第4話 異世界ダンジョンとレベルアップ
蓮は、突然襲われた身体が構築される痛みで、悲鳴をあげた、レベル2から一気に14まであがったのだ。いままで体験した事のない痛みが蓮を襲う。
「ちょ、異世界に転移しましたってなんだよ!異世界サバイバルセットってなんだよーーーーーーーーーーーーー!」
急激なレベルアップのために身体が作り変えられる事の痛みに耐える事数分、終わりの見えない絶望の果ての苦痛の末、徐々に痛みも収まり、なんとか耐えきったようだ。
「ふー、死ぬかと思った」
ミノタウロスが消滅した場所に残った魔石を拾うと、その少し先に、鉈が落ちていた。
失くしたと思った大事な7000円の鉈。魔石より、通販購入した鉈が戻ってきた事の方が嬉しい蓮だったのだ。
それにしても、何も解らない状態で、色んな状況に陥った事で、頭が真っ白になってしまった。
「落ち着こう。落ち着こう。。。」
眼をつむり瞑想するように、心を落ち着かせようとする。
「とりあえず、一つ一つの検証だ!」
まずは、状況判断が最優先だと蓮は思った。自分がいったいどういう状態に陥っているのかを検証して、それに対処する行動を取らないと、取り返しのつかない事になりかねないと思ったからだ。
『異世界ヴォーバルニャに転移しました。』とあったので、この空間は、異世界ヴォーバルニャって所のダンジョンって事で合ってるだろうか?と、考えてはみたが、解らない事を考えても仕方ない。頭をぶんぶんと降ってから、思考を切り替えた。
「次だ、次」
頭がこんがらがっている状態で、行動しても、悪い方向にしか動かないと、次のステータスの検証をしようと思う蓮。
「今度は、ステータスだよな。『ステータスの検証ができるようになりました』って言ってたような気がしたしな」
お約束でしょ、と言わんばかりに、ニンマリと蓮は笑った。やっぱり、ここはこう唱えるべきだよな。
「ステータスオープン!」
ブンという響きと共に、蓮の目の前に半透明のボードが表示された。
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<ステータス>
名前 : 新田 蓮(あらた れん)
性別 : 男
年齢 : 18歳
レベル : 14
HP : 86
MP : 42
STR : 37
INT : 30
DEF : 16
RES : 30
DEX : 46
AGI : 31
LUK : 51
□魔法:
なし
□スキル:
<異世界サバイバルセット>Lv3
・言語理解 ・簡易鑑定→ ・石投げ→
・飲み水整水 ・回復(小) ・浄化
・アイテム収納(小) ・着火
(ダンジョンコアの原子・XXXX)
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「ハァ?<XXXサバイバルセット>が<異世界サバイバルセット>に変わってる。とい事は、地球側ではなく異世界ヴォーバルニャ側で使用したから、そうなったのか?本来、異世界仕様だったから、異世界に来た事で本来のネーミングがはっきりと表示されるようになったのか?まぁ、そんなところだろうか。
スキルはまだ解る、最後の(ダンジョンコアの原子XXXX)って何だよ?また、XXXXって意味わからんし」
まぁ、いい、解らない事はこれも後回しだ。とりあえず、表示されている事の検証だ。<言語理解>って言うのは、異世界言語って事でいいよね、これはほんと助かるかも。話す人がいないので、これもそのうちにだ。次の<簡易鑑定>。→ってあるので、それをダップしてみた。すると、『簡易の鑑定』と出た。
「そのまんまかよ!」一人突っ込む。
「次だ次!」
<石投げ>ってあるので、その後ろの→をタップしてみる。『掴んだものを何でも石として認識し投げる事ができる。命中補正、強化あり』とあった。
「なんか、微妙なスキルだよな。でも、ミノタウロスってこのスキルが影響して倒せたかもだよね。ちょっと後で魔物相手にしての検証案件だね」
・回復(小)・飲み水整水・浄化・アイテム収納(小)・着火って言うのはそのまんまサバイバルに必要な、どれも重宝しそうなスキルだ。そう言えば、回復と着火も魔法でなくスキル扱いなのか?
さっきのコア遠投で、右手首を少し痛めたようなので、回復(小)を使ってみることにした。
右手首に左手を当て、ゆっくりと回復を願うと、右手首がぽーっと淡く光り、暖かくなり痛みが和らいだのだが、回復の感覚が回復魔法のヒールとはまた違うように思うのだ。
ヒールは、魔力にて無理やり形成し治すという感じだが、スキル回復(小)は、いわゆる、患部に体内の気を集め、「痛いの痛いの飛んでケー!」っていうものの、強力バージョンって感じだろうか。回復しようとする肉体の内なる力を引き出し、その速度を早める効果というか。自動回復速度アップ的なもののように思うのだ。
そして、ステータスを確認すると、MPは減ってない事が解る。
回復以外、一つ一つ検証をしとくかと考えていると、今いる神殿が、ゴゴゴゴと揺れだした。そして、頭に警報と声が響く。
ビービービー!ビービービー!!
『ダンジョンコアの消失を確認、ダンジョンの消滅の準備をします。速やかに退避してください』
そして、神殿の中央に魔法陣が出現した。
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