第28話 いざ、ダンジョンへ
僕は、ダンジョンが再構築される時を待っていた。<シンクロナイゼーション>略して<シンクロ>を取得した次の日の朝に、確認したら再構築が完了していたので、ダンジョン攻略を決行する事にした。
今日から本格的なダンジョン攻略が始まる。僕は、覚悟を決めた事もあってか、色んな事が、踏ん切れたようだ。
僕の目的は、まず、とりあえず強くなって、精霊樹の復活に貢献できること。そして、この世界のダンジョンを攻略していき、いつか、地球に繋がっている場所を探す事だ。最終的に、地球に、僕の国、日本に帰る事を最終目的にした。
アリシア達にとっての、大事なふるさとが、精霊の森なら、僕のふるさとは日本だからね。
「坊主、ちょっと待て、これを渡しておく」
ダンジョンに入る前に、オッサンから、アームシールドを渡された。普段はアームガードだが、親指の操作でシールドが開くようになっており、ある程度の攻撃は防げるだろうと言う事だ。また内側にナイフが仕込まれていて、手首を曲げる事でナイフが飛び出す仕組みになっていて、
「いざとなったら、これを使え」と言う事だ。
そして、オッサンからの指令(その1)は、
「今回のダンジョン攻略で、お前さんのレベルを13上げる。レベル30を目標にするぞ。」
とのことだ。お厳しいです。。。
ちなみに、他の皆さんは、レベル50は超えているようで、オッサンに関しては、レベル100越えとの事。
ダンジョンに入り、早速、再同期を試みる。すると、頭の中に色んな情報が飛び込んできた。異世界GPSに、迷路になっている通路がどこに繋がっているのかとか、そこにどんな罠があって、隠された部屋や、宝箱の位置、そして取得できるアイテムなどの情報だ。
どの階層にどんな魔物がいるか、階層ボス、最終階層にいるボスの情報だ。
そして、獲得出来るアイテムは、ダンジョンにより決まってはいるようで、ここのダンジョンで取得できるアイテムのリストもあった。
ただし、それは確実に取得出来ると言うのではなく、出現はランダムであり、運が左右されるみたいだ。欲しいアイテムがあっても、レアなものは出現確率が低く、何度もボス等に挑戦しないと取得出来ない物もあるようだ。
取得確率も確認できた。レアアイテムの出現率はかなり引くい。
僕のラックは、51なので、少し心もとないが、この数値もレベルアップで上げてくれる事を望むだけだ。
<シンクロ>で取得できる情報はこんなものだ。
そして、そのダンジョンの再構築がどのようなスパンで行われるかは、魔物の討伐率によって決まるようで、間引きがされているダンジョンの周期は遅く、間引きするごとにそれは延長されるようだ。また放置されているダンジョンだと、ダンジョン内に魔素が充満し、いつしかダンジョン氾濫が起こった後に、再構築が行われるようだ。
前回のダンジョン氾濫後すぐでの同期では、全階層は15階層であったが、今回、20階層まで増えていた。これは、ダンジョンが更新される事に、進化したという事なのだろう。
そこから分かる事だが、ダンジョンが知られずに、放置されていると、大変な事になると言うことだ。
以前、同期した時に、分かった事は、このダンジョンは『切り離されたダンジョン』と出た。何から切り離されてしまったダンジョンだったかは分からないけど、切り離されてしまった事で、『孤高ダンジョン』と言う、新しいダンジョンに進化したようだった。
このダンジョンで獲得出来る一般アイテムは、各種ポーション類。
レアアイテムは、魔法では土と風。スキル書『肉体強化』と『隠密』のようだ。そして、これが最重要なのだが、ここの最下層ボスで『孤高の剣』という超レア武器がドロップするのだとか。
この剣が、使えるかどうかは分からないが、取得必須とのお達しが来た。この剣の性能如何で、今後の僕が進む方向を考えるとの事だった。
「この剣が使えるものだったら、剣士か騎士系のスキルを取りにいくぞ。使えなかったら、その時はその時じゃ」
オッサンは、出たとこ勝負での直感派であるが、相変わらず強かだ。
「よし、これは全部手に入れるんじゃ。でないと、このダンジョンからの脱出は認めん!」
とのこと。オッサンの、お優しい?お言葉、指令(その2)でした。僕は、ここのダンジョンボスと何戦しなければいけないのだろうか。とほほ。。。
前もっての打合せで、スキル『隠密』は先にガリオンさんへ渡す事になっている。魔法書の『風魔法』は、アリシアへ。そして、『肉体強化』と『土魔法』は、僕が最初に使う事になった。
そして、『孤高の剣』は、もちろん僕だ。
1階層から一気に5階層まで、駆け抜けた。出てくる魔物をを片っ端から、倒して行く。日本での探索とは、打って変わって、レベルも17になっている事で、今までとは、力も速度もまったく違うのだ。
5階層での階層ボスである、オークジェネラルも瞬殺であった。ちょっとガリオンさんに手伝ってはもらったけどね。
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