと視線を戻した。

「これからも、傍にいてくれるのか」

 自信のない声。

「そうですね。嫌だと言うのなら」

 抱きつかれた。

「嫌だとは一言も言っていない。一生傍にいてくれ。だが負けそう、負けた時はヴィリロへ」

「そうなれば次はヴィリロへ攻めて来るでしょうね」

 レウィシアに味方していた臣下、貴族もセレーネを頼る。もし子供がいれば、可能性があればレウィシアの叔父も黙っていない。

「尻に敷かれるわよ。考え直すなら今のうち」

「直しはしない」

 即答。

「あ、そう。あんた重い男は嫌いだって言ってなかった。どう見ても執念深いわよ。浮気なんてした日には、相手の男は」

「勝手なこと言うっ」

 力を入れられ、苦しく。

「浮気される俺が悪いが、したら相手の男を斬る自信がある」

「そんな自信いりません」

 落ち着いてください、と背を叩く。

「あんたが納得して傍にいるのなら、いいわ。それじゃ」

「帰るの」

「ここら辺見て、帰る。別の町で買い物する予定だったけど、予定変更したからね」

 セレーネにヴィリロのことを知らせるために。

「そうそう、その戦に厄介な男が出てたらしいわよ」

「厄介?」

 ヴィリロにとって厄介だったのか、逆か。

「あんたの父親の自称友人」

「なんで!」

「知らないわよ。そのうち押しかけて来るんじゃない」

 にやり、と嫌な笑み。

「迷惑かけないうちに手紙送って会いに行く」

「あんたも大変ね。それじゃ、またね」

 ヴェルテは手をひらひらと去って行く。自由な女。

「父親の友人が厄介なのか」

「厄介というか」

 危険人物。

「次は領主代行を頼みに行くんですか」

 レウィシアを見上げた。

「ああ。断られれば、別を考えなければならないが」

「大変ですね」

 休めていないような。

 邸を出るべく歩き始めた。

 玄関口に近い場所で、

「陛下」

 甘えたような声で駆けて来る令嬢。レウィシアはセレーネをかばうように背後に。

 抱きつこうとしたのだろうが、レウィシアは軽々とかわす。ラーデイは止めようと。アルーラは住人を邸から出していた。レウィシアはラーデイに目で合図。ラーデイは手を出さなかった。

「陛下、わたくしは、本当に陛下のことを。父や兄達のやっていたことは全く知りませんでした」

 目を潤ませ、両手を胸の前で握り、レウィシアを見ている。

「贅沢するための道具か。俺に何もなければ、お前は俺など見向きもしなかっただろう」

「その女は違うと。陛下が陛下でなくとも」

「俺を見てくれた。王であろうとなかろうと」

「そう思いたいだけなのでは。その女も地位、財産が目当てなのでしょう。危なくなれば陛下を見捨てて逃げる」

「それならとっくに逃げている」

 何度か危ない目に遭った。

「お前は俺を見ていない。先ほども兵に囲まれたところを黙って見ていた」

「か弱いわたくしに何ができると。陛下のことは見ています。出会った時から」

「見ていない。今だって」

 レウィシアは手を伸ばし、令嬢の細いおとがいに触れ、真正面から見つめ合う形に。

「なぜ目を逸らす」

「な、にをおっしゃっているのです。見ています」

 さらに令嬢に顔を近づけると「ひっ」と小さな悲鳴。顔を逸らそうにも逸らせない。あれだけ近いと隠している火傷痕も見える。レウィシアは、ふっと冷笑すると、頤から手を離した。

「行くぞ」

 レウィシアはセレーネの肩を抱く。

「財産は没収しても、当面生活できる金は残している。真面目に働くんだな」

「わたくしに民のような暮らしをしろと! あの者達とわたくしは違うのです! わたくしは」

 怒りか、屈辱か、ぶるぶる震えている。レウィシアは気にせず歩き出す。

「噂通り、陛下は氷の王ですわね! 善良なわたくし達から気に入らない、というだけで財産を没収するのですから。国中に広めてあげましょう。陛下のなさったことを。そして陛下の醜さ、心のない化け物。王でなければ誰も見向きしませんわ!」

 レウィシアは「善良、か」と小さく笑い、振り返りもせず歩いて行く。令嬢はレウィシアの悪口を叫び続けていた。


「大丈夫ですか?」

 馬車に乗り、レウィシアの顔を見る。

「ああ、聞き慣れている。それにあの声を聞かなくて済むと思うと」

 表面上は穏やかだが、内心は。

「かなり落ち込んだ、と言えばなぐさめてくれるか」

 悪知恵が働きだしたか。セレーネはレウィシアの頭をよしよし、と撫でた。レウィシアは不服そう。顔が近づいてくる。

「何をしようとしているんです」

 セレーネは限られた馬車の中、レウィシアから距離をとろうと動くが。

「色々あって触れていない」

「触れまくっていたじゃないですか、今も。場所、わかっています」

「わかっている」

「だったら」

 反論は塞がれ、聞いてもらえなかった。


 領主代行は少々揉めたが、受けてもらえ、金品等を押し込んだ部屋の鍵と解毒剤を代行の男に渡していた。必ず解毒剤をかけろと念押しして。結界は二日で解ける。そのことも伝え。領主代行探しが難航するなら、もう一度、日を延ばすために張り直しに行かなければならなかったが。

 この地の領主を決めたのはレウィシアの叔父。納めるものさえ納めれば、あとは何をしようと。領主代行曰いわく、雑な方。

 領主代行は不正を暴き、以前から手紙を送っていたらしい。レウィシアは「手紙に名前はなかったが細かに書いて大量に送りつけていただろう」と苦笑をにじませ。

 気づくのが遅くなってすまなかった、と謝り、すべてではないが、戻せるものは戻すか、何ヶ月分の税とするか、選んでもらってくれ、税も国が決めた税に、と。

 セレーネのことは自慢げに紹介し、領主代行からは鋭い目で見られた。この領主代行も妃にはランタナを選ぶと思っていたらしい。

 その日は領主代行の好意に甘え、邸で休むことに。素性を隠しているとはいえ、国王が町の宿に泊まるのは。誰が見ているか。翌日、宿に貴族が押しかければ。

 夕食、朝食時にレウィシア、ラーデイ、領主代行で色々話し合い。朝食が終わると馬車で再びダイアンサスの邸へ。

 休暇は何日とっているのか。

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