△月21日

 マンションの前には大勢の人だかりで騒然としていた。△月21日未明に起きた爆発事故を見る為に大勢の野次馬が訪れ、更に住一時避難を余儀なくされた住民が合流したところに報道局までもが押し掛けたからだ。


「えー。△月21日の午前0時過ぎ頃、後ろに見えますマンションの5階で爆発事故がありました。警察の話によれば、亡くなったのはこの部屋に住むNさん。住民の話によれば爆発が起こる前に部屋からもの凄い音を聞いたそうで、警察では何らかのトラブルによる殺人の線もあると……」

「殺人の可能性もあるってさ?怖いわー。」

「ココってつい最近建ったばかりよね?事故だとしたらよねー。」

「そうそう……ってあら?コレ何かしら?」

「何これ?お守り?」

 

 報道は唐突に起こった爆発事故の経緯を、住民はその様子を思い思いに語る。が、真相は闇の中。


「不幸の後に幸運は訪れる。必ず。だが……逆もまたしかり。そして、逃げることあたわず。」


 そして、不幸幸運は次の獲物を求め彷徨う。

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不幸(しあわせ) 風見星治 @karaage666

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